農林畜産業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 22:48 UTC 版)
バーモント州に伝わるリンゴ酢と蜂蜜を用いた「バーモント民間療法」は1950年代〜1960年代にデフォレスト・クリントン・ジャービス(英語: DeForest Clinton Jarvis)博士の著書によって世界的に広められたが、現在ではバーモント州内でもほとんど知られていないという。バーモント州で実際に収穫が盛んなのはどちらかといえば「リンゴとメープルシロップ」である。参考リンク:ハウス食品 バーモントカレー 「りんごとはちみつ」のキャッチフレーズで知られる「ハウス バーモントカレー」はバーモント民間療法を応用してハウス食品が独自開発した物で、カレーと同州の関連は無い。 バーモント州の農業は州経済に直接間接に年間26億米ドル、約12%を貢献している。しかし、別の研究では2000年に州総生産の2.2%に過ぎなかったとするものもある。2000年時点で、州労働人口の約3%が農業に従事していた。 過去の2世紀間、バーモント州の林業は過伐採と他州の森の開発によって魅力の少ないものになった。農業が衰退し、生態遷移によって州内の森が再生された。現在の州内の森の大半は再生林である。州と非営利団体が森林の再生と管理を積極的に推進している。州面積の78%以上が森林である。その85%は個人や家族が所有する非事業、民有森林地である。 酪農業が農家収入の主要源である。20世紀後半、土地開発業者が比較的安価な未利用地に集合住宅や家屋を建てる計画を作った。バーモント州政府は一連の開発規制法を作り、幾つかの先進的な住民発議によって酪農産業の消失を防いだ。1947年には11,206の酪農家があったが、85%以上が減り、2003年には1,500を少し超える程度に、2006年には1,138戸、2007年には1,087戸と減り続けた。年間10%減り続けている。 牛の数も40%減ったが、生産効率が3倍になったために牛乳の生産量は同じ期間に2倍になった。牛乳の生産量は上がったが、市場シェアは下がった。ボストン大都市圏やニューヨーク大都市圏に供給する州の中で、バーモント州のシェアは10.6%で第3位である。ニューヨーク州が44.9%、ペンシルベニア州が32.9%となっている。2007年、酪農家は牛乳 100 ポンド (45 kg) 当たり23.60米ドルという記録的な売り上げになった。しかし2008年には17米ドルに下落した。2008年に平均的な酪農家は130万ポンド (585 トン) の牛乳を生産した。 酪農家が大きく減少したために、農業経済における基本的な需要よりも、酪農家の納屋という遺産を維持するための動きに依存するようになった。教育と非営利の州と地方の歴史依存計画の協調により組織されたバーモント・バーン・センサスが州内の納屋の数、状態、外観を記録する教育管理体系を開発してきた。 2009年、543の有機農家があった。酪農家の20%は有機農家であり、野菜農家の23%、128戸が有機農家である。有機農業は2006年から2007年に増加したが、2008年から2009年は横並びだった。2010年も増加は見込まれていない。 大量の牛乳はボストン市場に出荷されている。マサチューセッツ州はバーモント州の酪農家がマサチューセッツの衛生基準に合格していることを証明している。この証明が無ければ、農家は大市場に牛乳を販売できない。 バーモント州経済の重要で成長している分野は、バーモント・ブランドの付いた職人技食料、ファンシーフード、土産用品の生産と販売である。例えばカボット・チーズ、バーモント・テディベア社、ファイン・ペインツ・オブ・ユアロップ、バーモント・バター・アンド・チーズ社、幾つかの地ビール、朝鮮人参、バートン・スノーボード、レイク・シャンプレーン・チョコレイト、キング・アーサー小麦粉、ベン&ジェリーズのアイスクリームである。 2010年にはカエデ関連製品の生産者が約2,000あった。2001年、州内で275,000 ガロン (1,040 kL) のメープルシロップを生産しており、国内生産量の4分の1に相当した。2005年では410,000ガロン (1,600 kL) に増え、国内生産量の37%だった。2009年にはさらに92万ガロン (3,500 kL) になった。 州内でワイン生産業は1985年に始まった。現在では14のワイン醸造所がある。2005年時点で州内の農家は2,000人の違法移民を雇用していると見られている。地方当局はこれを無視してきており、農場経営のために苦闘する雇用主に同情的である。
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