軽減税率の対象品目
軽減税率とは
軽減税率とは、税金の負担を減らすために標準税率よりも低く設定した税率のことである。日本においては、2019年10月の消費税改正において導入された消費税の軽減税率を指すことが多い。2020年10月時点での消費税率は、標準税率が10%、軽減税率が8%である。軽減税率の対象品目の概要
消費税の軽減税率の対象品目になっているのは、「酒類および外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」の2つに大別できる。飲食料品における軽減税率の対象品目
軽減税率の対象となる飲食料品は、消費税法別表において次のように規定している。飲食料品(食品表示法(平成25年法律第70号)第2条第1項(定義)に規定する食品(酒税法(昭和28年法律第6号)第2条第1項(酒類の定義及び種類)に規定する酒類を除く。以下この号において単に「食品」という。)をいい、食品と食品以外の資産が一の資産を形成し、又は構成しているもののうち政令で定める資産を含む。以下この号及び別表第1の2において同じ。)の譲渡(次に掲げる課税資産の譲渡等は、含まないものとする。)
イ 飲食店業その他の政令で定める事業を営む者が行う食事の提供(テーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいい、当該飲食料品を持帰りのための容器に入れ、又は包装を施して行う譲渡は、含まないものとする。)
ロ 課税資産の譲渡等の相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供(老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条第1項(届出等)に規定する有料老人ホームその他の人が生活を営む場所として政令で定める施設において行う政令で定める飲食料品の提供を除く。)
スーパーマーケットで販売されている飲食料品
スーパーマーケットで販売されている飲食料品のほとんどは、軽減税率の対象品目である。野菜や肉類、魚類、加工品、総菜、飲料水、お茶、缶詰、パン、米などは軽減税率の対象品目である。コンビニエンスストアで販売されている弁当やお茶
コンビニエンスストアで弁当やお茶を購入する際に、コンビニエンスストア内のイートスペースで飲食する場合は外食に該当するため軽減税率の対象品目にはならない。店を出て、公園で食べたり家で食べたりする場合は軽減税率の対象品目になる。宅配サービスを利用して購入する食料品
宅配サービスを利用してピザや寿司などの食料品を注文する場合は、軽減税率の対象品目になる。ただし、ケータリングの場合には軽減税率の対象品目にはならない。ケータリングは、客の指定した場所で調理したり給仕したりするサービスのことである。疲労回復用ドリンク剤や特定保健用食品、栄養機能食品
飲食物は、食品と医薬品に分類される。食品は食品衛生法により管理され、医薬品は薬事法により管理される。消費税の軽減税率の対象品目とされるのは食品であり、医薬品は対象外である。例えば、疲労回復用ドリンク剤など、容器に「医薬部外品」と書かれている飲食物は医薬品に分類されるため、軽減税率の対象品目にはならない。ちなみに医薬部外品は医薬品の1つである。一方、特定保健用食品、栄養機能食品などの保健機能食品は食品のため、軽減税率の対象品目になる。その他、健康食品も食品に分類されるため軽減税率の対象品目になる。おもちゃ付きの菓子
おもちゃ付きの菓子は、食品の部分と食品以外の部分が一体となっているもので、このような商品を一体資産と呼ぶ。一体資産の場合、税抜き価格が1万円以下で、かつ食品の部分が全体の3分の2以上の場合は軽減税率の対象品目になる。それ以外おもちゃ付き菓子は軽減税率の対象品目にならない。ビールや焼酎、ワインなどの種類
ビールや焼酎、ワインなどの酒類は軽減税率の対象品目にはならない。みりんも酒類のため軽減税率の対象品目にはならない。ただし、「みりん風調味料」の場合はアルコールをほとんど含んでいないため食品扱いになり、軽減税率の対象品目になる。アルコール分が1%未満のノンアルコールビールは種類ではないため軽減税率の対象品目になる。トマト苗木、ほうれん草の種
トマトの苗木やキュウリの苗木は、飲食物よりも育てることを目的として販売されているため、軽減税率の対象品目にはならない。ほうれん草の種やニンジンの種は、一般的にはそのまま食べるものではないため、軽減税率の対象品目にはならない。一方、ひまわりの種のようにそのまま食べる、あるいはひまわり油を作るといった飲食として用途のある種は食品になるため軽減税率の対象品目になる。ペットフード
ペットフードは食品ではないので、軽減税率の対象品目にはならない。新聞における軽減税率の対象品目
新聞は、購入方法により軽減税率の対象になる場合とならない場合がある。軽減税率の対象となる新聞は、消費税法別表において次のように規定している。一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する新聞(1週に2回以上発行する新聞に限る。)の定期購読契約(当該新聞を購読しようとする者に対して、当該新聞を定期的に継続して供給することを約する契約をいう。)に基づく譲渡
三大新聞、地方新聞を定期購読する場合
朝日新聞や読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞、そして地方新聞などを家庭、あるいは企業で定期購読する場合は、軽減税率の適用対象になる。一般的なスポーツ新聞も軽減税率の適用対象になる。コンビニエンスストアや駅の売店などで新聞を購入する場合
新聞をコンビニエンスストアや駅の売店で購入する場合は、定期購読契約に基づくものではないため、軽減税率の適用対象にはならない。インターネットを通じて電子版の新聞を定期購読する場合
インターネットを通じて配信される電子版の新聞は、電気通信利用役務の提供に該当し、新聞の譲渡には該当しないため、軽減税率の適用対象にはならない。紙媒体の新聞と電子版の新聞をセットで定期購読する場合
紙媒体の新聞と電子版の新聞を区分し、紙媒体の料金に対して軽減税率が適用され、電子版の料金に対しては軽減税率は適用されない。- 軽減税率の対象品目のページへのリンク