謎の武将・関索の伝説とは? わかりやすく解説

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謎の武将・関索の伝説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/23 00:23 UTC 版)

花関索伝」の記事における「謎の武将・関索の伝説」の解説

小説『三国志演義』(以下『演義』と略称)の完成型といえる毛宗崗本(全120回)では、諸葛亮孔明)による南蛮征伐中の第87回関索という人物が突然登場するこの人物は関羽第三子であるというが、荊州関羽敗死した際に大怪我負いその後家で療養していたという自らの生い立ち語った後、たいした活躍もなく、いつの間に物語から消えてしまう。しかし関羽の子関索という人物がいたことは正史『三国志』をはじめ、いずれの史書にも出ておらず、彼は架空の人物である。関羽の子としては別に関平正史では実子であるが『演義』では養子とする)や関興などがすでに存在しそれぞれ活躍している。すなわち関索は、関平関興とは別にわざわざ創作され人物であるが、それにしては活躍場面少なく何の為に創作されたのか分からない謎の武将であった。『演義』の原典一つ目されている元代『三国志平話』(以下『平話』と略称)でも、やはり孔明南征の中で、不危城に籠もる呂凱を倒すため突然登場し、その一度しか出てこない。また後世通俗小説導入され逸話多く提供した元代戯曲雑劇元曲ともいう)のうち、三国時代舞台とした作品群の中にも関索の名は全く登場していない。 ところが『演義』の中でも、毛宗崗本と別系統テキストでは全く別の関索」が登場する万暦20年1592年)頃に福建出版された『三国志伝』系と呼ばれる20巻本のテキストでは、毛宗崗本の第53回にあたる段で花関索という若者荊州関羽の下を訪ね生い立ちを語る。花関索関羽の子だが、生後しばらく母と二人で暮らしていた。7歳の時元宵節迷子となって員外員外金持ち旦那の意)に拾われ9歳からは花岳先生武芸を習う。恩を受けた3人の名取って「花関索」と名乗り、のち家荘という所で女傑鮑三娘試合し勝ってこれを妻とし、塘塞でさらに王桃王悦姉妹にも同様に勝って妻とした。このたび母親胡氏と3人の妻を伴って父に会いに来たという。その後この花関索孔明入蜀従軍して活躍し、後に雲南病死したと関興が語る形で物語から退場している(なおこの時関興は「兄が病死した」と語っているため、この系統での関索関羽二男となっている)。このような毛色異な関索逸話長く来歴不明であり、どのような伝承に基づくのか分からなくなっていた。 しかし通俗小説水滸伝』(北宋末期舞台とする)には「病関索」のあだ名を持つ楊雄という人物登場活躍しており、宋代元代においては盗賊中にも盗賊取り締まる軍人の側にも関索、賽関索などの名が見られ、また都市盛り場での角力でも小関索・厳関索などの名が見えるなど、この人物が広く認知されあだ名用いられる英傑として定着していたことが伺える。また物語の上関索活躍した思われる四川省雲南省貴州省などの地域には関索嶺や関索廟、関索城などの地名が現在でも残っていることから、『演義』が成立した15世紀までは、かなり有名人だったことが分かる小川環樹中国天文学星座に「貫索九星」(かんむり座一部)があり、それが神様として崇拝され可能性触れ三国物語(特に孔明南征関羽神格化など)が広まるにつれ、関羽への連想から関索変化(貫と関はほぼ同音)して南征と結びつけられ関羽の子死してとなったとの伝説昇華したではないか推測している。 しかし関索まつわる説話どのようなものがあったのかは、明代以降とくに『演義成立後散佚してしまい、その全貌がつかめない時代続いていた。

※この「謎の武将・関索の伝説」の解説は、「花関索伝」の解説の一部です。
「謎の武将・関索の伝説」を含む「花関索伝」の記事については、「花関索伝」の概要を参照ください。

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