語義・用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 13:28 UTC 版)
現代日本では、人間の存在感や風格がある様子を指して「オーラがある」と表現することがある。単に「人間の雰囲気」という意味でも使われる。 英語の aura は18世紀に使われ始めた言葉で、花などの微かな芳香、人や場所に感じられる独特の雰囲気などを表す。英語としてはやや文語的な表現である。漢字表記では「奥拉」となる[要出典]。 精神医学においては、アウラ(英語版)(オーラ)は、かつては癲癇や偏頭痛の発作の前ぶれの症状を表す用語として用いられた(現在では、発作の前兆とされたものは実際には前駆症状ではなく部分発作そのものであると考えられている)。後述の#精神医学におけるアウラ(オーラ)を参照。 ドイツの思想家ヴァルター・ベンヤミンは「複製技術時代の芸術作品」などの論文で、複製ではないオリジナルの芸術に人が見出す権威、崇高さを指して「アウラ」(オーラ) という言葉を用いた。 超心理学やニューエイジ・スピリチュアリティの分野では、オーラとは、宗教美術における後光や光背のように、人や物体を取り巻く微妙に輝く層であるとされる。このようなオーラの描写は、しばしばその人物が特別な力や神聖さを持つことを暗示している。全ての物体や生物がオーラを発しており、生来の超能力者または訓練によって感知できるとされ、インド神話における第三の目(英語版)なども関連付けられる。人間の性格の特徴とオーラの各層の色には関連があるとする記述も見られる。人間を取り巻く思考や感情の地図として描写されることもある。 オーラは近代神智学特有の概念ではないが、日本には大正時代に近代神智学の著作を介して広まり、人体の周りにその人の資質や思想に応じて現れる様々な色と形の光であり、アストラル体の別名ともされた。オーラは神智学の影響の弱かった戦前の日本でかなり普及した神智学系の概念で、日本では気とオーラを同一視する見方もあり、儒教や近世養生論と結びつき、道徳的行為が良いオーラを通して健康を守るともいわれた。 このように、オーラ (aura) という言葉には「霊気」、花などの香気、癲癇やヒステリーの発作の前兆、人物のカリスマ性の表現など、さまざまな意味・用法がある。比較文化史家の竹下節子は、オーラは比喩的なもの、現実的な現象とされるもの、生命力をあらわすもの、聖性をあらわすものなど、きわめて多様性に富む文化的概念だと指摘している。
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