「萌え」の意味論・語用論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 04:22 UTC 版)
「萌え」の現代的語義・用法を意味論・語用論を踏まえ解説すると、「萌え」は様々な対象への好意的な感情を表すと同時に、それらを総称する用語であると言える。 萌えの「対象」としては、主に架空の女性(キャラクター)の性格、特徴などが挙げられる。アニメ・漫画・パソコンゲームといったフィクションなどに登場するキャラクターがよく対象になる。萌えを感じる対象となるキャラクターは「萌えキャラ」と呼ばれる。対象の要素、特徴は「萌え属性」と呼称される。人によって、萌え属性は千差万別である。 萌えの「感情」としては、保護欲や庇護欲を伴った疑似恋愛的な好意や愛着、もしくは純粋な好意や愛着、フェティシズムや属性に関わる嗜好や傾倒などがある。 森川嘉一郎は、萌えを「趣味を主張する言葉」だとして、例えば「『ハイジ』の中ではクララ萌えだ」といった場合、アニメ『アルプスの少女ハイジ』に登場するキャラクターの中ではクララが好みだ、という意味になり、そこではクララが好きだという主張と同時に、クララを好んでいることの表明を通して、自らの趣味嗜好を説明することにも力点が置かれている、と述べている。 ただし、上記の「対象」および「感情」はほんの一例にすぎない。話者各々の後付け解釈により様々な分野に浸透した結果、さまざまな用法が派生した(文脈によって意味が異なる感情を表した語の例としては、愛しさ(感情の一覧)などを参照)。 その対象は当初「架空の二次元美少女キャラクター」に限定していたが、近年は俳優やアイドルなど実在の人物であったり、人以外の動物や無生物(「工場萌え」「鯨萌え」「中華鍋萌え」など)、さらには無形の概念(音楽など)にも及んでいる。よって主体的に感じる感情の内容は「何かに魅力を感じること」や「魅力を感じることで興奮すること」であっても、その代表用例が「架空のキャラクターへの恋愛感情」であるため、空想寄りでセクシュアリティ寄りの印象が込められやすい。
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