「萌え」を巡る議論とは? わかりやすく解説

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「萌え」を巡る議論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 04:22 UTC 版)

萌え」の記事における「「萌え」を巡る議論」の解説

萌え」の概念については様々な解釈があり、評論家によるおたく論の中でも議論交わされている。 精神科医斎藤環は、おたくが用いる「萌え」という言葉を、「芸風」として戯画的に対象化されたセクシャリティであると位置づけた。斎藤は、おたくの創作物倒錯した性のイメージ満たされながらも、おたくの間では現実性倒錯者少数であると指摘し、おたくのセクシャリティを、虚構リアリティ支える、虚構それ自体欲望対象となり現実を必要としないのであるとしてその背景論じた批評家東浩紀自著においてこうした斎藤主張を「あまりに複雑」と一蹴した。東は「萌える」ことを、キャラクターを無数の萌え要素へと分解し各要素背後にあるデータベース消費することであると位置づけ単純な感情移入とは異なると論じている。東はおたくの消費行動閉じた関係の中で欲求満足する動物化」みなし、斎藤論じた萌え」の構造を、関係性から切り離されデータベースの中で、記号化された萌え要素に対して性的興奮を得るという、動物的慣らされた行為でしかないとして単純化した。 一方評論家本田透は「萌え」を「記号発情する動物化された行為」とみなす解釈に異を唱えそうした解釈で「萌え」の本質を見い出すことはできない主張した本田は「萌え」を、宗教否定され恋愛もまた物質主義支配されていく中で必然的に生じた記号背後理想を見い出す行為であるとし、神話宗教文脈連なる精神活動として解釈したその上で本田は、むしろ動物化しているのは、バブル期以降台頭してきて現実恋愛セックス商品のように消費する人々であると主張し、「萌え」は現実恋愛狩猟行為勝ち負けのように解釈する風潮や、男性上位マッチョイズム対すアンチテーゼであるとした。なお斎は「萌え」と暴力的な性倒錯区別せずヘンリー・ダーガー作品などにも絡めながら、戦闘美少女文脈の中で「萌え」を語っているが、本田は「鬼畜系」と呼ばれる狩猟的な性関係を描いた作品群を、「萌え」とは対極位置するものとして区別して扱っている。 アニメ監督鶴巻和哉は、萌えを「特定のキャラクターに関する不十分な情報個人的に補う行為」と定義している。これを受けて作家堀田純司は、キャラクター人間本能生み出したのであるからこそ現実人物にはあり得ないほどの魅力感じさせるのだと説明している。 岡田斗司夫は、自分は「萌え」についてかなり納得しているというレベルまでにはなっていないとしながらも、単に美少女に対して感情掻き立てられるだけではなくそのような状態に陥っている自分自身のことを観察するメタ的視点含んだものが「萌え」の定義だとしている。

※この「「萌え」を巡る議論」の解説は、「萌え」の解説の一部です。
「「萌え」を巡る議論」を含む「萌え」の記事については、「萌え」の概要を参照ください。

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