規制強化を求める考え
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 18:47 UTC 版)
「アダルトゲーム」の記事における「規制強化を求める考え」の解説
規制強化を求める側の主張として、これらのゲームが流通することで児童誘拐事件などの凶悪犯罪が発生する可能性があるため、被害防止のために規制するべきという考え方がある。公明党所属の丸谷佳織衆議院議員(当時)は 表現の自由は憲法で守られている非常に重要な権利ではあるけれども、児童を対象として商業的な目的で制作された、「みだらな」性的表現に関しては、たとえ「絵」であっても何らかの対処すべき と述べ、「つまり、「絵」に関して、たとえ実在の被害者がいなくても、現状は放置しておくべき状況ではないというお考えですね」との問いには はい。そう思います。買春や写真の被写体とされるといった性的な虐待を受けている被害者が、「絵」については実在しないとしても、それを見て性的な刺激を受けた人、それが子ども自身の可能性もあるわけですが、そうした人が、その刺激によって性的な犯罪を起こしてしまうというような二次的な被害はないだろうかということにも関心はあります。因果関係は証明しづらいでしょうが、今後調べてみたいと思っていますし、無視はできないと思っています。 と答えている。 その一方で反対派からは、「『ゲームなどメディアが犯罪を誘発する』という説はメディア効果論の一つであり、既に否定されている」との主張もある。 社会風潮の悪化防止のために規制の強化が必要とする意見が述べられることもある。児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の制定にも力を尽くしたNGO・ECPAT/ストップ子ども買春の会の共同代表者は 子供を性的虐待の対象として表現した児童ポルノは子供をそういう対象として使用していいんだという意識を一般化したり助長することにもなりますので、そうした表現は実在の子供を対象としたものに限定することなく禁止すべきだと考えています と述べている。 海外では規制されているとして、それらを参考にすべきとの意見もみられる。 また、内容的に犯罪行為(→強姦)を扱うゲームがしばしば発表されている部分にも絡み、これらゲームの消費者の嗜好や、製作側の諸事情で用いられているいわゆる「アニメ風の女の子」の絵(→萌え絵)が、かわいらしさや女子らしさを強調しようとした結果、その映像面で幼児・児童として認識され得る辺りにも関連して、同種作品への拒否感を強め、規制案への支持に及んでいる傾向が見られる。中には、 一番強く反対とかメールを送ってきたり、脅迫状とかということをやった人たちは漫画家集団なんです。特に児童ポルノをかいている人たち。この人たちはいわば狂信的なグループではありますよね。 児童に対する児童ポルノの愛好者の人たちが児童に悪影響を与えるとか、漫画のひどいものが出ているといったら、その人たちはある障害を持っているんだというような認識を主流化していくことはできないものか(中略)性同一性障害という同じ位置づけで、子どもたちに対する性暴力を好む人たちを逃がしていくとしたら、障害という見方、認知障害を起している人たちという見方を主流化する必要があるのではないか など、公の場で差別的ともとれる意見が述べられることもあった。 これらの主張の他にも、架空のキャラクターにも人権が存在するため、陵辱されるようなゲームは許されないとする意見もある。元NPO法人カスパル の代表者は朝日新聞が2005年1月10日に行ったインタビューで「絵で描かれていても、少女たちの人権を侵していることには違いありません。」と述べている[要ページ番号]。 この辺りは、ゲームによって提供される仮想内の出来事ながら、半ば作品提供側の意図したストーリーで犯罪行為を追体験するような物への風当たりが強く、また人間社会では各々の個人が持つ人権が同等の物であるように、ゲーム内に構築された仮想世界では、ユーザーの操作する主人公と、陵辱される側のキャラクターは本質的に同等の「仮想的人権」を有しているであろう…という点も成立する。
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