行財政改革とは? わかりやすく解説

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行財政改革


行政改革

(行財政改革 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/15 05:13 UTC 版)

行政改革(ぎょうせいかいかく)は、地方公共団体行政組織及び運営を改革することである。略称行革。行政組織の改革やその過程を行政機構改革[1]、行政組織の在り方のみならず、財政改革を含めた場合を総合改革ないしは行財政改革と呼ぶことがある。また、行財政改革よりも広義で効率性・効果性・健全性を重視した行政組織・財政に関する改革を行政経営改革と呼ぶことがある[2]

多くは行政組織の効率化と経費削減を目的とし、公務員配置転換免職を伴う。本項では日本について解説する。

日本

歴史

近代日本の行政改革の歴史は、それこそ明治維新とともに始まったと言える。明治天皇1879年に節倹の聖旨出して過度な財政支出を戒め、内閣制度発足時にも伊藤博文が作成した「官紀五章」にも「繁文を省くこと、冗費を節すること」が掲げられている。更に1893年には帝国議会に艦船の新造を認めてもらうために官吏の給与一部返上と行政整理を約束した和衷協同の詔が出されている。日露戦争後の社会構造の変化や財政難が問題視されるようになると、歴代内閣は次から次に行政の効率化と経費削減のための方針を掲げ、前者の一部は実現される(農商務省の分割や厚生省の新設など)が、後者に関しては官僚たちの強い抵抗があってほとんど実現できなかった。

太平洋戦争戦時体制下においては、戦局にすばやく対応するために内閣総理大臣への権限強化や国家戦略を担う総合国策機関の設立などが構想され、そのための法制も一部で整備された。 地方行政においては1943年に都道府県の上位機関として地方行政協議会(1945年から地方総監府)が設立されて権限を集約、広域行政化が進められた[3] が、いずれも大きな成果が得られぬまま終戦を迎えた。 戦後も経済復興と財政難への対応から行政組織の再編や行政手続の見直しなどが行われたが、大きく整理の検討が本格化するのは高度経済成長期に入ってからである。

中曽根行革

中曽根行革以降

橋本行革

別名『火だるま行革』と言われた。

  • 1996年 橋本龍太郎首相により行政改革会議が、設置される。
  • 1997年(平成9年)全閣僚による「公共工事コスト縮減対策関係閣僚会議」(以下、関係閣僚会議)が設置される。
  • 1997年(平成9年)「公共工事のコスト縮減対策に関する行動指針」が、関係閣僚会議で策定される。対象期間は平成9年度から11年度末まで。
  • 1998年(平成10年)1月行政改革推進本部の下に規制緩和委員会を設置[4]
  • 1998年(平成10年)6月中央省庁等改革基本法が、成立する。

橋本行革以降

  • 1999年(平成11年)3月「行政コスト削減に関する取組方針」が、閣議決定される。目標は10年間で行政コストを3割削減。
  • 1999年(平成11年)4月規制緩和委員会を規制改革委員会へと名称変更[4]
  • 2000年(平成12年)「行政改革大綱」が、閣議決定される[5]
  • 2000年(平成12年)「公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針」が、関係閣僚会議で策定される。対象期間は平成12年度から20年度末まで。
  • 2001年(平成13年)「資金運用部資金法等の一部を改正する法律(平成12年法律第99号)」により、郵貯・簡保・年金の財政投融資への預託義務が廃止。特殊法人などへの資金供給が断たれる。

中央省庁再編 - 小泉改革

安倍内閣 - 麻生内閣

民主党政権

民主党を中心とする政権では、行政改革は原則として「行政刷新」の語が使われていた。

安倍政権

  • 2012年12月26日、行政刷新会議及び行政改革実行本部の廃止を閣議決定[9]
  • 2013年(平成25年)1月29日、内閣に安倍晋三総理を本部長とし、全閣僚が参加する行政改革推進本部の設置が閣議決定され[10]、そのもとで「行政改革推進会議」の開催が決定される[11]
  • 2016年(平成28年)9月12日、内閣府規制改革推進会議を設置した。

主な課題

歴代の行政改革担当たる国務大臣

正式名称は「中央省庁の再編を中心とする行政改革を推進するため行政各部の所管する事務の調整」を担当する国務大臣となっている[12][13][14][15]。略称として「行政改革担当大臣」「中央省庁改革等担当大臣」「中央省庁等改革担当大臣」などと呼ばれていた[16]

氏名 内閣 就任日 退任日
国務大臣(中央省庁の再編を中心とする
行政改革を推進するため
行政各部の所管する事務の調整担当)
武藤嘉文 第2次橋本内閣 1996年11月7日 1997年9月11日
佐藤孝行   第2次橋本改造内閣 1997年9月11日 1997年9月22日
小里貞利   1997年9月22日 1998年7月29日
太田誠一 小渕内閣 1998年7月29日 1999年1月14日
  小渕第1次改造内閣 1999年1月14日 1999年10月5日
続訓弘   小渕第2次改造内閣 1999年10月5日 2000年4月5日
第1次森内閣 2000年4月5日 2000年7月4日
第2次森内閣 2000年7月4日 2000年12月5日

以上の大臣はいずれも総務庁長官を兼務。中央省庁再編後は行政改革担当大臣が行政改革の職務を務める。

行政改革担当大臣

脚注

  1. ^ 行政機構改革”. 日本大百科全書 (2017年7月19日). 2023年11月29日閲覧。
  2. ^ 横山幸司『コロナ時代を生き抜く 自治体経営論』サンライズ出版 2022 p27
  3. ^ 内地九地区創設、広域行政を実現(昭和18年6月29日 朝日新聞 『昭和ニュース辞典第8巻 昭和17年/昭和20年』p577 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
  4. ^ a b c d 行政改革推進本部、規制改革委員会”. 首相官邸. 2010年5月10日閲覧。
  5. ^ 行政委託型公益法人等改革の視点と課題”. 非営利法人研究学会. 2009年12月5日閲覧。
  6. ^ 平成19年1月26日に、内閣に「規制改革推進本部」を設置”. 首相官邸. 2010年5月10日閲覧。
  7. ^ 規制改革推進本部会合開催状況”. 首相官邸. 2010年5月10日閲覧。
  8. ^ 規制改革会議は、平成22年3月31日をもって終了しました。および、規制改革推進本部(平成22年3月30日廃止)”. 内閣府. 2010年5月10日閲覧。
  9. ^ 「行政刷新会議の設置について」等の廃止について” (PDF). 首相官邸 (2012年12月26日). 2016年11月15日閲覧。
  10. ^ 行政改革推進本部の設置について” (PDF). 首相官邸 (2013年1月29日). 2016年11月15日閲覧。
  11. ^ 行政改革推進会議の開催について” (PDF). 首相官邸 (2013年1月29日). 2016年11月15日閲覧。
  12. ^ 人事異動 内閣”. 官報 (1996年11月8日). 2024年12月23日閲覧。
  13. ^ 人事異動 内閣”. 官報 (1999年10月5日). 2024年12月23日閲覧。
  14. ^ 人事異動 内閣”. 官報 (2000年4月6日). 2024年12月23日閲覧。
  15. ^ 人事異動 内閣”. 官報 (2000年7月5日). 2024年12月23日閲覧。
  16. ^ 医療情報室レポート No. 6” (PDF). 福岡市医師会 (1998年10月30日). 2024年12月23日閲覧。

関連項目

外部リンク


行財政改革

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 13:55 UTC 版)

仲川幸成」の記事における「行財政改革」の解説

2003年仲川11月13日開催市議会臨時会に、2004年1月1日から2005年3月31日まで市長給与10%を、助役収入役教育長給与の4%をそれぞれ減額する条例案を提出し可決された。さらに条例期限が切れる間近2005年2月28日減額の期間を2007年3月31日まで延長するとともに減額割合市長12%、助役は9%、収入役教育長は8%と増した改正条例案を市議会提出し3月23日可決された。また、2006年2月28日同年4月1日から2011年3月31日まで市長期末手当50%助役収入役教育長期末手当30%減額する条例案を市議会提出し2006年3月22日可決された。続いて同年6月6日7月1日から2009年6月30日まで部長職の期末・勤勉手当20%次長職の期末・勤勉手当18%減額する条例案を提出し21日可決された。

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「行財政改革」を含む「仲川幸成」の記事については、「仲川幸成」の概要を参照ください。

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