芳香蒸留水とは? わかりやすく解説

ハイドロゾル

(芳香蒸留水 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 17:03 UTC 版)

ハイドロゾル: hydrosol) は、「固体粒子が分散している安定な懸濁液」を意味する[1]。固体の分散粒子が液体の分散媒に浮遊するコロイド分散系で、流動性に富む場合を「ゾル[2]といい、水を分散媒とするものをハイドロゾルという。ハイドロゾルは、「水の、液体の、流体の」を意味する連結形の「ハイドロ」(英:hydro‐)[3]と、「ゾル」を繋げた造語である。芳香蒸留水を指す言葉としても用いられる。


  1. ^ 3-1. エアロゾルとは- 環境汚染 - 松田八束
  2. ^ 「ヒドロゾル」『世界大百科事典』、株式会社日立ソリューションズ・ビジネス
  3. ^ hydro Weblio辞書 英和和英
  4. ^ a b c スーザン・カティ 著 『ハイドロゾル―次世代のアロマセラピー』 川口健夫、川口香世子 翻訳、フレグランスジャーナル社、2002年
  5. ^ a b c d 井上重治 著 『サイエンスの目で見る―ハーブウォーターの世界』フレグランスジャーナル社、2009年
  6. ^ a b c d e f g マリア・リス・バルチン 著 『アロマセラピーサイエンス』 田邉和子 松村康生 監訳、フレグランスジャーナル社、2011年
  7. ^ 吉武利文 著 『香料植物 ものと人間の文化史 159』 法政大学出版局、2012年
  8. ^ ヒロ・ヒライ 著 『蒸留術とイスラム錬金術』 Kindle、2014年(初出「アロマトピア 第48号」 2001年)


「ハイドロゾル」の続きの解説一覧

芳香蒸留水

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/05 15:31 UTC 版)

ハイドロゾル」の記事における「芳香蒸留水」の解説

香料植物材料として、熱水蒸留法蒸留法ハイドロ式)、水蒸気蒸留拡散法低温真空蒸留法など水蒸気利用して精油抽出する際に、水溶性芳香成分を含む(芳香蒸留水)が副産物として生じるが、これがハイドロゾル呼ばれる精油ではなく、芳香蒸留水を得るために蒸留が行われることもある。薬学博士井上重治は、ハイドロゾルという言葉は、旧フランス薬局方で、精油ではなく芳香蒸留水を得る目的水蒸気蒸留した場合利用されていたようであると述べている。ハイドレート(英:hydrolate)、イドロラ(フランス語)、ハーバル・ディスティレート(英:Herbal distillates)、ハーバルウォーター(英:herbal water)、フローラルウォーター(英:floral water)、エッセンシャルウォーター(英:essential water)とも呼ばれ日本語では芳香蒸留水と呼ばれる日本では西洋医学導入蘭方治療利用されたと考えられており、福沢諭吉明治元年1867年)の科学入門書訓蒙窮理図解』で、蒸気蒸留について詳細に解説しており、芳香蒸留水(薔薇水)を「花の露」と呼んでいる。 疎水性テルペン類より、水溶性酸化物占め割合がかなり多く精油微粒子混入している場合もあるが、ごく微量であるため香り精油異なる。 水蒸気用いた蒸留によるバラ水製造は、8世紀終わりから9世紀初頭アラビア成立したといわれ、医療美容利用されてきた。17世紀以降以外の原料用いた芳香蒸留水も製造され最盛期18世紀であったと言われるが、次第医療における重要度低下したフランス薬局方には1837年時点42種類収録されていたが、1965年にはすべてが削除された。近年乳幼児動物への精油使用危険性認識されるにつれ、刺激少なアロマ製品として再び注目され売り出されるようになり、アロマテラピーでも使用されるようになってきている。精油製造業者販売業者化粧品メーカー手作り化粧品材料店などが、化粧品材料として、また化粧水として販売している。バラ水などは、飲料としても伝統的に利用されている。 輸送費が高くつくため、大部分廃液として捨てられている。微量芳香成分油分などが含まれるため、開封後だけでなく製造中も、微生物汚染が非常に起こりやすい。大規模な工場の「閉鎖回路」を持つ装置蒸留する場合は、大気による汚染危険性低く蒸留時の熱で殺菌されるため、生産当初細菌による汚染がない。ただし、装置開けて以後汚染可能性がある。閉鎖回路のない蒸留装置では汚染の危険が大きい。対策として、殺菌処理やフィルター使って安全性高め作業が行われる。ボトル入り飲用ハイドロゾル検査したところ、その3分の1以上クリプトスポリジウムジアルジアなどの原虫シスト検出されている。アロマテラピー用のハイドロゾルにも同様の可能性がある。 界面活性剤精油に溶かしたりハーブ煎じて濾し偽物ハイドロゾルとして販売される例もある。収率低く非常に高価なバラ油は、ハイドロゾル中の精油成分有機溶剤抽出法回収されることが多くバラ香り合成で高度に再現する技術確立しているため、バラ水は最も多く偽和が行われている。 ハイドロゾル値段ばらつきがあるが、バラネロリオレンジの花)、メリッサなどは精油高価でも、蒸留水比較手ごろ価格入手できる柑橘類精油圧搾法抽出され水蒸気蒸留が行われることはほとんどないため、柑橘系ハイドロゾルはほぼ入手できない香料抽出溶剤使って行われるジャスミンなどの花も、ハイドロゾル入手不可能である。アロマテラピー用・化粧品基材ハイドロゾルは、大規模な会社では防腐剤添加されているが、アロマテラピーでは低刺激売りにしているため、防腐剤添加しない製品少なくない化粧品アロマテラピー用のハイドロゾルでは、フェノキシエタノール防腐剤利用されることが多いようである[要出典]。

※この「芳香蒸留水」の解説は、「ハイドロゾル」の解説の一部です。
「芳香蒸留水」を含む「ハイドロゾル」の記事については、「ハイドロゾル」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「芳香蒸留水」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「芳香蒸留水」の関連用語

芳香蒸留水のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



芳香蒸留水のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのハイドロゾル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのハイドロゾル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS