自己破産(じこはさん)
たとえ全財産を処分したとしても借金を返済する見込みがないと判断した債務者は、地方裁判所に自己破産を申し立て、破産宣告を受けることができる。
裁判所が破産宣告を出すと、官報で住所と氏名が公告され、残りの借金については返済が免除される。この免責制度の恩恵を受けることが自己破産の主な動機付けとなっているが、その代償は大きいかもしれない。
破産宣告を受けた債務者は破産者と呼ばれ、破産者に属する財産は裁判所などの公的機関が管理する。したがって、財産の処分をはじめ、引越しや長期にわたる旅行などは制限され、裁判所の許可がないとできない。もちろん、受け取る郵便物さえチェックの対象だ。
自己破産制度の主旨は、借金地獄から立ち直る機会を与え、個人の経済的な再生へ向けた手助けをするところにある。
これまでは、若い世代でカードによる買い物の代金が返済不能に陥る「カード破産」が見られたが、最近では、リストラや給料の減額で住宅ローンが支払えなくなる例もあるようだ。
(2002.02.01更新)
自己破産(じこはさん)
破産
(自己破産 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/12 09:45 UTC 版)
破産(はさん)は、一般的には財産をすべて失うことを言う[1]が、法律上の意味での破産とは、債務者が経済的に破綻することで、既に弁済期にある全ての債務が債権者に対して一般的・継続的に弁済することができない状態にあるとき[2]に、本人などの申立て権者が裁判所に申立て[3]、裁判所が選任する破産管財人に債務者の財産を包括的に管理[4]・換価[5]、また総債権者に公平に分配してもらうこと[注 1]で、経済的破綻状況から離脱することをいう[6]。日本では、破産法により、破産について非懲戒主義(公法上での資格制限を科すなどの建前上の不利益を否定すること)[注 2]や免責主義(破産者の責任、特に債務について、原則としてその責任を免除すること)[7]を採っている[8]。
注釈
- ^ 債権者平等の原則。判例・通説。
- ^ 罪刑法定主義と破産法全文からの解釈。通説的見解。
- ^ 2006年度(平成18年度)の破産既済事件は、総数175,735件のうち、自然人の自己破産が166,527件(94.8%)を占め、そのうち143,375件(総数の81.6%、自然人自己破産の86.1%)が同時廃止だった。平成18年度、司法統計年報、民事・行政、破産既済事件数 破産者及び終局区分別 全地方裁判所、最高裁判所。
- ^ Web上の法律相談掲示板等では、両者を混同した投稿が頻繁に見られる。
- ^ 弁護士法7条4号
- ^ 司法書士法5条3号
- ^ 行政書士法第2条の2第2号
- ^ 弁理士法8条10号
- ^ 社会保険労務士法5条2号
- ^ 税理士法4条2号
- ^ 土地家屋調査士法5条3号
- ^ 貸金業法6条1項2号
- ^ 建設業法8条1号、17条
- ^ 保険業法279条1項1号
- ^ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律4条1項1号
- ^ 古物営業法4条1号
- ^ 質屋営業法3条1項6号
- ^ 動物の愛護及び管理に関する法律12条1項2号
- ^ 測量法第55条の6第1項第1号
- ^ 不動産の鑑定評価に関する法律16条2号
- ^ 不動産の鑑定評価に関する法律25条1号
- ^ 宅地建物取引業法5条1項1号
- ^ 宅地建物取引業法18条1項2号
- ^ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律7条5項4号ロ、14条5項2号イ
- ^ 鉄道事業法6条3号
- ^ 旅行業法6条1項6号
- ^ 警備業法3条1号
- ^ 住宅宿泊事業法4条2号
- ^ 探偵業の業務の適正化に関する法律3条1号
- ^ 公認会計士法4条4号
- ^ 銀行法第7条の2第2項第2号
- ^ 保険業法第8条の2第2項
- ^ 特定非営利活動促進法20条1号
- ^ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律24条2項2号
- ^ 警備業法14条1項、3条1号
- ^ 銃砲刀剣類所持等取締法5条1項2号
出典
- ^ デジタル大辞泉、当該項目参照。
- ^ 破産法 2条11項 <e-Gov> 2019年3月20日現在の法律。
- ^ 破産法 第二章第一節 <e-Gov> 2019年3月20日現在の法律。
- ^ 破産法 79条 <e-Gov> 2019年3月20日現在の法律
- ^ 破産法 184条2項 <e-Gov> 2019年3月20日現在の法律
- ^ 破産法 1条 <e-Gov> 2019年3月20日現在の法律。
- ^ 民事執行法 152条1項の例外規定としての破産法 第十二章第一節 <e-Gov> 2019年3月20日現在の法律。
- ^ 判例 最決昭和36年12月13日民集15巻11号2803頁
- ^ 最高裁昭和36年(ク)第101号 同36年12月13日大法廷決定 民集第15巻11号2803頁
- ^ 免責不許可事由があると同時廃止にならないのか? LSC綜合法律事務所(志賀貴)、2021年3月14日閲覧。
- ^ 伊藤眞(2009)『破産法・民事再生法』有斐閣、537頁
- ^ 前掲伊藤(2009)539頁参照
- ^ 前掲伊藤(2009)544頁
- ^ 最判平成11年11月9日民集53巻8号1403頁、最判平成15年3月14日民集57巻3号286頁
- ^ 津市営住宅連帯保証人取扱要綱 津市 2022年11月20日閲覧
- ^ 入居手続きの際の「連帯保証人の資格」の変更 北見市 2022年11月20日閲覧
- ^ 札幌市営住宅条例施行規則 札幌市 2022年11月20日閲覧
- ^ 日本中央競馬会電話投票に関する約定(担保ARS会員) 日本中央競馬会 2022年3月26日閲覧
- ^ 日本中央競馬会電話・インターネット投票に関する約定(A-PAT会員) 日本中央競馬会 2022年3月26日閲覧
- ^ 競輪電話投票に関する約定書 公益社団法人 全国競輪施行者協議会 2022年3月26日閲覧
- ^ 司法修習生採用選考審査基準 最高裁判所 2022年11月20日閲覧
- ^ 競馬学校騎手課程 募集要項日本中央競馬会 2023年4月8日閲覧
- ^ 地方競馬教養センター 騎手候補生募集のご案内地方競馬全国協会 2023年4月8日閲覧
- ^ 日本競輪選手養成所第125回(男子)選手候補生入所試験募集要項(一般試験)日本競輪選手養成所 2023年4月8日閲覧
自己破産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 02:16 UTC 版)
身内が経営する会社等による65億円もの債務超過により自己破産し、歳費が債権者により差し押さえられた。
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自己破産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 17:44 UTC 版)
1998年にアーケードゲームから撤退、コンシューマ事業に絞り込むも、負債33億円で1999年11月に和議申請、債務の75%カットなどを条件として2000年7月に和議認可となった。同社はゲームとは無関係な副事業に手を出しており、以前に椎茸栽培(パッケージには同社ロゴ有り)に手を出して失敗したこともあった。さらにマイナスイオン発生装置などの新事業で再建をはかったが、2003年4月下旬東京地裁に自己破産を申請し、同月末を以てすべての業務を停止。同年6月25日に東京地方裁判所から破産宣告、7月7日付けの官報に掲載された。折しも当時はゲーム業界の変化で複数の著名な中小ゲームメーカーが淘汰されていった時期であり、1998年にはコンパイルが和議申請により事実上の倒産(その後2002年に会社解散、2003年に破産)、データイーストの経営破綻と同時期の1999年11月にはヒューマンが和議申請、2001年にはネオジオに自社作品を供給するなどの提携関係にあったSNKが破産に追い込まれている。 2004年2月、データイーストのゲームに関するライセンスを携帯電話コンテンツ開発会社のジー・モードが取得した。 2007年9月、データイーストが保有していたゲームコンテンツのうち『ロボコップ』関連タイトルの知的財産権をD4エンタープライズが取得した。 それ以外の保有していた特許については、福田家の資産管理会社「タクトロン株式会社」に譲渡。タクトロンは、その保有特許を侵害されたとして任天堂を数回提訴したが、いずれも棄却されている。 2019年現在、商標権並びにロゴの著作権、一部タイトルを除くライセンスはジー・モードが、『カルノフ』などの一部タイトルのライセンスはパオン・ディーピーがそれぞれ保有している。 なお創業者の福田哲夫は現在、2015年に自らが設立した株式会社メトロネットの代表取締役を務めている。
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