結婚と危機とは? わかりやすく解説

結婚と危機

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 08:32 UTC 版)

オーギュスト・コント」の記事における「結婚と危機」の解説

サン=シモンとの決別と死を契機に、コント更なる挑戦始める。 1824年下院議長秘書下院議員務めたほか、サン=シモン派の雑誌生産者』の編集長だったアントワーヌ・セルクレという若手弁護士親交していた。セルクレはカロリーヌ・マッサンという元娼婦女性交際していた。 カロリーヌ1802年シャティヨン=シュル=セーヌ田舎役者の父と下着職人の母の間に生まれ貧し労働者として育った。娘に母から売春で稼ぐよう強いられて、まもなく警察から娼婦として登録された。こうした中でセルクレがカロリーヌの母に金を渡して彼女の更生手助けするようになったのだ。コントはこの二人数学教えていたのだが、カロリーヌはセルクレに捨てられてしまったため、コント交際始めた。彼女はコント交際中も素行不良のために度々警官職務質問受けて尾行されていた。 こうした状況憂慮してコント結婚決意公証人シャルル・シャンピオンがパリ4区区役所婚姻届提出1825年2月19日数学教授オーギュスト・コント27歳下着職人カロリーヌ・マッサン22歳結婚成立した。この結婚は、結婚以外に道のない女と結婚チャンスのない男の結婚であった。しかし、コントはこの結婚半年経たずに「失敗」と考えようになった原因は夫の貧困と妻の不忠実さであった1826年1月下旬コントは『実証哲学講義』と題する講義彼のアパート一室開講した案内状によると講義一年完結、全72回の予定開講した。この講義には、動物学者アンリ・ブランヴィル、エコール・ポリテクニックの恩師だった数学者ルイ・ポワンソ英語版)、ドイツの地理学者アレクサンダー・フンボルト経済学者シャルル・ディノワイエ(英語版)など高名な研究者聴講集まってきた。コント才能見込んだ学者たちが集まったとはいえ若干28歳青年当代随一学者相手開設した講義で、その光景奇妙なのだったという。また、セルクレもこの講義出席していた。 第一回は、講義目的実証主義精神紹介するイントロダクション第二回は諸科学のイエラルシーについて講義し第三回数学講義した。しかし、第四回コントが突然の休講原因精神疲労であったコント講義準備追われ社会学についての構想披露する当たって極度緊張結果精神異常をきたしてしまったのであるまた、新婚の妻カロリーヌが夫を置いて家出したのであるカロリーヌ生活苦理由売春して金を稼いでいた。コントは妻の不貞悲嘆にくれながらも仕事追われており、収入少なく生活に窮している惨憺たる状況にあったコント静養目的パリ離れて郊外モンモランシーにいた。家を空にして蒸発した夫が心配になり、カロリーヌコント探し出しようやく再会果たした。彼女は興奮状態のコント精神科での治療を受けるように薦めたコント精神科医エスキロールの元で入院したが、治療は捗らなかった。事態重く見たコントの母は息子禁治産者とする手続き取ってカロリーヌ離縁させようとしたが失敗終わり結局コント治療せずに退院していった。母は息子夫婦郷土モンペリエに連れて帰り二人カトリック結婚式挙げさせた。まもなくコントパリ戻ったものの精神状態はなかなか回復しなかった。 1827年4月、ついにコントルーブル博物館に近い芸術ポンデザールから身を投げ入水自殺試みた。しかし、通りがかり近衛仕官コント救出してコント一命取り留めた。これが契機になってコント回復遂げていく。ただし、これ以降も、1838年1842年1845年に、人生の転機重要な著作執筆着手するにあたって度々精神異常を起こしている。治療費療養中生活費用意してくれた父親からの借金嵩み仕事復帰しなければならなかった。再び、『実証哲学講義』を再開させたが、受講生は以前よりも増えて、狭いアパートでは済まなくなり、広い間取りアパート転居している。

※この「結婚と危機」の解説は、「オーギュスト・コント」の解説の一部です。
「結婚と危機」を含む「オーギュスト・コント」の記事については、「オーギュスト・コント」の概要を参照ください。

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