経緯・詳細とは? わかりやすく解説

経緯詳細

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 21:13 UTC 版)

全米作家協会他対Google裁判」の記事における「経緯詳細」の解説

en: Google Book Search Settlement Agreement」も参照 米国最大かつ最古著作家業界団体である全米作家協会 (AG) と著作家3名は2005年9月20日Googleブックス運営するGoogle社に対す集団訴訟ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所申し立てた。その翌月19日には、全米出版社協会 (AAP) も同件で単独訴訟起こした2008年10月28日GoogleAGおよびAAPとの間で和解案の合意達した発表された。Google総額1億2500万米ドル支払うという内容である。その内訳は、無断無償でデジタルスキャンされた著作物著作権者への直接賠償として4500万米ドル訴訟費用補填としてAG3000万米ドルAAPに1550万米ドル書物著作権管理機構 (The Book Rights Registry) の新設資金として3450万米ドルである。その対価として、Googleブックス使用ライセンス許諾 (すなわち機構通じたGoogleブックス著作権者間の将来的レベニューシェア) も和解内容含まれていた。 しかし国内外からは、異な3つの観点から和解案への反対意見寄せられた。第1はフェアユース観点から、Googleブックス合法であり和解金支払必要がないという主張である。第2は和解によるライセンス許諾により、Google電子書籍市場において独占強めることを危惧する主張である。その特筆すべき対抗運動としては、2009年発足したオープンブック連盟英語版)が挙げられる。当連盟にはAmazonマイクロソフトWayback Machine運営するインターネットアーカイブの他、フリーコンテンツ流通目指す業界団体Open Content Alliance (OCA) が参画した。Yahoo!アドビシステムズ、主要図書館などがOCA加盟済だったことから、これらの企業・組織間接的にオープンブック連盟参画したことになる。第3国際的な適用観点から、和解によりGoogleブックスサービス提供する諸外国にも影響を及ぼす懸念である。フランスドイツなどの各国政府までが異議唱えた他、米国政府側もUSCOや司法省が「和解案により米国外交圧力を受ける可能性」を指摘するほどの政治問題発展したドイツ法務省が作成した意見書には、被害者救済被害拡大防止見せかけて、著作権有効な世界中全書籍に対す強制執行Google獲得させるため集団訴訟利用されていると記されていた。 和解案は裁判所による最終承認が必要であり、この和解案が反トラスト法抵触する可能性地方裁判事が示唆した。これを受け、翌年2009年11月9日修正和解案を再度提出することとなった主な修正点は、和解適用範囲米国英国・カナダ・オーストラリアの四カ国で出版された書籍限定すること、権利の所在が不明な著作物取扱に関する規定、およびGoogle以外に公共の利益目的とした図書館によるデジタル著作物利用許諾することである。 しかしながらこの修正和解案も、二審の第2巡回区控訴裁判所によって2011年3月22日棄却された。その理由としてデニー・チン(英語版裁判長は "release Google (and others) from liability for certain future acts." (修正和解案によって、将来的著作物利用に関してGoogle (およびその他) が免責され恐れがある) と述べている。これを受け、将来利用関しオプトアウトからオプトイン方式への変更検討することとなった。この文脈におけるオプトアウト (opt-out) とは、Google著作物自由にデジタルスキャンして利用できる権利認めた上で著作権者望まない場合のみ、Googleブックスデジタル公開対象から外すことができる事後的な方式である。一方オプトイン (opt-in) は、著作権者事前に許諾し著作物のみ、Googleブックスデジタル化できるという事前的な方式である。 原告被告ともにオプトイン方式への変更合意意志示していたにも関わらず2013年11月14日、同控訴裁はフェアユース理由一審地方裁の判決支持し著作権侵害そのもの否定した2014年4月11日、これを不服として原告は同控訴裁に再審求めたしかしながら2015年10月16日、再び被告Google支持判決下った原告側はさらに2015年12月31日最高裁に上告請求した2016年4月18日最高裁上告請求認めなかったことから、二審Google支持判決最終確定することとなった

※この「経緯詳細」の解説は、「全米作家協会他対Google裁判」の解説の一部です。
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