組成および特徴とは? わかりやすく解説

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組成および特徴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/28 18:10 UTC 版)

ホーグランド溶液」の記事における「組成および特徴」の解説

ホーグランド溶液は、植物根から取り込む植物の生育必要なすべての元素(必須栄養素)、すなわち炭素(C)水素(H)酸素(O)以外の多量要素窒素(N)リン(P)カリウム(K)カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、硫黄(S)、および微量要素塩素(Cl)、(Fe)、ホウ素(B)マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、(Cu)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)を無機塩の形で含む。その量は土壌中の根圏比較して非常に多く、かつ過剰摂取による生長障害や塩ストレス現れない範囲にある。例えば、土壌水リン濃度通常0.06ppmよりも低いが、ホーグランド溶液中では改良前で31ppm、改良後で62ppmである。1950年にホーグランドとアーノンによって発表されホーグランド溶液組成は、主に組成キレート追加するために、数回変更された。変更前の組成を以下に示す。 N: 210ppm K: 235ppm Ca: 200ppm P: 31ppm S: 64ppm Mg: 48ppm B: 0.5ppm Fe: 1-5ppm Mn: 0.5ppm Zn: 0.05ppm Cu: 0.02ppm Mo: 0.01ppm 次に改良後の組成を示す。 N: 224ppm、16mM K: 235ppm、6mM Ca: 160ppm、4mM P: 62ppm、2mM S: 32ppm、1mM Mg: 24ppm、1mM B: 0.27ppm、25µM Fe: 1-3ppm、16.1-53.7µM Mn: 0.11ppm、2.0µM Zn: 0.13ppm、2.0µM Cu: 0.03ppm、0.5µM Mo: 0.05ppm、0.5µM Cl: 1.77ppm、50µM (*)Ni: 0.03ppm、0.5µM (*)Si: 28ppm、1mM (*)の無機元素は、ホーグランド溶液調製の際に必ずしもその含有試薬加えられないのであるニッケル必須栄養素であり、コバルトマメ科植物や一部の藍藻などにとって必須栄養素である事が証明されているが、通常他の試薬不純物として存在するため加え必要がないケイ素すべての植物にとっての必須栄養素ではなく、稲など一部植物にとって有用な栄養素である。 改良前と比べた改良後のホーグランド溶液特徴はまず、改良前は窒素源として硝酸イオンのみを含んでいたが、改良後は硝酸アンモニウムイオン両方含んでいる点である。一般に窒素源として硝酸イオンのみを用いると溶液pH大幅な低下を招くが、陰イオンである硝酸とともに陽イオンであるアンモニア混合するpHの低下緩和されるまた、植物硝酸アンモニア両方吸収した時に植物体内陽イオン陰イオンバランス良くなるため、pH中性であってもどちらか一方のみよりも硝酸アンモニア両方供給されている場合のほうが植物の生育良いホーグランド溶液特徴として次に二価供給源としてキレート剤[ 英: iron chelate ]を用いている点である。源として硫酸鉄硝酸鉄用いた時、これらは水酸化鉄となって沈殿してしまうし、また植物生長必須のリン酸塩塩を不溶性リン酸鉄にしてしまう。塩が容易に沈殿してしまう養液からは、植物加えられた量に比してわずかな量のしか吸収することができない。この問題のため、塩が沈殿しないようホーグランド溶液にはとともにキレーターが添加されている。キレーターとは、カルシウムのような陽イオン可溶性の錯体形成する化合物であり、初期にはキレーターとしてクエン酸酒石酸が用いられた。現在では、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはジエチレントリアミン酢酸[ 英: diethylene triamine pentaacetic acidDTPA ]が用いられている。EDTADTPA形成する錯体中のは三価であるが、根の表面で三価還元され二価となり、錯体から遊離して根の細胞内移行する考えられている。

※この「組成および特徴」の解説は、「ホーグランド溶液」の解説の一部です。
「組成および特徴」を含む「ホーグランド溶液」の記事については、「ホーグランド溶液」の概要を参照ください。

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