組成と構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/29 10:11 UTC 版)
ペガスス座IK星Bの内部は、ほぼ全て炭素と酸素で構成されているか、または白色矮星になる前の恒星が炭素燃焼過程を経ていれば、酸素とネオンの核が炭素と酸素の豊富なマントルに取り囲まれた構造をしている。どちらの場合でも、ペガスス座IK星Bの外側はほぼ純粋な水素の大気で取り囲まれ、そのためのこの恒星のスペクトル分類はDAとなっている。原子量が大きいため、外層のヘリウムは水素の層の下に沈む。恒星全体の質量は、体積当たりの物質の量に制限を与えている量子力学的効果である電子縮退圧力に支えられる。 推定される1.15太陽質量では、ペガスス座IK星Bは高質量白色矮星であると考えられる。半径は直接観測されていないが、白色矮星の質量と半径の間の既知の関係から推測することができ、太陽半径の0.60%と予測されている(別の推定法では太陽半径の0.72%と推測され、この結果には多少の不確定性がある)。そのため、この恒星は地球ほどの体積の中に太陽以上の質量を収めていることになり、密度は非常に高いと示唆される。 非常に質量が大きくて密度が高い白色矮星の性質から、表面重力が非常に大きくなる。通常、この値は、CGS単位系での常用対数の値log gとして示される。ペガスス座IK星場合は、log gの値は8.95である。これと比較して、地球のlog gは2.99であり、ペガスス座IK星の表面重力の値は、地球よりも90万倍以上も大きい。 ペガスス座IK星Bの実効表面温度は、約35,500 ± 1,500 Kと推定され、強い紫外線放出源となっている。通常の条件下では、この白色矮星は、半径をほとんど変えずにこれから十億年以上も冷え続ける。
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