筋線維の病理学的変化とは? わかりやすく解説

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筋線維の病理学的変化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 13:30 UTC 版)

筋病理学」の記事における「筋線維の病理学的変化」の解説

筋線維大小不同 小さ線維大き線維多数存在する場合筋線維大小不同という。筋線維大小不同に規則性がなく、広範であれば筋原疾患であることが多い。 小角線維 多角形失い正常よりも小さく三角形になった筋線維小角線維という。これは通常では存在しない線維があって、群委縮所見があれば神経性疾患であることが多い。 濃染線維 小さな多角性の線維背景にして、はっきりとした円形をし、クロマチンにとむ特徴をもつ。筋ジストロフィー高頻度認められる肥大 筋線維大きくなりそれによりしばしば多角形を失う。肥大線維代償性変化であり、しばしば中心核スプリッティングを伴う。 萎縮 萎縮線維筋疾患では丸み帯びて神経原性変化では角ばっている。萎縮最終段階では袋となり筋原線維基質大きく退けた筋細胞内の凝集認められるこの段階では神経原性、筋原性の区別はない。萎縮線維確認する場合その分布が重要である。不規則か、どのような集団をなしているかである。繊維萎縮群集萎縮は脱神経の特徴であり萎縮線維筋束一部をなして集簇する。筋束周辺萎縮萎縮線維筋束の端にならび、萎縮程度は縁に近いほど強い。筋束周辺萎縮皮膚筋炎認められる不規則に散在し萎縮線維特異な疾患特徴ではなく両方筋線維タイプを含むときは脱神経の初期段階をしめす。筋線維タイプごとの萎縮もある。タイプ1線維萎縮通常筋強直性ジストロフィー先天性ミオパチー認められる発育障害結果考えられるタイプ2線維萎縮高頻度認められ廃用慢性疾患ステロイド治療など様々な態と起こる。 筋線維タイプ優位性欠損 筋線維比率は筋毎に異なる。しかし三角筋上腕二頭筋大腿四頭筋腓腹筋ではタイプ1線維タイプ2線維どちらでも55%を超えた優位性の異常である。タイプ1優位性先天性ミオパチーで、タイプ2優位性筋萎縮性側索硬化症認められる 間質変化 サルコイドーシスアミロイドーシス血管炎などの診断につながることもある。筋内膜線維化筋ジストロフィー示唆する筋ジストロフィー炎症性筋疾患では炎症細胞浸潤認められる。どんな疾患でも最終段階筋組織線維結合組織脂肪組織置き換わるの異常 中心核内在)が筋線維の5%以上に認められれば異常である。再生段階にある筋はしばし中心核をもつ。封入体封入体筋炎や眼咽頭筋型ジストロフィーといった疾患認められる分割線維 肥大線維認められる。筋腱移行部では病的意義はない。 壊死線維 壊死線維はHE染色細胞質均一化し、ガラス様になり淡くそまる。縦断像では横紋が消失する筋線維徐々に空砲ができ、炎症細胞基底膜超えて浸潤する。筋細管内マクロファージTリンパ球浸潤し筋線維知覚から再生筋芽細胞出現する最終的に血管周囲炎症細胞が移る。線維変性筋ジストロフィー炎症性筋疾患中毒性筋疾患特徴である。壊死線維変性線維神経原性筋萎縮最終段階としては認められることもあるが、原則筋疾患示唆する。 好塩基性線維 再生筋線維のことでRNAが豊富である。 ターゲット線維 ターゲット線維は正常標本でも、とくにNADH-TRではよく認められるターゲット線維タイプ1線維であることがほとんどであり、中心に酵素活性欠き、色がぬける。その外側酸化酵素が豊富で環状にくらくなる。さらにその周囲は正常という構造であり、脱神経認められる外側暗くならない場合は類ターゲット線維という。この場合は脱神経の特異度は低い。 空胞 vacuoleライソゾーム蓄積McArdle病糖原やカルニチン欠損症脂肪これにあたるライソゾーム蓄積病の空砲ホスファターゼ染色蓄積物により見分けるライソゾームが高活性化した自己貪食空砲ホスファターゼ染色により明らかになる縁取り空胞 rimmed vacuole 封入体筋炎認められる周囲顆粒状でHE染色では好塩基性、Gomoriトリクロームでは赤くなり、電子顕微鏡では、膜の残屑中間フィラメントより構成されているのを認める。 周期性四肢麻痺において内膜組織拡張により生じた空胞 筋原線維欠損による空胞 赤色ぼろ線維 ragged red fiber内膜下や筋原線維間に集塊存在しミトコンドリア筋症に目立つ。Gomoriトリクロームでは赤く、HE染色では青い。主に異常なミトコンドリアからなり酸化酵素多く含み、そのためNADH-TRやSDH染色濃染する。超微構造では糖原や特に脂肪蓄積認める。60歳未満認められればミトコンドリア筋症を強く示唆する高齢者ではミトコンドリア以外の障害でも赤色ぼろ線維散見する。また赤色ぼろ線維がなくともミトコンドリア病否定出来ない管状物質集積カリウム性周期四肢麻痺認められる

※この「筋線維の病理学的変化」の解説は、「筋病理学」の解説の一部です。
「筋線維の病理学的変化」を含む「筋病理学」の記事については、「筋病理学」の概要を参照ください。

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