筋紡錘
筋紡錘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/04 03:12 UTC 版)
筋紡錘(きんぼうすい)とは、筋肉の長さを検知する固有受容器の一種である。細い筋内繊維(錘内筋繊維)などが紡錘形に集り結合組織の膜で包まれている。
構造と機能
筋紡錘は
で構成されている[1]。これからの構成成分が膜に包まれて筋肉の中に埋め込まれている。
筋肉の伸長によって筋内線維が伸長すると、筋内線維に巻き付いている感覚神経末端が物理的に引き延ばされる。感覚神経末端には膜の伸展を検知するチャネルが存在しており、筋肉の伸長によって感覚神経が活性化する。これが筋肉の伸長シグナルとして身体へと送られる[2]。
筋紡錘は腱紡錘とともに、その受容した刺激が反射弓を経由して深部腱反射を引き起こす[3]。
動物種による違い
脚注
- ^ Eric R Kandel, et al.. カンデル神経科学. 5th edition. 日本語版. p.476
- ^ Eric R Kandel, et al.. カンデル神経科学. 5th edition. 日本語版. pp.476-477
- ^ 吉里勝利ほか 『新課程版 スクエア 最新図説生物』 第一学習社 2022年 209頁、215頁
- ^ Proprioceptors like the muscle spindle are not found in Zebrafish.
筋紡錘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/09/19 06:21 UTC 版)
骨格筋の筋周膜内に存在する筋の伸展度を感受し、中枢に伝える装置が筋紡錘(英: muscle spindle、独: Muskelspindel)である。筋紡錘は筋周膜に連続する被膜で囲まれ、内部に紡錘内線維 intrafusal fiber と呼ばれる10本前後の横紋筋線維が存在するが、これらは通常の横紋筋線維より細く、構造も異なる。紡錘内線維には、40個から50個の核が筋線維中央部で核嚢と呼ばれる膨張部を形成する核嚢線維 nuclear bag fiber と、核が筋線維中央部で鎖状に並ぶ核鎖線維 nuclear chain fiber とがある。これらの紡錘内線維には被膜を通じて多数の知覚神経、運動神経が達する。運動神経のγ運動ニューロンは知覚神経より細く、紡錘内線維の辺縁部に運動終板を形成して終わる。知覚神経には2種類あり、太い方の神経線維は紡錘内線維の中央を螺旋状に取り巻いて終わり(第1知覚終末)、細い方の神経線維は紡錘内線維の辺縁部で終わる(第2知覚終末)。第1知覚終末は脊髄内で同一の筋束を支配するα運動ニューロンとシナプスを形成し、反射弓を構成しているため、筋が伸展すると紡錘内線維も伸展し、知覚神経線維からの求心性インパルスにより適度の筋緊張が指令される。γ運動ニューロンは紡錘内線維の緊張度を保持し、筋紡錘の感度調節をする。筋紡錘は繊細な動きを実現する手の虫様筋や骨間筋に多く、一般に脳神経支配の筋には存在しない。
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