第34 - 39編成(11 - 12次車)
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「営団05系電車」の記事における「第34 - 39編成(11 - 12次車)」の解説
同時期に半蔵門線用として製造される08系の設計思想を取り入れ、仕様変更により安全性の向上、コストダウン等を図った。08系同様に2000年(平成12年)3月に発生した日比谷線脱線事故を踏まえた車体構造の強化と安全性の向上を目的に設計変更した台車を採用した。 車体の窓割は営団とこれに乗り入れる鉄道事業者で協議して定めた規格に基づいたものとなり、座席配置は標準的な3-7-7-7-3人掛けとなっている。車体は構造が見直され、側構体は中空押出形材構成としてシングルスキン構造からダブルスキン構造(セミダブルスキン構造)に変更したほか、車体隅柱には厚肉化した三角形断面の衝突柱を設置して衝突事故時における車体強度の向上を図った。 併せて台車はモノリンク式ボルスタレス方式で変更はないが、曲線通過性の向上や保守性の向上を目的に構造を変更したものとなった。なお、製造メーカーは異なるが、08系で採用した日本車輌製のND-730形と同一構造である(本系列は住友金属製のSS161・SS061形)。 さらにバリアフリーの観点から床面高さをそれまでの1,150 mmから1,140 mmへ低下させた。前照灯は自動車などにも普及しているHID灯を搭載し、視認性の確保も併せて行っている。車外の車両番号表記など各種表記をプレート式からステッカー貼り付け式に変更している。これは車内の各種表記も同様である。(車外の「S」マーク表記はプレート式を踏襲。) 側窓はドア間で均等な配置となり、ドア間の7人掛け部は2分割で開閉可能な窓、車端部は固定式の単窓に変更された。連結面はすべてに妻面窓が設置されたが、それまでよりも若干小さくなった。そのほか、袖仕切形状が変更されたほか、網棚形状(荷棚受け、荷棚網)も簡易な構造となった。7人掛けロングシート部には3+4で区切るスタンションポール(握り棒)が設けられたほか、車いすスペース部にあった座席は廃止した。 乗務員室内ほぼ同じだがブレーキ指示計(減速度km/h/s表示)はアナログ計器式から08系と同様の力行ノッチも表示するLED表示灯式のものとなった。車掌スイッチは機械式から間接制御式(リレー式)に変更した。 また、機器についても変更点があり、MT比はチョッパ制御車と同じ5M5Tに戻っている。 VVVFインバータ制御装置は11・13次車が三菱製、12次車が日立製となっている。いずれも磁励音は8 - 10次車とは異なっている。 上記の変更に伴い、1C4M1群/2群制御方式となる。 主電動機出力165 kW/台。165 kW車の歯車比は6.21である。 電動車比率を5M5Tと引き上げたため、編成全体出力は3,280 kWから3,300 kWとなっている。設計最高速度が120 km/hに向上した。 11・12次車のVVVFインバータ装置 11次車の三菱製MAP-178-15V106形・写真は2側の素子冷却フィン 12次車の日立製VFI-HR2820E形・写真は2側の素子冷却フィン 12次車の左写真の反対側・1側のゲート制御部 性能向上は08系設計によるものであり、半蔵門線建設史によると、東西線ではそこまでの性能は必要とはされないが共通化のため同一性能になったとされている。 ただし、線区による違いを除いても以下のような相違点がある。 雨樋付近の構造が異なり、08系は側面も張り上げ屋根であるが、この編成ではそうなってはいない。なお05系でも第40編成以降では形態は異なるものの、側面も張り上げ屋根となっている。 08系では連結面に大形の縦雨樋があるが、本系列ではそれまでの車両同様に車体埋め込み形となっている。 正面LED行先表示器はドットが粗く、英字併記されていないままである。 車内のLED式車内案内表示器も1段表示である。 05-535は、東洋電機製造製IGBT-VVVF装置の試験車両となっている。改造当初はラッシュ時専用となっていたが、その後他の編成と共通で運用されるようになった。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}2011年時点では、ほかの号車と同様に三菱製に更新されている[要出典]。 このグループから集電装置はシングルアーム式パンタグラフに変更した。これは05-200形と05-800形に2基、05-500形に1基搭載されている。 その後、このグループは編成中のパンタグラフを2台搭載した車両の降下(5→3基)が行われている。当初は第35編成で行われていたが、現在では第34編成を除き3基使用となっている。降下したパンタグラフの側面上部には黄色い印が付けられている。
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