第10、第11、第12の哨戒 1944年1月 - 1945年1月
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「スピアフィッシュ (サーゴ級潜水艦)」の記事における「第10、第11、第12の哨戒 1944年1月 - 1945年1月」の解説
1944年1月17日、スピアフィッシュは10回目の哨戒で台湾、ルソン海峡方面に向かった。1月30日、スピアフィッシュは北緯21度12分 東経149度28分 / 北緯21.200度 東経149.467度 / 21.200; 149.467の地点で2隻の商船および3隻の護衛艦から成る船団を発見し、2度の雷撃を行って特設運送船玉島丸(飯野海運、3,560トン)を撃沈し、他に護衛艦1隻にも打撃を与えたと判断された。2月10日夜には高雄港外で4隻の輸送船とその護衛艦から成る輸送船団に対して浮上攻撃を行い、特設運送船辰和丸(辰馬汽船、6,345トン)を撃破、別の輸送船を撃沈したと判断された。翌日にも高雄港外で11隻の船団に攻撃を行い、貨物船に損傷を与えたと判断された。2月12日、スピアフィッシュは北緯20度25分 東経117度55分 / 北緯20.417度 東経117.917度 / 20.417; 117.917の東沙諸島近海でまたもや輸送船団を発見。攻撃により貨物船1隻を撃破したと判断されたが、攻撃を受けた貨客船六甲丸(東亜海運、3,038トン)は魚雷を発見して回避し、護衛の水雷艇初雁が爆雷攻撃を行った。2月29日、スピアフィッシュは43日間の行動を終えて真珠湾に帰投した。 3月31日、スピアフィッシュは11回目の哨戒で東シナ海および南西諸島方面に向かった。5月5日、スピアフィッシュは北緯33度18分 東経127度11分 / 北緯33.300度 東経127.183度 / 33.300; 127.183の男女群島近海でタモ18船団を発見。追跡を開始し、翌6日未明に攻撃。船団中の護衛艦が制圧に向かったが、その直後に輸送船豊浦丸(日本郵船、2,510トン)が雷撃を受けた。最初に発見した魚雷は回避したが、続く2本の魚雷が命中し沈没。続く攻撃で給糧艦間宮を撃破した。5月27日、スピアフィッシュは58日間の行動を終えて真珠湾に帰投。続いて本国西海岸で広範囲オーバーホールを受ける。6月6日から10月3日までメア・アイランド海軍造船所で作業を受けた後、10月10日に真珠湾に戻り1ヵ月間の訓練演習を行った。艦長がサイウス・C・コール少佐(アナポリス1935年組)に代わった。 11月12日、スピアフィッシュは12回目の哨戒で日本近海に向かった。哨戒の前半、スピアフィッシュは硫黄島および南鳥島に対する写真偵察調査を行い、後半は南方諸島海域で救助艦任務および攻撃哨戒を行った。11月28日、スピアフィッシュは硫黄島近海で、上空を飛行中のB-24を誤って攻撃した。12月19日には墜落したB-29のクルー7名を救助した。1945年1月11日、スピアフィッシュは北緯23度47分 東経139度49分 / 北緯23.783度 東経139.817度 / 23.783; 139.817の地点で、漂流中の渡し船嵩山丸を発見した。嵩山丸は22総トンのエンジン付き木造渡し船で、1944年12月1日、志布志湾内を内之浦港へ航海中にエンジンが故障して、太平洋上へ流されていた。2時間の短行程の予定であったが、不幸中の幸いにも正月用の特配物資を運搬中だったため、多少は食糧が積まれていた。乗客22人と船員4人が乗船していたうち、2人が衰弱死し、12月29日にアメリカ軍飛行艇の機銃掃射で14人が死亡したため、遭遇当時の生存者は10人となっていた。1月11日にアメリカ軍哨戒機が再び同船を発見し、生存者がいるらしいとスピアフィッシュに連絡した。嵩山丸を発見したスピアフィッシュは無人船と判断して攻撃したが、途中で生存者に気付いた。スピアフィッシュは救助を始めたが、聴音により日本の対潜艦艇が接近していると誤認し、3人を捕虜として収容した時点で救助を打ち切り、嵩山丸を艦砲により撃沈した。収容した3人のうち1人は、数日後に自殺を図って重傷を負ったため、モルヒネ注射で安楽死させた。1月24日、スピアフィッシュは64日間の行動を終えて真珠湾に帰投。これがスピアフィッシュの最後の哨戒となった。
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