第六巻:王の帰還
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 01:41 UTC 版)
一つの指輪を身につけたサムは、キリス・ウンゴルの塔で拷問と死からフロドを救う。フロドとサムはモルドールの不毛の荒野を進み、オークの軍に遭遇するが、オークの服を着て偽装し逃れる。指輪からサウロンの注意をそらそうとするガンダルフの計画は上手く行き、モルドールはほぼ空となり、残りのオークのほとんどはガンダルフとアラゴルンが率いる軍に対峙するために出払っている。厳しく危険な旅の後、フロドとサムは滅びの罅裂にたどり着く。フロドは指輪を滅びの山に投げ込もうとするものの、指輪の力に屈し、指輪を自らのものにしようとする。その時、フロドとサムをつけていたゴクリがフロドを襲い、指を噛みちぎって指輪を奪う。“いとしいしと”を取り戻したゴクリは歓喜するが、バランスを失って指輪と共に裂け目に落ちる。指輪はついに破壊され、中つ国はサウロンから解放される。滅びの山は爆発し、フロドとサムは溶岩流に囲まれるが、大鷲に助けられる。サウロンの破滅により、黒門からその軍は逃げ去る。サウロンは人間の軍に手を伸ばそうとする大きな影として現れるが、力なく風に吹き飛ばされる。サウロンの配下にいた人間達は降伏し故国にもどることを許される。フロドとサムは溶岩流から救い出され、旅の仲間たちと再会し、イシリエンのコルマルレンの野で名誉の礼を受ける。 ミナス・ティリスでは、ファラミアとエオウィンが療病院で出会って恋に落ちる。イシルデュアの裔たるアラゴルンはミナス・ティリスの門の外でゴンドール王としての戴冠式に臨み、フロドが古のゴンドールの王冠を運び、ガンダルフがアラゴルンの頭に置く。回復したファラミアはイシリエンの大公となり、デネソールの狂気からファラミアを救い出したベレゴンドはファラミアの護衛隊長に任命される。ガンダルフとアラゴルンはゴンドールの高所に行き、〈白き木〉の若木を見つけ、アラゴルンは枯れたミナス・ティリスの〈白き木〉の代わりに植える。間もなく、裂け谷のエルロンドの娘アルウェンと、ケレボルンとガラドリエルがミナス・ティリスに到着し、アラゴルンはアルウェンとの婚礼の式を挙げる。別れのあいさつを交わし、ホビット達もついにホビット庄に帰るが、故郷は惨憺たる状況にある。ホビット達は“お頭様”と呼ばれるロソ・サックヴィル=バギンズの圧政に敷かれているが、実は“シャーキー”と呼ばれる陰の存在に操られている。シャーキーは堕落した人間達を使ってホビット庄を完全に制圧し、木を切り倒して庄を工業化している。 メリー、ピピン、フロド、そしてサムはいまひとたび行動計画を立てる。ホビット達を立ち上がらせ、水の辺村の戦いで勝ち、庄を解放する。袋小路の入り口でフロドらはシャーキーに会うが、その正体が零落した魔術師のサルマンであることを知る。フロドに解放されたサルマンは手下の蛇の舌グリマを冷酷に扱い、グリマはサルマンに飛びかかって首を掻き切る。逃げようとしたグリマはホビットの射手たちに斃される。サルマンの魂は東方に飛び去り、肉体は骸と化す。やがて庄は元の姿を取り戻す。サルマンに切り倒された木々は、サムがガラドリエルから贈られた砂と種によって復活し、家々は再建され、平和が戻る。サムは長く想っていたロージー・コトンと結婚する。メリーとピピンはそれぞれバック郷とトゥック郷を立派に治める。だが、フロドは魔王に刺され、シェロブに毒され、指を失った傷から回復することがない。フロドはガンダルフ、ビルボ・バギンズ、そしてエルロンドやガラドリエルなど多くのエルフ達と共に西の浄土へと発つ。エルロンドが中つ国から旅立ったことをもって第三紀は終わる。サム、メリー、そしてピピンは、ガンダルフ、ビルボ、フロド、そしてエルフたちが故郷へと旅立つのを見守る。フロドの物をすべて受け継ぎ、サムはフロドの旅立ちを悲しみながら袋小路の家に帰り、ロージーと娘のエラノールに迎えられ、守るべきものがあることに感謝する。 表 話 編 歴 J・R・R・トールキンの『指輪物語』 巻旅の仲間 · 二つの塔 · 王の帰還 製作と評価構成 · テーマ · 影響 · 翻訳 · 評価 · ファンダム · 研究 関連作品ホビットの冒険 · トム・ボンバディルの冒険 · シルマリルの物語 · 終わらざりし物語 · 中つ国の歴史 · ビルボの別れの歌 · フーリンの子供たち · ベレンとルーシエン · ゴンドリンの没落 · ホビット研究 · 道は続くよどこまでも キャラクターフロド · サム · メリー · ピピン · ビルボ · ガンダルフ · アラゴルン · レゴラス · ギムリ · ボロミア · サウロン · サルマン · アルウェン · エルロンド · グロールフィンデル · ガラドリエル · ケレボルン · セオデン · エオメル · エオウィン · 蛇の舌グリマ · ファラミア · デネソール · ベレゴンド · ゴクリ · アングマールの魔王 · ゴスモグ · シェロブ · 木の鬚 · トム・ボンバディル · グワイヒア · ギルドール・イングロリオン 翻案(英語版)及び派生作品(英語版) 書籍Bored of the Rings (1969) · The Last Ringbearer (1999) · Muddle Earth (2003) 舞台The Fellowship of the Ring (2001年) · The Two Towers (2002年) · The Return of the King (2003年) · The Lord of the Rings (2006, 2007年) ラジオThe Lord of the Rings (1955年) · The Lord of the Rings (1979年) · The Lord of the Rings (1981年) 映像(英語版) アニメ指輪物語 (1978年) · The Return of the King (1980年) P・ジャクソンの三部作ロード・オブ・ザ・リング (2001年) · ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 (2002年) · ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 (2003年) その他Khraniteli (1991年) · Hobitit (1993年) · The Lord of the Rings (2021年) ファンメイドThe Hunt for Gollum (2009年) · Born of Hope (2009年) コンピュータゲーム(英語版)Journey to Rivendell · The Hobbit · Game One · Game Two: Shadows of Mordor · J. R. R. Tolkien's War in Middle-earth · Volume I · J. R. R. Tolkien's Riders of Rohan · Elendor · MUME · Volume II · The Two Towers (MUD) · The Fellowship of the Ring · 二つの塔(en) · ホビットの冒険 ロード オブ ザ リング はじまりの物語 · 王の帰還(en) · ウォー・オブ・ザ・リング · 中つ国第三紀 · 中つ国第三紀 (GBA) · バトル・フォー・ミドル・アース · Tactics · The Battle for Middle-earth II (The Rise of the Witch-king) · The White Council · ロード・オブ・ザ・リングス オンライン (Mines of Moria · Siege of Mirkwood) · Conquest · Aragorn's Quest · War in the North · Lego The Lord of the Rings · Guardians of Middle-earth その他のゲーム『中つ国』のボードゲーム · 『王の帰還』のボードゲーム · The Lord of the Rings Strategy Battle Game · The Lord of the Rings Trading Card Game · The Lord of the Rings Roleplaying Game · Middle-earth Collectible Card Game · Middle-earth Role Playing 玩具中つ国のレゴ(英語版) 典拠管理 MBW: f0da85a5-9b32-4f71-97e3-538faaaf6e3d
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