終わらざりし物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 04:37 UTC 版)
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『終わらざりし物語』(おわらざりしものがたり、原題: Unfinished Tales)は、J・R・R・トールキンの作品集である。副題を含む原題はUnfinished Tales of Númenor and Middle-earth(ヌーメノールと中つ国の終わらない物語)。トールキンの遺した草稿をクリストファ・トールキンが編纂し、1980年に出版された。
物語が全体として一貫した作品となるように修正が加えられた『シルマリルの物語』とは異なり、『終わらざりし物語』はトールキンの著作をそのまま提示している。ただしトールキンには草稿を書きながらキャラクターの名前を変えて試してみるという混乱させるような癖があったため、名前の変更などの修正は行われている。このため、記述の一部は不完全な物語であり、一部は中つ国に関する「事実」を集めたものとなっている。それぞれの話の後には編者による矛盾した点や不明瞭な点を説明した長いいくつもの注釈がつけられている。
『シルマリルの物語』と同じく、クリストファ・トールキンによる『終わらざりし物語』の編集と出版はトールキンの遺稿の研究を終える前に行われた。編集上の一貫性の欠落という欠点はあるが、『終わらざりし物語』は『指輪物語』においてわずかにしか説明されていなかった登場人物や出来事、場所について詳細な情報を提示している。ガンダルフとイスタリ(魔法使い)の起源、イシルドゥアの死とあやめ野での一つの指輪の喪失、ローハン王国の建国などの物語は中つ国に関する知識を広げる助けとなった。
特筆すべきはアルダリオンとエレンディスの物語である。これは没落前のヌーメノールの唯一の物語である。ヌーメノールの地図もこの本に含まれている。
『終わらざりし物語』の商業的な成功は、トールキンの死後もその作品に関する需要が存在するだけでなく、大きくなっていることを示した。この結果を受けてクリストファ・トールキンはより野心的な12巻からなる『中つ国の歴史』(日本語訳未刊)に着手した。この作品は中つ国に関するトールキンの著作のほとんどを網羅している。
内容
第一部:第一紀
第二部:第二紀
- ヌーメノールの島について
- アルダリオンとエレンディス: 船乗りの妻
- エルロスの家系: ヌーメノールの諸王 アルメネロスの都の創建から没落まで
- ガラドリエルとケレボルンの歴史およびローリエンの王アムロスのこと
第三部:第三紀
第四部
日本語訳
現在、日本語で入手できる刊行物は以下の通り
- 『終わらざりし物語』上 山下なるや訳 河出書房新社 2003年 ISBN 4-309-20396-5
- 『終わらざりし物語』下 山下なるや訳 河出書房新社 2003年 ISBN 4-309-20397-3
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終わらざりし物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 13:45 UTC 版)
『指輪物語』作中で「二つの塔」で登場するより前にも、グリマは背後で物語に大きく関わっていた可能性がある。『終わらざりし物語』に収録されたトールキンの遺稿のひとつでは、グリマがガンダルフのエドラスへの訪問をサルマンに知らせるべくアイゼンガルドに向かう途上、ローハン平原で指輪の幽鬼に捕らえられたと記述されている。彼は指輪の幽鬼に、サルマンの企みについての自分の知識、特にホビット庄に対する関心と場所を暴露した。グリマは解放され、指輪の幽鬼はすぐにホビット庄に向かった。ただし、遺稿の別のバージョンでは、この役割は、フロドたちがブリー村で遭遇する「いやな目つきの南から来た男」に与えられている。またトールキンは、グリマがセオデンに「遅効性の毒」を与え、彼を年齢より早く老化させた可能性を示唆する。
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