製作と評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 07:41 UTC 版)
日本びいきで知られる監督ドーリス・デリエが小津安二郎の『東京物語』に着想を得て製作した。デリエは当初、小津の作品はテンポがゆっくりし過ぎていて気に入らなかったが、後に独特の情感が全編にあふれていることに気付き、小津同様に「家族」が自身の映画のテーマになったという。デリエはこれまでも『漁師と妻』などを日本で撮影してきたが、本作で日本の象徴ともいえる富士山と桜の花をとりあげた理由として、自分の中にあった聖なるものに近づきたかったからであったと語った。タイトルの由来に関しては、「花見は移ろいゆく時のメタファー。桜の花は短期間で咲き散る。主人公も短い時期に自分自身と妻を再発見する。こういった花見のような体験を観客にもしてほしいと思って名付けた」と語った。 朝日新聞の保科龍朗は、『東京物語』における東京が現代のベルリンで置き換えられ、失われかけた家族のきずなの再生が語られる、魂のロードムービーだと評した。中央日報は、2009年韓国は家族映画ブームであり、是枝裕和の『歩いても歩いても』、イ・チュンリョルの『牛の鈴音』、オリヴィエ・アサヤスの『夏時間の庭』、ヤン・イクチュンの『息もできない』と並んで本作をその一つに挙げた。
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