競走馬と屠殺とは? わかりやすく解説

競走馬と屠殺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 05:06 UTC 版)

屠殺」の記事における「競走馬と屠殺」の解説

食用・加工用の家畜ではなく競走馬など他の目的飼育されていた動物が、結果的に屠殺され場合もある。 競走馬成績低迷高齢などを理由競走生活引退した後は、繁殖馬、乗馬クラブ学校馬術部等での乗用動物園などの観光用研究用などに転用、あるいは功労馬として余生を送る馬も存在するが、その割合少数であり、大半競走馬屠殺されているのが実情である(参考乗馬#乗馬への転身という意味)。功労馬でなくても牧場余生を送る様に計らう馬主存在し余生を送ることが出来か否か判断は、経済的合理判断と共に多分に馬主パーソナリティ牧場所有有無などに負うところが多い。 屠殺後の用途として、馬肉回される場合もある。日本では馬肉は「桜肉」と呼ばれ古くから栄養豊富な食肉として、また「ニューコンミート」(→コンビーフのような代用食として親しまれている。ただし、江戸時代には生きた牛馬屠殺幕府禁制対象であり、自然死事故死のものが「」にされた。食肉禁制であったため、「」と称された。他の用途としては家畜飼料ウマの項を参照のこと。 日本桜肉として流通しているのはペルシュロンブルトン、ベルジャンの混血種ある日本輓系種を屠殺したものがほとんどである。これらは当初から食肉目的生産されるものと、ばんえい競走競走馬目的生産されたものの、能力検定不合格となった馬主としての買い手が見つからないなどの理由食肉回されるものがある。またばんえい競走競走馬ありながら腸閉塞等の不慮の事故斃死した馬は、そのまま桜肉として加工して厩舎関係者配り食する形で供養するという習慣が現在でもあるが、この習慣サラブレッドなどの軽種馬競馬関係者の間ではみられない屠殺以外の殺処分においては、たとえ重度負傷をした場合でも食用・加工用を前提としない薬物による安楽死処分一般的である。殺処分の方法を選ぶ必要はあるものの、屠殺により馬資源活用する方が本来は合理的ではあるのだが、競馬場内で重傷負った馬を屠殺場移動させるというのは感情的な反発も強い。また1973年10月動物愛護法制定され苦痛を伴う殺処分法律により禁止された。そのため日本では同年6月ハマノパレード一件以降負傷馬への安楽死導入されている。 足を傷めることは競走馬全般において問題ではあるが、ことサラブレッド場合は「速く走ること」に特化して品種改良続けられ結果、その足はきわめて繊細なものであり、負傷に弱い。足を傷める負傷が蹄までもを侵し、更に残った問題の無い足に負担余計に掛かって関節炎などを併発結果的に悶え苦しみ最悪場合には衰弱死するか痛みショック死する場合もある。このため予後不良診断され競走馬動物愛護見地から安楽死されることがある(→蹄葉炎)。 ウマ屠殺否定的なアメリカ合衆国では、エクセラーファーディナンドといった有名な競走馬が、それぞれ輸出先スウェーデン日本屠殺され市場流通するなどした。同事件は米国内問題視され米下院で馬の屠殺禁止法案が可決されている。その他に中央競馬八大競走優勝したにも関わらず日本中央競馬会施設送られず、行方不明になった馬も存在したまた、重賞レース勝っているにもかかわらず功労馬繋養展示事業対象馬になる事無く処分される馬も多い。 先に挙げた米国の例のほかにも、特に競馬盛んなイギリスのような国家では馬の繁用難しくなったときには人道的な安楽死求められ屠殺に強い拒否感・嫌悪感を示す。食のタブーなど社会的な事情にも絡んだこの問題だが、日本ではペットとしてみなされ、まず屠殺されることなど無い(ただし保健所では捨て捨て猫野良大量に処分されている)が、中国韓国などそれらを食べ文化を持つ地域では日常的に屠殺され食肉市場流通している状態と対比させる理解しやすい(→犬食文化)。こういった食文化違い端を発する動物屠殺まつわる文化摩擦世界各地多々存在する

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