発見の経緯と出土とは? わかりやすく解説

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発見の経緯と出土

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 16:13 UTC 版)

富本銭」の記事における「発見の経緯と出土」の解説

富本銭は、1694年元禄7年発行の『和漢古今寳泉図鑑』に「富夲銭」として登場し1798年寛政10年)に丹波国福知山藩8代藩主 朽木昌綱くつき まさつな)により刊行され古銭目録和漢古今泉貨鑑』には、「富本七星銭」として図柄付き載っており、昔から貨幣研究家の間では知られていた。『和漢古今泉貨鑑』では富本銭を「古寳銭」と分類し、「夲」は「本」字の代わりに使用されたものである指摘している。富本銭を含む朽木昌綱収集品は、昌綱死去後幕末に、藩財政危機及び洋式軍備の必要のため、50丁のゲベール銃との交換ドイツ人売却されたが、1999年大英博物館収蔵されているのが発見された。 1889年明治22年)、収集家今井風山は『風山軒泉話』のなかで、「その作り古朴和同銭と違わない質が古和同と同じである。」と古代のものと推定されることを指摘している。 明治期発掘されとされる長野県下伊那郡高森町武陵地古墳群通称秋葉塔の塚」)から、背文「大観通宝」「富本」の古銭3点出土したとの記録がある。この古銭富本銭ではないかということで、1999年平成11年奈良国立文化財研究所調査依頼され同年3月近畿圏以外で初め出土確認された。高森町から出土したものは、飛鳥京跡飛鳥池工房遺跡から出土したものに比べわずかに外径小さく軽い。 その後戦後遺跡調査進展もあって、富本銭出土相次ぐことになる[要出典]。 1969年昭和44年)に平城京跡から、1985年昭和60年)には平城京跡の井戸の底からも出土した1991年平成3年)と1993年平成5年)には、さらに古い藤原京跡からも相次いで出土された。 これにより、今まで最も古い貨幣とされてきた708年発行和同開珎よりも古い可能性がでてきた。 1995年平成7年)には、群馬県藤岡市の上栗須遺跡から1枚出土している。 1999年平成11年1月飛鳥京跡飛鳥池工房遺跡から33点もの富本銭発掘された。それ以前には5しか発掘されていなかった。 33点のうち、「富本」の字を確認できるのが6点、「富」のみ確認できるのが6点「本」のみ確認できるのが5点で、残りは小断片である。完成に近いものの周囲には、鋳型や鋳棹、溶流れ込む道筋である湯道や、鋳造時に銭の周囲はみ出した溶である鋳張りなどが残っており、仕上げ段階至っていないことから、不良品として廃棄されたものと考えられる富本銭発掘され土層から、700年以前建立された寺の瓦や、687年を示す「丁亥年」と書かれた木簡出土していること、『日本書紀』683年天武天皇12年)の記事に「今より以後、必ず銅銭用いよ銀銭用いことなかれ」との記述があることなどから、発掘当たった奈良国立文化財研究所は、同年1月19日に、和同開珎よりも古く683年鋳造されたものである可能性極めて高いと発表し、これにより「最古貨幣発見」「歴史教科書書き換え必至か」などと大々的報道なされたその後4月以降追加調査では、さらに不良品カス鋳型、溶などが発見された。溶の量から、実に9000以上が鋳造されたと推定され本格的な鋳造がされていたことが明らかになった。アンチモン割合など初期和同開珎とほぼ同じことから、和同開珎モデルになった考えられる2008年平成20年3月には、2007年平成19年11月藤原宮跡から地鎮具として出土した平瓶(ひらか)の中に水晶と共に富本銭9詰められていたと発表された。これらのうち、少なくとも8従来のものと異な書体「冨夲」(「冨」字の「一」も省略)であることが確認され飛鳥遺跡発掘のものより厚手であったこのうち4富本銭特徴とされてきたアンチモン含有確認されなかった。 2012年平成24年1月31日放送テレビ東京開運!なんでも鑑定団』で個人所有の冨本銭鑑定依頼品として出された。藤原宮跡から出土したものと同時期に鋳造されたと判明した富本銭複製品

※この「発見の経緯と出土」の解説は、「富本銭」の解説の一部です。
「発見の経緯と出土」を含む「富本銭」の記事については、「富本銭」の概要を参照ください。

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