田沢湖の辰子伝説とは? わかりやすく解説

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田沢湖の辰子伝説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 02:37 UTC 版)

三湖伝説」の記事における「田沢湖の辰子伝説」の解説

田沢湖町院内金ヶ澤常光坊の娘に金靏子という娘がいた。今日一般には、田沢湖ヒロイン辰子タツ子)と呼ばれている。これは、金靏子(鶴子)が16-17歳の若さを保つために、龍と化して田沢湖の主になったことが語り継がれているうちに龍子変化したものと考えられる辰子姫の名前の変遷執筆者文献名前1735年享保20年佐藤六兵衛 縁起書抜 金が沢常光坊ノ娘、カメツルコ 1735年享保20年佐藤利兵田沢留尊仏菩薩縁記 亀靏 1769年明和6年富永斎 田子神祠 益戸滄洲先生配亭記 タツ1798年寛政10年人見蕉雨 黒甜瑣語 神成沢の常厳坊が女、隺子(つるこ) 1823年文政7年佐竹義文 養老紀行といえる麗人 1824年文政8年菅江真澄 月の出羽路 楂湖(うききのかた)の金鶴子 1858年安政5年三倉鼻縁記 龍子 1868年慶応4年三倉鼻名所記 靏子 1869年明治2年三倉鼻由来 靏子 1880年明治13年石井忠行 伊豆茶話 神鳴沢の百姓三之允の娘(又は、石神と言う所の)神鶴子 1883年-1903年明治16-36年) 羽陰温故誌 鶴子 1911年明治44年千葉源之助 田沢湖案内 院内村神成沢の三之丞家の一人娘辰子一説には常光坊の娘鶴亀、又は金田沢湖伝説の最も古いものを残している亨保時代の『田沢留尊仏菩薩縁記』には、八郎太郎逢瀬三湖伝説一連ののであることは語られていない。そして、その関連付けたのは武藤鉄城修験者熊野語り部であるとしている。 辰子名前の変遷については、武藤鉄城は「その湖がタッコ潟と称されたことから、女主人公のタッ子が生まれたのである考えている。そしてタッコ潟の語源湖畔田子木部落の名から出たものであり、更にその田子木な地名は『タッコフ』即ち『水辺円錐形小山がある所』を意味する石器時代言葉から出たものと解釈している」としている。それ以前には、「金鶴子」や「亀鶴子」とされていた。その証拠湖水唯一の吐口である潟尻川付近近江八景の浮見堂に似た中にある漢槎宮祭神京都から「金鶴姫之命」(金鶴子様)命名されご本尊があるからである。 これに対し井上隆明は、八郎太郎真言宗系の説話であるが、辰子姫は天台宗系で、現在の辰子姫の名は江戸後期文人による当て字だとし、地元ではタッコ姫と促音発音されることから、古くからタッコ姫→棲居地タッコ潟→田沢湖とされたと言われてきたが、タッコ田子田処田所竹生(たこう)でかんがい用水をひく湖沼の意味だろうから、タッコ潟→その主のタッコ姫でなければならないとし、「タッコ」のアイヌ語語源説否定している。 奥州藤原氏滅亡した後、源頼朝によって新たな東北地方支配者として鎌倉御家人派遣された。その時に、熊野信仰伴っていたと考えられる13世紀から14世紀にかけて熊野神社系の熊野語り部が、熊野神社縁起語り物携えて東北地方唱導して歩き、それが定着して各地伝説になった熊野系の物語代表的なもの「義経記」で、その中に義経の妻が山形県瀬見温泉対岸亀割で「カメツル子」を産んだとしている。別の説では義経恋人が「皆(みなつる)」である。中世熊野説話女主人公一貫して「皆」から「カイツル」となり「カメツル」と変化している。「亀」は中世巫女系の説話に多い名称で、女神官である巫女にも「ツルコ」の名が多い。神社神官から離れて諸国さすらいながら宗教宣伝をした巫女いわゆる歩き巫女」と呼ばれ秋田では盲目でない巫女は「アサヒイチコ」と呼ばれていた。これらの女流唱導者が辰子物語創作し伝えていった可能性が高い。また「八郎伝説」はそれに対して男性唱導者の熊野聖によって創作されたのではないだろうか。

※この「田沢湖の辰子伝説」の解説は、「三湖伝説」の解説の一部です。
「田沢湖の辰子伝説」を含む「三湖伝説」の記事については、「三湖伝説」の概要を参照ください。

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