独立館時代(1978-2016)
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「飛騨市神岡図書館」の記事における「独立館時代(1978-2016)」の解説
神岡町立図書館では、利用実績の不振の理由の1つとして館内の狭さを指摘し、神岡町は1977年(昭和52年)から堀川地区に新しい図書館の建設を開始、1978年(昭和53年)2月1日に総面積407m2、鉄筋コンクリート構造2階建ての新館へ移った。新館は1階に児童開架室、2階に一般開架室・資料室・視聴覚室を配置し、冷暖房を完備するなど近代的な施設になった。岐阜県内の町村立図書館で独立の建物を持つのは珍しく、神岡町立図書館は先駆的な存在であった。設備面だけでなく、蔵書の拡充、専門の司書の配置、団体貸し出しと予約制度の設定、資料の複写やテレビ番組の録画といったサービスの開始など事業面でも心機一転した。さらに『広報かみおか』を利用した図書館の利用促進、「絵本の会」による読み聞かせも開催したが思うように利用は伸びず、むしろ減少傾向を示すようになった。 そこで神岡町立図書館は次なる一手として1989年(平成元年)から「図書館まつり」を開催することにした。第1回図書館まつりは10月23日から11月8日まで、読み聞かせや本の展示会、読書に関する放談会、講演会など多彩な催しを行った。図書館まつりは恒例化し、神岡町にゆかりの文学や荒垣秀雄・江夏美好といった神岡町出身作家に焦点を当てた催しを開催してきた。こうした活動の甲斐もあってか、平成に入ってから利用者数は増加に転じた。 2000年(平成12年)になると神岡町の有志の女性4人が「こだまグループ」を結成し、図書館内外での読み聞かせ活動を開始した。2003年(平成15年)9月に蔵書の整理とコンピュータの導入のために一旦休館し、約4万2千冊あった蔵書を2万9千冊に削減、バーコードシールを貼付して、同年12月2日からコンピュータを利用した貸し出し業務を開始した。この時、町村合併による飛騨市発足を見越して古川町図書館(後の飛騨市図書館)と回線で接続し、相互の蔵書を検索可能にしただけでなく、それぞれの図書館カウンターで相手の図書館の蔵書を借りられるようにした。 2004年(平成16年)2月1日、神岡町は古川町・河合村・宮川村と合併して飛騨市となり、神岡町立図書館は飛騨市神岡図書館に改称した。古川町図書館を引き継いだ飛騨市古川図書館では新築移転が検討されるようになったものの、神岡図書館は名称を変更したのみで、そのままの施設を当面利用することになった。 2011年(平成23年)、飛騨市は前年に交付された総務省の「住民生活に光をふりそそぐ交付金」を基金化し、それを元手に専任図書館長を一般公募した。そこで館長に採用された西山進(飛騨市図書館との兼任)を中心に年間10件程度だった図書館の主催行事を大幅に増やしていった。2013年(平成25年)1月には図書館の公式Facebookページを開設し、各種企画の告知を開始した。同年3月2日、13年にわたって神岡図書館で読み聞かせ活動を行ってきたこだまグループが最後の読み聞かせを開催した。同会は自作の紙芝居を作成するなど精力的に活動してきたが、メンバーの常に新しい趣向を凝らして聴衆に臨むという姿勢から負担が重くなり、グループは存続するものの図書館での活動は終了することにしたのであった。読み聞かせ活動自体は、グループの最年少メンバーが新しい団体を結成して継続している。
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