様々な逐次重合による生成物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/29 23:18 UTC 版)
「逐次重合」の記事における「様々な逐次重合による生成物」の解説
様々な逐次重合による生成物を次に示す。 ポリエステルは高いガラス転移温度 Tg と高い融点 Tm を持ち、およそ 175 °C までは良い機械物性を示し、溶媒や化学物質に対しての抵抗性が良い。繊維やフィルムの形で用いられる。繊維は織物、フェルト、タイヤコードなどに用いられ、フィルムは磁気記録媒体や高品質薄膜に用いられる。 ポリアミド(ナイロン)は高い強度、弾性と耐摩擦性、耐久性、耐溶媒性などのバランスの良い物性を持つ。ポリアミドはロープ、ベルト、ファイバークロス、糸、ベアリングにおける金属代替材料、電線の被覆材などに応用される。 ポリウレタンは耐摩擦性、硬さ、潤滑油への耐性、弾性を備えたエラストマーとしてや、反発性の優れた繊維として、溶媒や摩擦に対する耐久性を備えた被覆材として、強度と反発性、耐衝撃性を備えた発泡材として用いられる。 ポリウレア(英語版)は高い Tg、油脂および溶媒への耐久性を示す。荷台のライニング材や橋梁塗装材、コーキング材や装飾デザインに用いられる。 ポリシロキサンは液状、脂状、蝋状、樹脂状、ゴム状と幅広い物理的状態で利用しうる。用途としては消泡剤や剥離剤、ガスケット、封止材、ケーブルやワイヤーの絶縁材、高温液体・液体の導管などが挙げられる。 ポリカーボネートは透明な自己消火性のある材料である。高い衝撃強度、熱・酸化に対する安定性など、熱可塑性結晶に類似した物性を有する。機械や自動車産業、 医療用などに用いられる。例えば、F-22戦闘機は高光学品質ポリカーボネートをコックピットキャノピー(英語版)に採用している。 ポリスルフィドは顕著な耐油・耐溶媒性、気体不透過性、エージング耐性、オゾン耐性を有する。しかし、悪臭を持ち、引っ張り強度が低く、熱・酸化に対する耐久性も低い。ガソリンホースやガスケット、溶媒および気体への耐性が要求される部位に使用できる。 ポリエーテルは熱可塑性、水溶性、様々な優良機械特性、あるていどの強度と剛性を示す。木綿や合成繊維の糊付け、粘着剤の安定化剤、結着剤、医薬品の成膜などに用いられる。 ベークライトは耐熱性、形状安定性、ほとんどの溶媒に対する耐久性を有する。また、誘電物性も優れている。この材料は典型的にはその誘電物性から電気製品、ラジオ、テレビ、自動車向けの塑造部品に用いられる。他にも、含浸紙、ワニス、壁材の装飾用ラミネートなどにも用いられる。 ポリトリアゾールポリマーはアルキン基とアジド基を有するモノマーから製造される。モノマー単位はそれぞれ、1,3-双極子環化付加反応(英語版)、別名アジド-アルキンヒュスゲン環化付加反応(英語版)により生じる1,2,3-トリアゾール基により繋がれる。これらのポリマーは強度の高い樹脂状もしくはゲル状となる。末端アルキン基と末端アジド基を持つオリゴペプチドモノマーからは、エンドペプチダーゼがオリゴペプチド単位に作用することにより生分解性を持ったクリックペプチドポリマー(英語版)が作られる。
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