アンダーフィル
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 14:29 UTC 版)
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アンダーフィルとは、集積回路の封止に用いられる液状硬化性樹脂の総称である。主にエポキシ樹脂を主剤としたコンポジットレジンが主流となる。
概要
ワイヤーボンディング、フリップチップボンディング等で基材へ一次実装された集積回路は、外力・応力に対して非常に脆弱で少々の力で容易に破断してしまうケースが多い。また湿度や温度に対しても弱く、そのままでは腐食などを起こしてしまう。
こういった問題の解決策として一般的な手法がアンダーフィリングで、用いられる液状硬化性樹脂をアンダーフィルと呼んでいる。
組成
一般的にはエポキシ樹脂を用いる。市販されるエポキシ樹脂は2液型と呼ばれ、主剤と硬化剤の2種を混合することで常温で硬化するが、アンダーフィルに用いられるエポキシ樹脂は1液型と呼ばれ、主剤と硬化剤を混ぜた状態で出荷されリフロー工程で硬化させるものが一般的である。
またエポキシ樹脂は熱膨張・収縮が激しく、場合によってはボンディングを破壊してしまい兼ねないため、コンポジットレジンとして線膨張係数の小さな酸化ケイ素のフィラーを含有させることが多い。
コンポジットレジンは歯科医療の用途に作られたもので、硬化物全体での線膨張係数が非常に小さく、温度変化に柔軟な対応が可能である。
備考
近年では、アンダーフィリングの工程を簡略化もしくは廃する目的で、ACFやACP、NCF、NCPといったものも開発されつつある。これらはフリップチップボンディングと同時にアンダーフィリングを行えるようになっている。
関連項目
外部リンク
主なアンダーフィルメーカー
封止材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 05:22 UTC 版)
「パッケージ (電子部品)」の記事における「封止材」の解説
封止材の材質は、かつては金属(鉄、アルミ、真鍮など)がよく用いられたが、コストダウンや多ピン化への対応、小型化などの要求が出てくると、通常の温度・湿度の範囲で使うものはエポキシ樹脂など低価格な耐熱樹脂によるレジン・モールドが、また温度特性を広く必要とする工業用・軍事用や発熱が大きいデバイスではアルミナなどのセラミックが用いられるようになった。 金属やセラミックはあらかじめプレス及び焼結により成型しておき、内部にダイを実装した後に組み立てて、低融点ガラスなどシーリング材で密封する。一方、レジンモールドの場合は金型に入れて樹脂を射出成形する。テープ状パッケージでは、耐熱性と柔軟性の高いポリイミドで作られたテープ上にダイを実装する。近年ではプラスチックの性能が上がり、またプラスチック以外のパッケージでは表面実装部品のリフローはんだ付けが出来ないことなどもあり、セラミックを使用したパッケージは減少傾向にある。またダイオードでは当初よりガラス封止が多く使われ、現在では用途によりレジンモールドなどと使い分けられる。 レジンモールドはわずかながら水分を吸う。リフローはんだ付けをする場合、水分を含んだレジンモールドは急激な加熱によって破壊されることがある。これを防ぐため、メーカーから納入された部品は一定の個数ごとに袋などで密封して湿気から遮断されているが、開封した部品を全て直ちにはんだ付けするとは限らず、開封したまま長時間未使用になる部品が出ることは避けられない。そのような部品がそのままはんだ付けできるかどうか判断出来るよう、表面実装用の部品には開封後そのままリフローはんだ付けができる時間が決められており、データシートに記載されている。それを過ぎた部品は、水分を取り除くため決められた温度で予熱処理(ベーク)をしてからはんだ付けする。 CPUやチップセットといった非常に多くの端子を必要とする物では、パッケージ内部の接続にボンディング・ワイヤを使用しない「フリップチップ(英語版)」接続を使用したパッケージが使われるようになった。これによりパッケージが薄く作ることができる上、プラスチック製であっても必要ならヒートスプレッダが使用でき熱抵抗が低くなったため、近年ではそれほどピン数が多くないが発熱が大きい製品にも使われ始め、旧来の金属製・セラミック製の製品を急速に置き換えている。スペースファクタを最大限に上げるため、大容量DRAM等ではダイに直接半田ボールをつけてレジンモールドした製品もある。 またフリップチップの登場に合わせ、従来のようにダイを丸ごと覆うのではなく、上に搭載するだけの「インターポーザ(英語版))」が開発された。インターポーザはプリント基板の一種であり、したがって材料はプリント基板と同じガラス繊維入りエポキシが使われる。インターポーザとダイの隙間にはアンダーフィルと呼ばれる硬化剤を注入して固定する。インターポーザに実装したダイは上からさらにレジンモールドする場合もあるが、発熱の多い部品ではダイの上部を露出したままとしたり、ヒートスプレッダを装着することが多い。
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