様々な辛味と辛味成分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 00:46 UTC 版)
辛味にはいくつかの類型が認められ、基本的には、それぞれ辛味成分の化学的特性に対応している。 ワサビやカラシ、ネギ、ニンニク、ダイコンなどの辛味は、清涼感を伴い、舌や鼻へのツーンとした刺激として知覚される。日本語では「ツーンとくる辛さ」などと表現されることが多い。これは硫化アリル・アリルイソチオシアネートといったアリル化合物の作用であり、これらは冷刺激受容体TRPA1を活性化する。下記のカプサイシンとは異なりアリル化合物は揮発しやすいため、辛さを和らげるためにお茶などの熱い飲み物を飲むことが多い(逆に冷水を飲むと辛さが増強される)。 トウガラシの辛味は体を温め、発汗を促す。舌には熱さ、時には痛さに似た刺激をもたらす。「ヒリヒリする辛さ」と表現されることもある。このような作用はカプサイシンと呼ばれる成分によるもので、カプサイシン受容体TRPV1を活性化する。コショウの辛味はトウガラシに似るが、ややマイルドである。この味の主成分はピペリンと呼ばれる。カプサイシン、ピペリンはアルカロイドに分類される。 ショウガにはギンゲロールやショウガオール、サンショウにはサンショオールなどの辛味成分が含まれ、発汗と清涼感をもたらす。サンショウの辛味は同時に、舌に痺れるような感覚をもたらす。 また日本語では、強い塩味のほか、ミントや炭酸飲料の刺激が強いことを「からい」と表現することがある。現在ではこれを「辛味」と区別して考えることが多いが、古くは「過度に刺激的である」といった意味で概念が近接していたものと思われる(Cf. 「あまい水」と「からい水」、および「点があまい」「点がからい」の対比)。
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