本名で活動した時期―長い下積み時代について
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「チョン・ジェヨン」の記事における「本名で活動した時期―長い下積み時代について」の解説
チョン・ジェヨンの役者としての大きな特徴は、韓流の現代ドラマの財閥の御曹司や時代劇の英雄に代表されるような特別な人ではなく、ごく普通の暮らしを営む無名の人を好んで演じることにある。普通の人間が突然降ってわいたハプニングや不幸な出来事、ときには幸せな体験によって変容していく過程を根気強く演じることを通して、人間の本質を捉えようとする姿勢は彼の最大の魅力である。深い演技の背景には、自然体で生きることを重視する人生観・人間性、演じる役柄に誠実に向き合おうとする想い、映画の物語展開に対する冷静な分析力、撮影現場における柔軟な瞬発力・表現力が感じられる。彼は俳優を天職と感じているが、お金も名誉もなく過ごした時代もあっただけに、「演技という仕事を遂行する平凡な俳優として生きたい」と考え、自尊心を守ってスター意識に支配されないようにしたいと思っている。チョン・ジェヨン自身が述べているように、彼が韓国映画界屈指の演技派俳優として認められるまでには長い道程があった。 チョン・ジェヨンはソウル特別市出身で、漢陽高等学校を卒業した後に、ソウル芸術専門大学(現・ソウル芸術大学)の演劇科に進学している。高校時代には記者かプロデューサーになりたいと思っていたが、演劇部の教員の提案で、韓国の全国青少年演劇祭で演劇『春の日』を演じたところ最優秀演技賞を受賞し、演劇に対して興味を抱くようになったという。また、大学時代にサークルの1年先輩であるチャン・ジンと出会ったことは、チョン・ジェヨンの人生に大きな影響を与えたと思われる。チャン・ジンは監督・脚本家として、チョン・ジェヨンは俳優として、ともに支え合って映画製作を行っている。チャン・ジンが監督した映画作品のうちチョン・ジェヨンが出演した作品には、『あきれた男たち』(1998年)、『SPYリー・チョルジン 北朝鮮から来た男』(1999年)、『極端な一日』(2000年)、『ガン&トークス』(2001年)、『小さな恋のステップ』(2004年)、『拍手する前に去れ』(2005年)、『偉大なる系譜』(2006年)、『クイズ王』(2010年)がある。また、チャン・ジンが脚本を書いた映画『トンマッコルへようこそ』(2005年)にも出演している。チョン・ジェヨンはこれらすべての作品で主役を務めているわけではなく、端役による出演もある。ふたりは長きにわたってよきパートナー関係を維持している。 映画デビューは1990年であり、演劇デビューは1995年である。映画出演第1作目の映画『びりから一等までうちの組を探します』で与えられたのは端役であり、その後10年近く売れない俳優として下積み生活を送っている。なお、デビュー以降2000年まではチョン・ジヒョンという本名を用いて芸能活動を行っている。 私生活では、チョン・ジェヨンが妻に初めて会ったのは1997年であり、可愛いので交際したいとすぐに思ったという。交際を始めてからは、いつも一緒にいたいので結婚したいと考えたが、その当時の彼は映画の端役しかもらえず、年収が200万~300万ウォンしかなかった。当然のことながら妻の両親は結婚に猛反対し、チョン・ジェヨンはしばらくの間会社員としての生活を送ったこともあるという。彼は当時を振り返って、俳優としてもう少し名前が売れてから結婚する方法もあったと思うが、俳優になる夢よりも妻との愛の方が大切であったと語っている。結局彼は1998年に結婚し、会社員であった妻や妻の実家が家計を支えた。さらにチョン・ジェヨンは、自分には人格的に無計画な側面があるが妻がその欠点を補ってくれているとし、恋愛や結婚では自分とは異なる人格的側面のある人に本能的に惹かれるのかもしれないと述べている。
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