日本大学/日本大学理工学部航空研究会開発の機体
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リネット(Linnet) シリーズ 日本大学木村研究室開発。1966年2月25日、リネット1が日本初飛行。リネット5まで製作されたがリネット5は完成に至らず、飛行記録が残るのはリネット4までである。リカンベント形式のコクピットを持ち、高く跳ね上がった後部胴体の後端に推進式プロペラが取り付けられた。最長飛行距離はリネット2の91m。 イーグレット(Eagret)シリーズ 日本大学木村研究室開発。1972年から1974年にかけ開発され、イーグレット3まで製作された。プロペラはコクピット直後に上方へ突き出したパイロンに取り付けられ、安定性確保のために後部胴体が延長された。最長飛行距離はイーグレット3の203m。 ストーク(Stork) 日本大学木村研究室開発。1974年から1976年にかけ開発された。コクピットがアップライト形式に変更、15kgの軽量化、後部胴体のさらなる延長など、それまでの機体から大きく変更された。ストークBはストークAに翼面の平滑化、フェアリングの最適化などの改造を加えた機体である。ストークBは1977年1月2日、加藤隆士が乗り込み、世界記録となる2093.9m、4分27秒を記録(但し、FAI規定未整備につき非公認)。 アイビス(Ibis) 日本大学木村研究室/内藤研究室開発。1977年にクレーマー8の字飛行賞獲得を目指し開発されたが、飛行前にゴッサマーコンドルがクレイマー8の字飛行賞を獲得した。ストークを小型、軽量化し、機動性の向上を図った。1980年に木村秀政が退職すると、内藤研究室に引き継がれた。内藤研究室では主翼桁を木材からCFRPとアルミニウムハニカムに置き換え、日本大学開発の人力飛行機で初めて複合材料が用いられた人力飛行機となった。最長飛行距離は1100m、滞空時間2分15秒。 ミラン(MiLan)シリーズ 日本大学内藤研究室開発。1981年から1982年にアメリカ人以外を対象としたクレーマー8の字飛行賞獲得を狙い開発された。ミラン81、ミラン82の2機が製作され、共にアップライト形式のコクピット、張線を用いたCFRPチューブラ構造、押出しポリスチレン製のリブが採用された。ミラン81は双胴双尾翼型でエルロンを装備していた。ミラン82はミラン81がエルロンの抵抗により墜落したことをうけ、エルロンが排され、同時に単胴へと変更された。また東京大学の東昭による新しいプロペラを採用した。1983年3月に鈴木正人の搭乗でアメリカ人以外を対象とするクレーマー8の字飛行賞に挑み、2度の旋回を成功させたが、1500m地点で着地し、クレーマー賞獲得を逃す。 スイフト(Swift)シリーズ 日本大学内藤研究室開発。1983年から1985年にかけてクレーマー世界速度記録賞獲得を目指し開発された。クレーマー世界速度記録賞賞の規定で認められたゴム式のエネルギー蓄積装置を搭載した。スイフトA,B,Cの3機が製作され、エネルギー蓄積装置のゴムは胴体内に格納された。スイフトA、Bは共にリカンベント形式のコクピットとコクピット直後のパイロンに取り付けられた推進式プロペラが採用された。スイフトCではコクピットをアップライト形式に、プロペラを牽引式に改められた。最長飛行距離はスイフトCの1406m。 メーヴェ(MÖWE)シリーズ 学生主体で運営される日本大学理工学部航空研究会による開発。日本大学で人力飛行機を卒業研究に取り入れた木村秀政による命名。1984年のMÖWE I、MÖWE II 以降、現在に至るまで製作されている。「鳥人間コンテスト選手権大会」への出場の他にも日本記録を3度更新している。メーヴェVI改(MÖWE-VI改/MÖWE-VI B) 1990年3月30日に埼玉県妻沼滑空場でストークBの記録を破る直線飛行距離3,708.232mを記録。日本初のFAIスポーツ規定に基づく記録樹立となる。悪天候により中止された鳥人間コンテスト選手権大会出場機MÖWE-VIにコクピット形式の変更、翼幅の延長などの改造を施した機体。 メーヴェ20(Möwe20) 2003年に開催された第27回鳥人間コンテスト選手権大会で、出発地点から南方限界点である琵琶湖大橋まで到達し、着水命令により着水、34654.10mを記録した。翌2004年にはFAIスポーツ規定に基づいた記録飛行を行い、日本記録を更新した。 メーヴェ21(Möwe21) 2004年に開催された第28回鳥人間コンテスト選手権大会出場機であったが、競技は悪天候のため中止された。翌2005年にFAIスポーツ規定に基づく直線飛行距離、滞空時間の日本記録を樹立。現日本記録保持機(直線飛行距離49.172km、滞空時間1時間48分12秒)。
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