日本の変革とは? わかりやすく解説

日本の変革

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 09:33 UTC 版)

南北朝時代 (日本)」の記事における「日本の変革」の解説

南北朝の内乱における上部構造下部構造変化は、日本という国の有り様根底から変革した農業面では、施肥量増大水稲品種多様化灌漑施設整備によって稲の収穫量高まりまた、鎌倉時代もたらされ二毛作普及するなど、生産力著しく向上した。こうして、食料生産十分になったことにより、カラムシ(糸が作れる)、真綿エゴマ(油が取れる)などの原料作物多く作れようになった商工面では、上記原料作物生産力向上により、簾(すだれ)、蓆(むしろ)、油、索麺そうめん)などが世間流通するようになった経済面では、上記商工面の向上に伴い貨幣経済一般に浸透した。ただし、1270年代に、中国元朝南宋征服して交鈔紙幣一種)を普及させたことから、余った宋製の銅銭が、大量に日本なだれこんだことも大きい。1995年には、大田由紀夫が「商工業発達したから貨幣出回った」のではなく、むしろ「(南宋滅亡により)貨幣出回ったから商工業発達したではないか」という説を唱え2014年現在はこちらの説が支持されるようになっている土地売買用いられる銭の利用率について、1200年20%未満だったのが、1250年には50%超え、(広義の)南北朝時代が始まる直前1320年には75%超となっていた。銅銭普及は、紙媒体である割符などの手形の普及にも繋がっていく。 文化面では、上記農業商工経済発達によって、民衆勢力増し大衆文化隆盛し、猿楽能楽)・連歌闘茶茶道原型)・ばさら(かぶき者歌舞伎原型)などが生まれた宗教面では、古い寺社結びつく南朝公家勢力対抗するために、室町幕府新しく日本輸入され仏教である禅宗優遇し京都五山定めた外交面では、上記宗教面で台頭した禅僧中国事情詳しかったことから、明との外交顧問務めた学術面では、上記宗教面・外交面の進展により、儒学の新解釈である宋学中国から輸入されるようになった北畠親房『神皇正統記』1343年)は、執筆目的としては南朝正統化ではあるものの、血筋神器だけではなく「徳」を持つ者が帝位相応しいという宋学思想色濃く反映されており、江戸時代儒家にも影響与えている。日本における数学一時衰えていたが、鎌倉時代末期から南北朝時代には禅寺で再び学ばれるようになった代表的数学者には臨済宗中巌円月がおり、主著『觿耑算法』は散逸したが、『治暦篇』に帯分数使用繁分数計算について言及が残る。川本慎自は、戦国時代臨済策彦周良吉田家の関係を指摘し江戸時代角倉了以吉田光由(『塵劫記』の著者)の数学知識は、禅寺での数学学習端を発する可能性もあるのではないかとしている。 文芸面では、上記宗教面・外交面・学術面の発展から、漢詩普及し絶海中津義堂周信双璧とする五山文学禅林隆盛した。また、商工面の発展ともあいまって禅僧春屋妙葩らにより五山版呼ばれる木版印刷技術最盛期迎えた前述した宋学影響文学見られ日本最大叙事詩『太平記』は、その頂点為すのである芸術面では、前記経済面充実文芸面の五山文学影響から、禅の思想実体に反映されるようになり、禅庭完成された。夢窓疎石天龍寺庭園1339年)と西芳寺庭園1339年)は世界遺産登録されている。さらに、連歌完成二条良基能楽完成世阿弥らによって、それまで仏教思想一部であった幽玄」が、日本芸術審美的理想として捉えられるようになった。 こうして、南北朝の内乱は、生産力から美意識まで、全ての角度において、新し日本形成していくことになった

※この「日本の変革」の解説は、「南北朝時代 (日本)」の解説の一部です。
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