日本の四等官制とは? わかりやすく解説

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日本の四等官制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/14 02:44 UTC 版)

四等官」の記事における「日本の四等官制」の解説

日本では7世紀後半 - 8世紀初頭時期に唐律令をもとにして律令制が始まると、四等官制一緒に導入された。大宝令官員令(養老令では職員令においては長官(かみ)・次官(すけ)・判官(じょう)・主典(さかん)の四等官定められ官制基礎となっている。なお、養老令職員令における各官司ごとの官職排列は、まず四等官掲げた後に品官記載していると考えられている。唐と同じく中央官庁においては様々な表記がとられている。 各四等官職掌は、唐とは大きく異なっていた。唐四等官制基本原理であった三判制は、日本には導入されていない大宝令養老令において、長官職掌が各政務案件の「惣判」とされた点は唐と同様であったが、唐の第二等官(通判官)の職掌が各政務案件の「通判」だったのに対し日本第二等官である次官職掌は「同長官」、すなわち長官に同じとされていたのである第三等官である判官職掌についても、唐永徽令では各政務案件の「分判」とされていたが、日本の令では「糺判となっていた。第四等官である主典は、唐と同様、決裁権限持たない雑務吏員として規定されていたが、長官決裁を得るときは主典口頭文案読み上げる(読申公文)こととされていた点に唐との違いがあった。 長官次官職掌が同じとされた背景には、位階制度関係している。実際政務観察すると、長官次官ともに五位上であるとき、軽微な案件通常の案件はほとんど次官決裁し長官関与見られず、重要な案件のときに長官決裁していた。さらにより重要な案件場合は、長官関与しないまま、次官から太政官政務案件上程されていた。次官六位以下であれば基本的に長官すべての案件決裁した。原則として最終決裁者が五位以上かどうか決裁当たって指標となっていたのである長官六位相当である司の場合軽微な案件であれば長官正に監督権限があったものの、一定上の重みを持つ案件になると五位上の者に監督権限代行してもらう場合もあった。 日本には唐と異なり内官・流外官区分はなく、最下級の主典官人として位階付与されていた。しかし、8世紀から9世紀初頭にかけての事例を見ると、位子六位八位の者の嫡子)と白丁無位の者)のほとんどが舎人史生主典どまりで、判官以上に昇進する者はごくまれだったのに対し蔭子孫三位上のの子孫、四位五位の者の子)は主典経ず判官以上へと昇っていた。このように五位上の家に生まれれば「判」権限を持つ判官以上、六位以下なら「判」権限持たない主典以下という、出自による格差厳然と存在していた。 それぞれの四等官はその表記かかわらず長官相当するものは「かみ」、次官は「すけ」、判官は「じょう」、主典は「さかん」と読んだ。「かみ」は最上位表し、「すけ」は補佐の意味、「じょう」は唐代一部官庁三等官の呼称だった「丞」の借音、「さかん」は補佐官意味する佐官」にそれぞれ由来するといわれる日本の四等官表 養老令官位令)による四等官表。 官司かみ長官すけ次官じょう判官さかん主典神祇官大副少副 大祐少祐 大史少史 太政官太政大臣左大臣右大臣 大納言中納言参議 少納言左大弁左中弁左少弁右大弁右中弁右少弁 大外記少外記左大史左少史右大史右少史 省卿 大輔少輔 大丞少丞 大録少録 職大夫大進少進 大属少属 寮頭 助 允大允少允 属大属少属 司正 - 佑 令史令史令史内膳司奉膳 - 典膳 令史 弾正台尹 弼 大忠少忠 大疏少疏 兵衛府衛門府佐 大少尉 大志少志 大宰府帥 大弐少弐 大監少監 大典少典 国司大国守 介 大掾少掾 大目少目 上国守 介 掾 目 中国守 - 掾 目 下国守 - - 目 郡司大郡上郡中郡大領 少領 主政 主帳 下郡大領 少領 - 主帳 小郡大領 - - 主帳 軍団大毅 少毅 - 主帳 後宮十二司内侍司蔵司膳司縫司尚 - 典 - 掌 - - 他8司尚 - 典 - - - 東宮春宮坊大夫大進少進 大属少属 監正 - 佑 令史 署首 - - 令史 家令一品家令 扶 大従少従 大書吏少書吏 二品家令 扶 従 大書吏少書吏 三品四品家令 扶 従 書吏 一位家令 扶 大従少従 大書吏少書吏 二位家令 - 従 大書吏少書吏 三位家令 - - 書吏 令外官近衛府大将 中将少将 将監 将曹 検非違使別当 佐 尉 志 勘解由使長官 次官 判官 主典 鎮守府将軍 - 軍監 軍曹

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