日本の各事業者での導入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:32 UTC 版)
「乗車カード」の記事における「日本の各事業者での導入」の解説
日本でも同1997年10月1日、静岡県磐田郡豊田町(現:磐田市)のコミュニティバス「ユーバス」(廃止、運行は遠鉄バスに委託)で、日本初のICカード乗車券である「ユーバスカード」が導入された。ユーバスカードはFeliCaとは通信方式が異なるフィリップス社提唱の非接触型ICカード「ISO14443 Type-A」を採用していた。これを皮切りに全国各地で交通系ICカードが広まってゆくことになる。またユーバスは遠州地方で初めてのコミュニティバスでもあった。 1998年7月28日、東急バス子会社の東急トランセ代官山循環線の運行開始と同時に、専用のバスICカード乗車券「トランセカード」が導入される。これはFeliCaを搭載した日本初の交通系ICカードであった。 1998年8月28日、スカイレール広島短距離交通瀬野線 みどり口 - みどり中央間が全線開業。同年9月、スカイレールサービスが新交通システムスカイレールにIC定期券「スカイレールICカード」導入(FeliCaを採用)。これは鉄軌道における日本初の非接触式ICカード乗車券であった。 1999年11月、道北バスでICカード乗車券「Doカード」導入(FeliCaを採用)。北海道では初の交通系ICカード導入で、磁気カードの「バスカード」も同時にサービス開始している。2014年11月のシステム更新を経て、2015年2月1日より旭川電気軌道の「Asaca CARD」と相互利用を開始した。 2000年2月28日、山梨交通で「バスICカード」導入開始(実証実験は1999年10月から)。FeliCaを採用。当初から全社的に導入したバスICカードとしては日本初となる。また2002年4月1日にはクレジットカード一体型の「バスOMCカードもサービス開始。OMCカードとの提携カードでマスターカードブランドである。山梨交通はこれを「世界初の交通系ICカード一体型クレジットカード」としている(山梨交通#日本初のバスICカード本格導入も参照)。 2001年3月、札幌都市圏において「S.M.A.P.カード」実証実験開始。FeliCaを採用。札幌市交通局(札幌市営地下鉄)のICカード乗車券でもあったが、それにとどまらず地域通貨的な性格を持つものであり、PiTaPaで実装されたポストペイ型電子マネーとしての実験なども行われた。実証実験は2004年3月に終了、2009年1月30日よりSAPICAが導入されたが、ポストペイシステムは採用されなかった。 同2001年4月2日、福島交通で「バスICカード」導入開始。郡山支社管内の郡山駅前発着の一般路線8路線で運用開始、同年10月1日には郡山市内の一般路線全路線へ運用拡大。東北地方では初の交通系ICカード導入であり、ユーバスカードと同じType-Aを採用していた。のちに親会社がみちのりホールディングスに変わったこともあり、FeliCaに規格を統一するため2010年10月30日より新バスICカード「NORUCA」を導入し、ICカードシステムを更新した(福島交通#バスカード(磁気式・IC)も参照)。 同2001年9月、北九州市交通局でひまわりバスカードを導入(FeliCaを採用)。九州での交通系ICカード先行導入となる。ICカードシステムは小田原機器製。 2001年11月18日、JR東日本が首都圏424駅で、サイバネ規格準拠の非接触型ICカード乗車券Suicaをサービス開始。 2002年1月21日、共通ICカード「長崎スマートカード」が利用開始。Felicaを採用。紙式のバス共通回数券を電子化する形で移行し、日本初の共通バスICカードとなった。2005年3月までにバス事業者の全車両に順次搭載。のちに路面電車や鉄道にも拡大され、長崎県内の10社局が参加した。導入にあたっては山梨交通の「バスICカード」が参考とされた。また2005年12月には「モバイル長崎スマートカード」もサービス開始、日本初のおサイフケータイ対応共通バスICカードとなった。 同2002年3月1日、遠州鉄道の電車および遠鉄バスで「EG1CARD(イージーワンカード)」の実証実験を開始。サイバネ規格準拠、FeliCaを採用。翌2003年4月1日より遠鉄バスで「EG1CARD」が本格運用開始(本格運用はバスのみ)。2004年8月20日より「ナイスパス」に移行、遠鉄の電車・バス全線で運用開始。鉄道・バス共通の本格的なIC乗車カードとしては日本初となった。またナイスパスでは2009年9月1日、Suica・PASMO・nimocaに続き、日本のIC乗車カードで4番目にオートチャージサービスを開始したが、バス車両でのオートチャージは日本初となっている。 同2002年7月7日、東京急行電鉄世田谷線専用のICカード乗車券「せたまる」サービス開始。FeliCaを採用。「せたまる回数券」「せたまる定期券」の2種類が存在し、ポイントサービスもあり地域通貨としての利用も試みられた。 2003年11月1日、JR西日本のICOCAがアーバンネットワーク圏内でサービス開始、以降順次エリアを拡大する。 2004年8月1日、スルッとKANSAIによるPiTaPaがサービス開始。当初は阪急電鉄・能勢電鉄・京阪電気鉄道の鉄道3社で導入された。ポストペイ方式を採用した点が特徴となっている(PiTaPa#ポストペイ方式の採用も参照)。 2005年8月23日、伊予鉄道が「ICい~カード」とおサイフケータイ対応の「モバイルICい~かーど」を導入。磁気式「い~カード」から移行したものだが、おサイフケータイ対応のIC乗車カードとしては日本初となる(モバイル長崎スマートカードは同年12月サービス開始)。伊予鉄道・伊予鉄バスに加え、伊予鉄タクシーでも共通利用できる、電子マネー機能も付加し、伊予鉄髙島屋などグループ企業でのショッピングにも利用可能とした。 2006年1月21日には関西圏でICOCA・PiTaPaの相互利用が開始された。同年2月1日には大阪市交通局・阪神電気鉄道・大阪モノレール・北大阪急行電鉄で追加導入、同時に阪急バス・神姫バスの一部路線にも導入され、バスでの利用が開始された。 同2006年1月28日、JR東日本でおサイフケータイ機能を使用したモバイルSuicaがサービス開始した。 2007年3月18日、パスネットとバス共通カードを統合する形でPASMOがサービス開始。同時に首都圏ICカード相互利用サービスとして、Suicaとの相互利用が開始されている。 2013年3月23日、交通系ICカード全国相互利用サービス開始。Suica・PASMO・ICOCA・PiTaPa・kitaca・TOICA・manaca・SUGOCA・nimoca・はやかけんとの相互利用が可能になる。以降も全国相互利用サービス参加事業者は増加しており、地方の私鉄・バス事業者を含めた多数のICカード乗車券の全国相互利用が進んでいる。
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