新快速運用からの撤退と転用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 12:08 UTC 版)
「国鉄117系電車」の記事における「新快速運用からの撤退と転用」の解説
JR西日本発足時、144両(6両編成24本)が宮原電車区に配属されていた。 1988年3月13日ダイヤ改正で運用範囲を彦根から米原まで延長し、翌1989年3月11日ダイヤ改正では朝ラッシュ時間帯に2編成連結した12両編成「新快速」での運転を開始した。しかし、同時に221系が登場し、徐々に新快速での運用を縮小することとなる。1990年3月10日のダイヤ改正から新快速の最高速度を115 km/hに引き上げた。また、新たに福知山線(JR宝塚線)での運用を開始することになり、48両(6両編成8本)が福知山色(クリーム10号に緑14号の帯)に塗装変更された。 1991年3月16日ダイヤ改正では早朝深夜を除いて新快速の最高速度が120 km/hとなった関係で、新快速運用は米原 - 大阪と大阪 - 野洲の2本のみに縮小したことから、6両編成10本(C11 - C20編成)を8両編成5本と4両編成5本に組み替え、4両編成は奈良線快速に、6・8両編成は米原 - 網干・播州赤穂間の快速列車に充当した。同年9月14日に北陸本線(米原 - 長浜間)の直流電化切り替えが完成したことから、運用範囲が長浜まで拡大している。 1992年3月14日ダイヤ改正では、岡山・広島地区の115系非冷房車置き換えと岡山地区の快速「サンライナー」(岡山地区への転用を参照)充当のため岡山電車区・広島運転所(現・下関総合車両所広島支所)へ転属した。サンライナー向けに投入する編成は4両編成であり、その他組み替えで発生した電動車11組22両の余剰車を115系へ改造し組み込み115系非冷房車を置き換えた(115系3500番台への改造を参照)。これにより、117系として初めて車両数が減少した。また、福知山線(JR宝塚線)の混雑対策として、一部座席のロングシート化改造が行われた(300番台への改造を参照)。 新快速用に残った117系も、乗客増加により2扉車は不向きとなり、120 km/h運転に対応できないことから同改正以降の新快速運用は原則的にダイヤと輸送力に余裕がある朝晩のみ、それも大阪 - 京都方面間限定とされた。1999年5月11日ダイヤ改正で、新快速の130km/h運転が開始(西明石 - 草津間)されることとなり、本系列の定期新快速運用が終了した。2001年には広島地区の115系初期車の置き換えを目的に、中間車6両が115系へ追加改造され、総数は116両に減少した。 2016年現在、原形をとどめるのは、吹田総合車両所京都支所(旧:京都総合運転所)の8両編成2本16両のうちの12両。残り4両にはトイレの増設とバリアフリー対応化改造が行われた。2004年10月10日に「リバイバル新快速」として、限定運用ではあったが再び新快速運用に充当された。また、2009年4月には湖西線の臨時列車で再び新快速運用に充当された。 しかし他線区へ転用された車両も、福知山線(JR宝塚線)では221系による丹波路快速が2000年3月11日に運転が開始されたことによって運用が削減。奈良線では2001年3月3日から221系によるみやこ路快速の運転開始に伴って運用が終了する一方、紀勢本線・和歌山線・山陽本線下関地区で運用が開始するなど、運用範囲の変化が発生している(下関地区では2016年1月、紀勢本線・和歌山線では2019年3月に運用終了)。 長らく、115系への改造車を除く116両全車が在籍していたが、2015年より廃車が開始され、2021年10月現在は74両が在籍している。 117系12両の新快速(1991年、姫路駅) 117系100番台+福知山色の新快速(1991年、姫路駅) 団体列車に使用される8両の117系(2016年、金光駅)
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