新性能第二世代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 04:21 UTC 版)
「通勤形車両 (鉄道)」の記事における「新性能第二世代」の解説
国鉄では車種統一という観点から103系を製造し続けていたが、アコモデーションの陳腐化や、省エネルギーへの対応も急務となり、1980年前後になるとそれらを解決した201系が製造されることになる。同系列は電機子チョッパ制御が採用され、車内も座席に着席区分が設けられ、内装を緑系からクリーム系の化粧板にするなど一新された。側面ドアは子供が挟まれるのを防ぐために小型化され、前面は窓、ライト周りを黒色ジンカート処理にし、窓配置も工夫するなど、外観のイメージアップも図られた車両だった。この車両は好評で、車体をアルミ製とした地下鉄千代田線乗り入れ向けの派生形式の203系も登場。常磐緩行線の103系を置き換え、同線の冷房化にも一役買った。 201系は省エネ電車として、中央線快速電車、中央・総武緩行線、さらには京阪神地区の東海道・山陽緩行線に導入されたが、電機子チョッパ制御は高価なうえ、当時の国鉄の財政難もあり、全面的な置き換えは中央線快速のみに留まった。 また、同時期には地下鉄乗り入れ車両として筑肥線に投入された103系1500番台や、旧形国電の代替とした福塩線・可部線・宇部線・小野田線などに投入された105系では駅間が東京・大阪の電車区間に比して長く、また輸送量も比較的少ないことからチョッパ制御を採用するには省エネの費用対効果が薄いとされ、抵抗制御を採用している。なお、後者は1M方式を基本としており、従来の車両とは異なる設計となっている。 1985年からは、103系の置換えとして低コストで経済的な界磁添加励磁制御を採用した205系を開発し、山手線への大量配置を始めた。同形式の外観は201系を基本としているが、ステンレス車体、ボルスタレス台車、側窓は第5編成以降は一段下降式となるなど新しい技術を導入している。また、205系をベースとしたVVVFインバータ制御試作車207系も製造され、こちらは常磐緩行線に投入された。一方、通勤形気動車は八高線に投入されたキハ38形が同時期に製造されている。国鉄の通勤形気動車として初めて新製時より冷房装置を搭載したが、こちらは普通鋼車体を新製しキハ35形の変速機や台車を流用していた。 国鉄では、イニシャルコストの高さから長年ステンレス車両を量産しなかったが、これらの車両が登場する頃になるとステンレスの価格も下がっており、軽量化、無塗装化による維持費低減を狙う方が、鋼製車よりも長期的には有利であると判断されたため、大量増備が可能となった。特に205系はJR化後も主に東日本旅客鉄道(JR東日本)で、側扉部の窓の拡大、前面への種別表示幕設置などのマイナーチェンジを行った車が増備され、京葉線・武蔵野線・相模線向けには前面デザインを変更した車両も登場している。 国鉄201系 国鉄105系 国鉄203系 国鉄103系1500番台 国鉄205系 国鉄207系
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