放送局への回答の要請
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「放送倫理・番組向上機構」の記事における「放送局への回答の要請」の解説
視聴者から「青少年の視聴には問題がある」と意見が寄せられた番組について、当該放送局と意見の交換を行い、審議を行うもの。なおホームページでは「放送局への回答要請」(2007年度まで)、「放送局への回答のお願い」(2008年度から2011年度まで)、「意見交換」(2012年度)、「審議事案」(2013年度以降)と時期によって表記が異なっている。 ※放送局への回答を要請し、何らかの措置がとられた事例を記述 2003年1月、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』において、主人公のキラ・ヤマトとフレイ・アルスターが肉体関係を持ったと暗示させる表現について「戦争が人々を破壊していく極限状況のもとでは、人は如何にもろい存在なのか」ということを表現するのに必要なキャラクターであると説明している。 2003年2月および3月、アダルトゲーム原作のアニメ番組『らいむいろ戦奇譚』について性行為を想起させるシーンが含まれているため、他の放送局では深夜時間帯に編成されていたものを夕方6時からの放送に編成したサンテレビに対し回答要請を行ったが、同局は「深夜枠に空きが無かったため、枠が空いていた時間帯に編成しました」と回答、その後同局は3月末の番組終了および改編を以て、当該番組を含め2枠あった夕方時間帯のアニメ番組枠を全て廃止する措置をとった。 2004年10月、フジテレビのバラエティ番組『はねるのトびら』の中で放送されていたコント「村田さなえ」のキャラクター設定(特定のジュース以外のものを飲むとアレルギーを発したり、興奮すると体がかゆくなり血が出るまでかきむしってしまう等)がアトピー患者や食物アレルギー患者を笑いのネタにしているとの視聴者からの苦情を受け、同局への回答を要請した。これを受けて同番組は公式ホームページ上に番組プロデューサー名で謝罪文を掲載、当該コントを一旦休止しキャラクター設定を変更した上でコントを再開した。 2009年6月、サンテレビの深夜番組『今夜もハッスル』について、全編を通して猥褻な内容の番組であり中高生も夜更かしをする週末の深夜0時台に放送するには不適切であるとの視聴者からの苦情を受け、同局への回答を要請した。これを受けて6月末、サンテレビは間髪入れずに同番組の打ち切りを決定、1983年からおよそ26年続いたお色気番組の制作から一度は撤退したものの翌2010年10月、放送時間帯を約1時間半繰り下げた上でかつて同局で放送されていた『おとなの子守唄』を装い新たに復活させる形で再開した。 2009年8月31日に放送されたテレビ朝日の特撮番組『仮面ライダーディケイド』の最終回において、主人公のディケイドと他の仮面ライダーが対峙するシーンの途中で放送を終了、その直後に劇場版仮面ライダーディケイドの告知をしたことについて、「(子供に)散々期待をさせておいて、それを裏切った」という旨の批判的な意見が多数寄せられていることを受け、2009年10月に同局に対し回答要請を行った。同局の早河洋社長は同月29日の定例記者会見の中で、「私どもの考え方としてはテレビシリーズの結末と映画の告知の境目がはっきり分かるようにすべきで、演出方法は不適切だった」と謝罪した。その後の再放送分の最終回では、該当部分を再編集し劇場版との連動部分を直接的な告知にならないように改変している。 2013年12月31日放送の日本テレビ『絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時』 - 「お尻の穴に白い粉を詰めてオナラとともに顔に吹きかけるシーン」「股間でロケット花火を受け止めるシーン」「赤ちゃんに扮した男性のオムツ換えのシーン」について局への質問状を送り、「プロの芸人たちによる体を張った芸の範囲内である」「事前下見後、番組制作担当者が事前に編成・考査等、社内の関係各所と相談の上、慎重に配慮した上で制作している」との回答があり、2014年4月4日、「表現上の配慮」「放送基準と放送の公共性」について配慮が必要との見解を示した。 2016年10月9日放送のTBSテレビ『オール芸人お笑い謝肉祭‘16秋』 - 「大声厳禁 サイレント風呂」と「心臓破りのぬるぬる坂クイズ」のコーナーについて、局への質問状を送り、局内での勉強会、社内横断的な組織である放送倫理小委員会での議論と検討や、今後、全社的な議論の場である放送倫理委員会や外部の有識者が委員をつとめる「放送と人権」特別委員会でも取り上げていく予定との回答があった。
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