戦後のT87とレドヴィンカとは? わかりやすく解説

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戦後のT87とレドヴィンカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 01:44 UTC 版)

タトラ (自動車)」の記事における「戦後のT87とレドヴィンカ」の解説

戦後T87生産続いた主なユーザー新たに成立したチェコスロバキア共産政府であった1947年チェコの若いジャーナリストであったミロスラフ・ジクムント(Miroslav Zikmund, 1919年-)とイルジー・ハンセルカ(Jiri Hanzelka, 1920年 - 2003年)は、タトラから提供されT87世界旅行出発した二人乗ったT87は、灼熱過酷な気候悪路に対しても、独立懸架空冷エンジンタフネスさを遺憾なく発揮し時には事故にも遭いながら、1950年までの間に、アフリカ中米奥地にまでその足跡残した二人はこの旅行によって多くルポルタージュ著し、それらはチェコスロバキアでのベストセラーとなった後期旅行の足は、タトラトラックのT805に変更された)。ジクムントとハンセルカの愛車となったT87は、2011年現在でも記念車としてプラハ博物館展示されている。 戦前有名な高級車メーカー航空エンジンメーカーでもあったイタリアイソッタ・フラスキーニ社は、戦後自動車生産再開計画し、そのメカニズムベースに――どのような理由からかは不明であるが――タトラT87採用した。これは結局不幸な結果終わった1947年から開発進められリアエンジン試作車ティーポ8C・モンテローザ」(Tipo 8C Monterosa)は、8Cのネームが示すようにタトラタイプの8気筒エンジン搭載しており、イタリアカロッツェリアの手でダミーグリルを持つフルワイズ・オープンタイプの美し流線型クーペおよびカブリオレボディが架装された。しかし、高速安定性悪さ空冷エンジン騒音はいかんともしがたく、1949年には生産化が放棄された。結局名門イソッタ・フラスキーニ復活しなかった。 1948年ボディ前面リニューアルされ、ボウエンギョの目のように筒状突き出ていた3灯のヘッドライトフェンダーおよびボンネット大きなアーチカバーガラスレベルまで埋め込まれバンパー刷新された。このモデル1950年まで生産されたが、従来型並行して生産された。 T87末期形として「タトラプラン」似の平凡な2個ヘッドライトやダミーグリル付のマイナーチェンジデザインのモデル開発されたが、少数製造されたのみである。 T87は、1950年までに3018台が製造された。14年間の製造台数としては決して多いとは言えず、また大型乗用車におけるリアエンジン方式空冷エンジンも、タトラ以外には普及しなかった手法であったが、軽量な空力ボディ有効性実地示したという点では、極めて先駆的な存在として評価に値するハンス・レドヴィンカ共産体制下でナチ協力者汚名着せられ1951年まで獄中にあった釈放後、政府からタトラ復帰打診されたが、政府態度豹変ぶり不信抱いた彼は「それならもっと早く私を釈放すべきだった」とオファー断り息子エーリヒと共にオーストリア移ったエーリヒはのち、シュタイア社で軍用車両技術開発当たっている。 晩年ハンス・レドヴィンカは、技術コンサルタントとしてエンジンメーカー等への助言行った空冷エンジン専門家目されていた彼であったが、「騒音振動面から言えば水冷エンジンの方が望ましい。空冷こだわり過ぎるべきでない」というコメント残している。 レドヴィンカは、ドイツミュンヘン移った最晩年まで自らの手がけた「T87」に乗り続けた愛用の「T87セダン1965年に、ミュンヘンドイツ博物館寄贈された)。1967年3月2日ミュンヘン市内路上横断中、交通事故遭い死去89であった

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