後藤新平と島安次郎とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 後藤新平と島安次郎の意味・解説 

後藤新平と島安次郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 04:43 UTC 版)

日本の改軌論争」の記事における「後藤新平と島安次郎」の解説

しかし、大隈の後を次いで内閣発足させた寺内正毅内閣の下で、内務大臣となった後藤新平は、内閣鉄道院総裁との兼任という形になったため、ここぞ絶好広軌化(前述のとおり、この広軌標準軌をさす)の機会考えたこのころ内閣鉄道院工作局長務めていた島安次郎は、独自に改軌計画練っていた。彼は関西鉄道出身であったが、同社社長白石直治影響もあり、標準軌推進する風潮強かったのである後藤は島に命じ、その改軌計画具体的に策定させた。この計画は、改軌工事開始から当面の間標準軌用の線路狭軌線路の横に取り付けて三線軌条とし、標準軌化完了後に狭軌線路を外すというもので、改軌中に列車運休を必要としなかった。また、構造物は急曲線トンネルなど必要最小限箇所改造とどめる車両ステップ増設台車の改造のみで基本的に維持するという、改軌要する期間および費用できるだけ節減出来るものともなっていた。本州全線改軌要する費用は約10年費用は約6000万円算段された。 また、広軌化した際の当時日本ですぐに製造できる1435mm軌間機関車として「軌道強度そのまま広軌化」という前提で島が設計した広軌機関車旅客用4-6-0勾配2-8-0貨物用2-8-0の3タイプ)の図面残っており最大軸重いずれも14.73t、火格子面積は2.51(旅客勾配)- 2.49(貨物平方m、シリンダ出力1200馬力程度となっている。これら3種類の機関車幹線狭軌のままで強度をあげた後に実際に開発されC5359やD52より出力牽引力共に小さく、また動輪直径旅客用は1980mmと巨大だが、後の2つは1600mm・1400mmでこの時点で既に存在するなど特筆するほどこれまでと変化があるわけではないが、これについて朝倉は後に島安次郎がこの時やりたかったのは線路強化なども一斉にやると予算時間がかかるので、「線路強化車両限界増大などは後回しにして改軌だけやり、高速走行時安定性だけでもよくした後に線路改良時間をかけて行う。」という予定で「広軌改築と言うと語弊があり、文字通りの「軌間変更」の案だったとしている。 1917年5月23日 - 8月5日に、八浜線(はっぴんせん、現在の横浜線原町田駅現在の町田駅)- 橋本駅で、途中淵野辺駅を境に三線軌条四線軌条両方方式による改軌実験が行われた。標準軌への改軌実験は、これが初めであった広軌用の動力車2120形蒸気機関車の1台(2323号)が広軌化され火格子面積左右に余裕ができたので同時に火室拡張行い、これに牽引される客貨車は同じ車体でも車輪車軸入れ替えですぐに広軌狭軌いずれでも運転できるようになっていた。6月16日には、後藤現場訪れて広軌改造され2120形蒸気機関車便乗している。また国鉄大井工場では、それとは別に大井工場内にプロイセンオーストリア国境使用され貨車車輪軸5 - 6分で交換するというブライトシュプレッヘル式車輪車軸取替装置置かれ広軌改築期間中広軌狭軌接続場所で貨物積み替えの不便を除くためこの種の装置を使う実験行われた。 これらの試験成績好調終わったため、内閣鉄道院はこれを基に「国有鉄道軌間変更案」を作成した試験結果踏まえ具体的な改軌計画について定めたとなっていた。 計画総予算6447万円で、本州の約6600kmに及ぶ軌道1919年4月末の播但線から順番改軌していき、同年中に山陰本線系各線、1920年関西本線北陸本線山陽本線1921年東海道本線1922年東北本線中央本線信越本線奥羽本線、そして1923年房総線総武本線持って本州における改軌完了することになっていた(当然、本線付随する参宮線なども改軌予定された)。改造する予定車両は、機関車が2035両、客車が4851両、貨車が29592両であった

※この「後藤新平と島安次郎」の解説は、「日本の改軌論争」の解説の一部です。
「後藤新平と島安次郎」を含む「日本の改軌論争」の記事については、「日本の改軌論争」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「後藤新平と島安次郎」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「後藤新平と島安次郎」の関連用語

後藤新平と島安次郎のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



後藤新平と島安次郎のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの日本の改軌論争 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS