平成の御車山
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 15:04 UTC 版)
会館のもう一つの目玉である「平成の御車山」は、御車山会館の建設に合わせ、展示用に約400年の時を経て新たに5年掛け制作され、2018年(平成30年)4月30日よりお披露目された実物大のレプリカである。 山車の制作にあたっては7基の実物の山車の特徴を融合し、アレンジを加えつつ、車輪は4輪とし鉾留や本座人形、幔幕などのデザインについても話が進められた。製作総費用は2億2千万~5千万と試算され、高岡市は製作費の内1億円を目標に、企業や個人より寄付を募集することとなった。2012年(平成24年)2月までに全体デザイン案を複数作成し同年夏には決定の予定をし、2012年(平成24年)3月には山車の基本デザイン3案が示され、3月15日から4月15日まで高岡市役所、高岡駅など市内28ヶ所で、また郵送やFAX、メールで意見を募集し、結果を踏まえ協議の上デザインを決定し同年5月1日の祭礼当日正式発表された。 決定した基本デザインは、鉾留は鳳凰、本座人形は前田利長と正室の永姫、相座人形が実の娘である満姫、幔幕は前後左右の4面で高岡古城公園の四季を表現することとなった。なおこの山車のテーマは「平和な時代 豊かなまち高岡を象徴する 前田利長公の家族」とし、サブテーマは「家族の絆」で、今後細部の装飾やデザインの詳細を詰めて行くこととなった。 山車は2018年(平成30年)3月末に完成し、翌月4月30日にお披露目され、通年展示されている。製作費は約2億8千万円、その内約8千5百万円は企業や一般市民からの寄付で賄われた。なお完成までは、これまで年度ごとに予算を組みそれぞれの部材を制作しており、順次仕上がった鉾留(鳳凰)、車輪、車軸、轅、本座人形(前田利長と永姫)、相座人形(満姫)、高欄、幔幕などの部材を、会館で随時展示してきた。同年10月14日には、完成後初めての試し曳きを、会館付近の市道で行った。 平成の御車山 - 高さ 約7.8m、長さ 約5.9m、幅 約3m、重さ 約2.6t 鉾留: 鳳凰 – 高さ: 2.15m、重さ: 150Kg黄金に輝く鳳凰はキリとヒノキで作られ、漆塗を施し2,100枚の金箔を張り彩られている。足元には、中国では鳳凰が住む樹とされる、梧桐の葉と花の彫刻があしらわれている。南砺市の井波彫刻の彫師8人が1年を費やし制作した。 本座人形: 前田利長と永姫前田利長は高さ135cm、永姫は高さ120cm(いずれも座位)。 衣装は西陣織で制作し、利長が衣冠束帯姿、永姫は小袖の上に打掛を羽織っている。 相座人形: 満姫(利長の実の娘)扇子を持って踊る高さ100cmのからくり人形で、9代目玉屋庄兵衛の指導の下、南砺市の井波彫刻の彫師が制作した。またほぼ同じ型の試作品が、井波彫刻総合会館にて展示される。衣装は小袖姿である。 高欄・後屛: 鳳凰や龍、四季の植物の彫刻が施された井波彫刻の作 幔幕: 高岡古城公園の四季 標旗(名): 平成乃御車山棹の長さは約3.6mで、高岡漆器による青貝塗りである。 車輪: 4輪で、直径は約1.6m大八車(外車)様式の漆塗りの輻車に、植物や蝶の彫金があしらわれている。
※この「平成の御車山」の解説は、「高岡御車山会館」の解説の一部です。
「平成の御車山」を含む「高岡御車山会館」の記事については、「高岡御車山会館」の概要を参照ください。
- 平成の御車山のページへのリンク