平成の幕開けから市営モンロー主義の終焉、大阪市営地下鉄の民営化まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 07:14 UTC 版)
「市営モンロー主義」の記事における「平成の幕開けから市営モンロー主義の終焉、大阪市営地下鉄の民営化まで」の解説
さらに自由化や規制緩和が叫ばれるようになった1990年代以降はJR東西線(1997年開業)や京阪中之島線(2008年開業)、阪神なんば線(2009年開業)といった「都心直通路線」や「都心貫通路線」が建設されるようになってきている。営業施策面においても、民営化後のJR西日本による攻勢に対抗する必要性が生じたため、スルッとKANSAIやPiTaPaなどに大阪市交通局も積極的に参加するなど、私鉄各社との協調路線に転じた。この時期になると私鉄や民営バスの排除などといった強硬な姿勢はもはやなくなり、阪神なんば線の建設及び保有を行う企業である西大阪高速鉄道に大阪市も出資するなど、市営モンロー主義はもはや形骸化していた。 2011年12月に橋下徹が大阪市長に就任すると、大阪都構想の一環で市バスと市営地下鉄の民営化計画が打ち出され、また橋下自身も「民間に移譲可能な部分は民間で行わせてもよいのではないか」と(同業他社を含む)民間への開放の意向を示し、また大阪市営交通そのものを民営化する意向を示したことから、ここに市営交通一元化政策=市営モンロー主義は事実上消滅した。 大阪市は2017年の市議会に地下鉄事業の廃止議案を提出して3月28日に可決され、2018年4月より地下鉄は全額を市が出資する新会社に移管された。これにより平成の末期で市営モンロー主義は完全に消滅した。市営地下鉄は「大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)」が受け皿となった。なお、この時既に橋下は大阪市長を退任していた(民営化時点では吉村洋文が就任していた)。
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