岡野政治学の特色とは? わかりやすく解説

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岡野政治学の特色

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 09:38 UTC 版)

岡野加穂留」の記事における「岡野政治学の特色」の解説

岡野比較若くして教授になったこともあり、その学問的環境恵まれていた。彼の政治学一言で言うならば臨床政治学ということになろう。現場政治直に客観的に観察し現代デモクラシーという基準によってその状態を評価するというものである。ただ、彼の臨床政治学は、人物の罪を問うたり政党の悪を暴くといった革新政治学者が行なう非科学的政治論展開するものではない。岡野は、政治臨床として考察し、その状態の病理根拠政治制度歪み求めひいてはその制度成熟度を日本国民知的水準してみなす点で、政治家の質よりも国民の質を問題とする政治学考究した。 彼によれば、政治家議会制デモクラシーにおける正当な過程経て選ばれた者であり、その政治家権力由来国民在るとする。この主権在民思想は、岡野政治学を語る上で欠かせない岡野大学院生時代憲法学宮沢俊義学んだ思想であり今に至るまで変節していない国民主権在民前提とする以上、国民の質(民度)が低ければ政治家の質も低いとされるサミュエル・ハンチントンの「成長暗喩」を例にとり、脱工業化社会において国民求められるべき認知指向は、成長の意味内容問いなおし、公共財創出発展政治最重要課題とするものでなければならないとする。その論拠は、自明とされている世界における資源の枯渇環境問題、それらによる経済成長問題が、政治自由と平等侵食しているというものである岡野はこの政治学課題を「政治生態学」と称している。 岡野政治学は、机上空理空論政治学をもっとも嫌い、国外とりわけ北欧において政治制度研究行ない、そのモデル日本の政治制度比較することによって、双方長所と欠点専ら研究の対象とした。政治制度は、ありのまま制度研究するというのではなく政治過程における制度形成過程現場立ち会い直接実証記述行なうという実証政治学立場貫いている。このような経歴を持つ岡野に対して自由民主党日本社会党民社党政治家立候補への要請何度となく行なったが、岡野はこれを受け容れなかった。岡野政治学は、特定のイデオロギーによらない政治学構築しリアリズム政治学目指している。 田中角栄汚職事件リクルート事件も、政党内部問題として批判することなく汚職取り巻いている日本の政治風土日本国民断罪することのほうに力点がおかれているまた、汚職逮捕され田中角栄全否定するのではなく、その政治的業績功罪両方バランスよく総括的に評価するという政治学者として義務をも果たしている。 普遍的政治理念とされる「自由・平等・平和・人非暴力」を、どの政党基本的に認知している点で、特定の政党肩入れしない中立的な政治姿勢保っている。ただし日本共産党に対してはこの点については懐疑的である。その理由は、日本共産党員とおぼしき明治大学学生が、岡野学長就任以前岡野に対して度重なる暴力振るうなどの事実あったからである。 岡野は、1992年学長就任に際して宮崎繁樹総長とともに明治大学暴力的象徴ともいえるの柵の校門学生運動看板を完全撤去し、古い明治大学体質一新すべく、現在のリバティタワー建設決定行なった大学政治も平和でなければならないということ行動実行した岡野やり方は、他大学左翼系統大学へと波及効果及ぼした。このことは、岡野大学政治・行政功績である。しかし岡野逝去後の現在でも、岡野学内政治に対して面白くない教員少なからず存在する

※この「岡野政治学の特色」の解説は、「岡野加穂留」の解説の一部です。
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