寿町診療所での日々とは? わかりやすく解説

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寿町診療所での日々

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/03 09:23 UTC 版)

佐伯輝子」の記事における「寿町診療所での日々」の解説

赴任以来佐伯日雇い労働者たちをはじめ、毎日100人以上の患者たち診療する日々送った当初は週3回午後のみの診療だったが、患者増加に伴い週5回の午前と午後診療となった寿町での診療は、人間ドラマ連続ともいうべき日々であった初出当日から、出勤用いた自家用車住民から小便かけられ、車を棒で叩かれその後も車に小便カップラーメンぶちまけられた。診察中に小便かけられたこともあった。診察室アルコール依存症男性患者剃刀の刃襲われガードマン男性職員たち助けられたこともあった。その3年後には、駐車場で首を絞め上げられ、やはりガードマン男性職員たち助けられたこともあった。一時は死を覚悟したこともあるが、こうした経験逆に、怖いものがなくなったという。 患者は、アルコール依存症患者薬物中毒患者もおり、入れ墨入れた患者数えきれなかった。刑務所帰り失踪者家出中、住民票とれないといった、「わけあり」と呼ばれる者も多かった路上強盗被害者もいれば、刑務所男性器碁石埋め込まれ患者同性愛者から肛門ラムネ瓶突っこまれた患者もいた。横浜浮浪者襲撃殺人事件では、被害者8人のうち4人が佐伯患者であったその2年後の1985年横浜市南区で、路上強盗を取押え大学生死傷事件起きたが、その犯人グループ3人のうち2人佐伯患者である。 こうした住民たちから佐伯を守るよう、受付事務として勤め職員空手5段やウェイトリフティング鍛え上げた屈強な男性であり、待合室にもガードマンがいた。診察室横浜市医師会立ち合いのもとで設計され襲われ場合退避経路考慮され随所非常ベル隠された。もっともブザーは後に、患者心を込めて向き合う際に、ブザーの方へ向き直ってはいけないとの考えで、佐伯より取り外された。 また、酒に酔ったまま訪れ患者暴れ患者たちに、自分自身の姿を見せようと、待合室全身が映る大きな鏡を取り付ける等の策を講じ十分な効果得た。人は自分の姿を見ると正常に戻るのか、診療所ドア何度も壊されたにもかかわらず、この鏡が割られたことは一度もなかった。加えて診療所ビル3階にあったが、患者には喧嘩などによる負傷者多く一方で高齢者身体障害者増加しており、診療所訪れること自体負担になっていた。これに対処するため、1988年平成10年)に診療所1階移設して待合室などを拡張するなど、利用者立場立った改善行い、大変好評得た診察においては時に優しく時に厳しく患者接したあたかも母親息子友だち接するようでもあった。患者1人1人対し、まるで生活史作るかのように家庭生活環境について詳細な事情訪ねることを大事にしていた。もっとも、このやり方診察時間要し大勢受診者を効率良く捌くことが難しいため、それに業を煮やした患者が、前述のように剃刀襲いかかるといった事態要因にもなっていた。また土地柄どんなに不潔な患者相手でも、素手診療することを良しとした。 寿町住民貧困から日雇い保険すら入っていないことが多いため、横浜市掛け合い寿町特有の制度として、診療費を貸し付けとして後で返金する特別診療制度設けた。これにより診療費の所持がなくても診察だけは可能なため、住民たちから大い感謝受けた結核患者増加問題となった際には、国立病院機構南横浜病院連携し寿町診療所拠点としたDOTS事業結核患者看護婦直接監視下による短期化学療法)の実施にも尽力した家庭主婦でもあることから、朝7時過ぎに自宅発ち、8時過ぎから13時まで南部市場での診療所勤め、それから自動車寿町診療所向かい昼食赤信号で車を停めるたびに弁当を数口ずつ食べるだけ、といった生活を送った家事分担して受け持つ夫、炊事手伝長女協力もあった。 後述するように寿町での医療対す批判もあったが、それでも、日本経済繁栄狭間生きる人々救済のため、寿町での診療続けた

※この「寿町診療所での日々」の解説は、「佐伯輝子」の解説の一部です。
「寿町診療所での日々」を含む「佐伯輝子」の記事については、「佐伯輝子」の概要を参照ください。

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