実包の比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/21 14:07 UTC 版)
「7mm-08レミントン」の記事における「実包の比較」の解説
7mm に可能なことはそれに匹敵する断面密度と弾道係数を持つ.30口径にも可能である。しかし、.30口径の弾で 7mm 弾頭のものと同じように平坦な軌道を実現するためには約20%ほどリコイルが大きくなってしまうという落としわながある。7mm の弾頭は.30口径と比較したとき、与えられたリコイルに対しては、エネルギーの伝播と軌道という点で明らかに優れた射程性能を実現している。 7mm が同等の性能を持つ.30口径実包と比べてリコイルが小さいのには主に2つの理由がある。ひとつめは 7mm のある弾道係数と同じ係数を持つ.30口径の弾頭はかなり重いこと、ふたつめはより重い.30口径の弾頭を同等の速度(運動エネルギー、風の抵抗("標的までの時間"))で飛行させるためには火薬の量が多くなることである。重い弾頭と多くの火薬の組み合わせによって.30口径のリコイルは著しく大きくなるのである。すなわち、同重量の弾頭を比較したとき 7mm-08 はよりよい弾道特性を持っていると言える。言い換えれば、7mm-08 から発射された168グレーンの弾頭は .308 Win から発射された168グレーン弾頭よりもドロップが小さく風による偏差も小さくなる"。 ライマンのリローディング・マニュアルの開発に携わった Edward A. Matunas は「7mm-08レミントンは優れた弾薬で.308ウィンチェスターと効果的に張り合える。」と述べている。Jeff Cooper は7mm-08 に感銘を受け、スカウト・ライフルで無条件サポートすることとした。「真のスカウトは .308 か 7mm-08 である。」とも述べている。139-140グレーンの 7mm-08 は、150グレーンの .308 Win よりも通常は小さいリコイルで .308 Win に匹敵する良いエネルギーをもたらす[要出典]。 7mm-08 は高い評価と実績をもつ7×57mmモーゼルとの弾道特性の比較を招くことがある。同じ銃身長の現代のライフルにおいて最善の手詰めをした場合に、どちらの実包の速度が大きいかはKen Waters、Frank B. Petrini、John Wootters、Clay Harvey、Bob Milek、John Barsnessといったアメリカのライフル・ハンドローディング・ライターによって異なる。これはこれらの非常に似た実包の明確な差というよりも個々のライフルの差を反映したものと思われる。1879年以来 7mm-08 を使っているハンドローディング・ガン・ライターの Layne Simpson は 7mm-08 と 7×57mm の弾道特性は同じであると考えている。John Barsness はさらに最近、手詰めされた 7mm-08 と 7×57mm の性能は「同一」であると述べた。興味深いことに、ノルマは短い薬きょうの 7mm-08 は 7×57mm と比較して 100–150ft/s (30–46m/s) 遅いとしているのに対して、156 gr Oryx のリローディング情報では 7mm-08 は 7×57mm に比べて 16 fps という無視できる程度の差しかない。 2002年1月、Guns Magazine の Dave Anderson は彼の気に入っている4つの 7mm 実包(7×57mmモーゼル、.280レミントン、.284ウィンチェスター、7mm-08)を比較して、「性能、リコイル、ライフルの大きさと重さ、ライフルの入手可能性、装弾の入手可能性と選択、すべてを考慮すると、むしろ驚くべきことに勝者は7mm-08レミントンだ。10年前、それどころか5年前でもそんなことは言わなかったが。しかし、この性能の良い効果的な小さい実包は良いもので、長い間手元に持つことになるだろう。」という結論を述べた。 .270 Win との比較は複雑である。例えば、Clay Harvey は 7mm-08 が「弾道特性的に明らかに劣っている。」と述べている。レミントン・アームズには140グレーンの 7mm-08 が生み出す速度 2,860 ft/s (870 m/s) よりも良い 2,960 ft/s (900 m/s) となる140グレーンのものが存在する。Edward A. Matunas によると、複雑になる要因として .270 Win は「工場装弾がよく普及していない。速度がしばしば大幅に変化し広告の速度をはるかに下回る。」ということを挙げている。例として、レミントンの弾道特性の表によると Soft Point Core-Lokt (Pointed Soft Point Core-Lokt ではない) の150グレーン .270 Win では 2,850 ft/s (870 m/s) の銃口初速があり、200ヤード地点では 1,587 ft/s 残存している。さらに性能の良い銃口初速 2,700 ft/s (820 m/s) の 150 gr ノスラー Partition の 7mm-08 は200ヤードで 1,790 ft/s、300ヤードで 1,525 ft/s である。慎重に高い弾道係数の弾頭を使って手詰めすることで .270 Win の大きな薬きょうの利点を生かせるだろう。しかし、John Barsness は彼の妻が"最近、彼女のお気に入りであったこの分野では似たような結果を持つ .270 WCF よりも 7mm-08 の反動がかなり小さいことに気づいた"という。 .30-06 を 165-180 gr の弾頭でつくった場合、特に手詰めや高弾道係数の工場装弾の場合は著しく強力となる。しかし、レミントンは .30-06 150 gr PSP Core-Lokt の300ヤード地点での残存速度を 1,445 ft/s として掲載しているが、同じ距離での 140 gr 7mm-08 PSP Core-Lokt の残存速度を 1490 ft/s として掲載している。1981年、Ken Waters はレミントンの(当時の)PSP のロードをみて 140 gr 7mm-08 PSP について「これによると、150 gr の .308 よりもあらゆる点で優れていると結論を出すべきで、レミントンの .30-06 150 gr PSP とおおよそ同等の弾道特性となる。かなりの宣伝ではないか。」と述べた。 Bob Bell はシカ、レイヨウ、カリブーのハンティングの際に「7mm-08 は驚くほど多くの人気の装弾に匹敵するかあるいは上回っており、sそれはそれらの利点がマズル・ブラスト、リコイル、ライフルの重さに値するものか考えさせられるほどだ。」と述べている。 ヨーロッパにおいてもこの口径については、経済的な140グレーン(2860 ft/s)の SPBT 弾頭のロード(米国でも利用可能)を販売しているen:Prvi Partizan(セルビア)のような複数の真摯な支持者を見つけられる。イギリスの弾薬ファンは特に WW2 直後の.280ブリティッシュの開発を指摘したがるが、これは皮肉にもアメリカに最終的に拒否されたものである。 .308ウィンチェスター/7.62×51mm NATO や.30-06スプリングフィールドといったような軍用実包を使用する武器の民間人による所有を禁止している国でも 7mm-08 は人気がある。
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