大東亜戦争肯定論とは? わかりやすく解説

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だいとうあせんそうこうていろん〔ダイトウアセンサウコウテイロン〕【大東亜戦争肯定論】

読み方:だいとうあせんそうこうていろん

林房雄による評論雑誌中央公論」に昭和38年1963)から昭和40年(1965)にかけて連載単行本昭和39年(1964)、昭和40年(1965)に正続2冊を刊行


大東亜戦争肯定論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/06 04:18 UTC 版)

大東亜戦争肯定論(だいとうあせんそうこうていろん)は、林房雄の著作の題名[注釈 1]。林は、大東亜戦争の開始を1845年 (弘化2年) とし、西欧勢力の東漸に対する反撃として"大東亜百年戦争"を本質は解放戦争であると主張した[2]。林は戦後、GHQによる公職追放を受け、中間小説などを発表していたが、1963年(昭和38年)、『中央公論』9月号に「大東亜戦争肯定論」を発表して論壇再登場となった[3]


注釈

  1. ^ 斎藤一晴によれば、日本の近現代史における戦争や植民地支配について、日本だけが悪いことをしたのではない、植民地支配にはよい面もあった、日本の戦争のおかげでアジアは独立できた、アジア・太平洋戦争はやむを得ず戦った自衛戦争であるなどの自国中心的な戦争認識、アジアに対する優越意識を伴った歴史認識までを指すことも少なくなく、右派言説のなかでステレオタイプ化され歴史修正主義を支える歴史観の一つになっている、という[1]
  2. ^ 林房雄『大東亜戦争肯定論』番町書房、昭和三十九年八月五日 発行。林房雄『続・大東亜戦争肯定論』番町書房、昭和四〇年六月一日 初版発行。
  3. ^ 林房雄『林房雄評論集第6巻 新訂・大東亜戦争肯定論』浪漫、昭和49年6月10日 初版発行、0095-740020-9226、解説 名和一男。
  4. ^ 林房雄『大東亜戦争肯定論 上〈やまと文庫4〉』心交会、昭和五十九年八月十五日発行、ISBN 4-89522-104-0。林房雄『大東亜戦争肯定論 下〈やまと文庫5〉』心交会、昭和五十九年八月十五日発行、ISBN 4-89522-105-9
  5. ^ 林房雄『大東亜戦争肯定論』夏目書房、2001年8月15日 初版第1刷発行、ISBN 4-931391-92-3

出典

  1. ^ 斎藤一晴「大東亜戦争肯定論」吉田裕森武麿伊香俊哉・高岡裕之編『アジア・太平洋戦争辞典』吉川弘文館、二〇一五年 (平成二十七) 十一月十日 第一版第一刷発行、ISBN 978-4-642-01473-1、373頁。
  2. ^ a b 著者代表=松本健一『論争の同時代史』新泉社、1986年10月15日・第1刷発行、367~377頁。
  3. ^ a b c 文藝春秋編『戦後50年 日本人の発言 [下]』文藝春秋、一九九五年八月十五日 第一刷、ISBN 4-16-505370-8、63頁。
  4. ^ 尹健次「ナショナリズムと植民地支配」後藤道夫山科三郎編『講座 戦争と現代4 ナショナリズムと戦争』大月書店、2004年6月18日第1刷発行、ISBN 4-272-20084-4、185頁。
  5. ^ 安永武人「戦時下の文学〈その四〉」『同志社国文学』第4巻、同志社大学国文学会、1969年3月、94頁、CRID 1390009224910196608doi:10.14988/pa.2017.0000004833ISSN 0389-8717 
  6. ^ 林房雄『緑の日本列島-激流する明治百年-』文藝春秋、昭和四十一年八月五日 第一刷、330頁。
  7. ^ 「武装せる天皇制-未解決の宿題」林房雄『大東亜戦争肯定論』番町書房、昭和三十九年八月五月 発行、156頁。
  8. ^ 三島由紀夫『決定版 三島由紀夫全集 第33巻 評論8』新潮社、二〇〇三年八月一〇日 発行、ISBN 978-4-10-642573-8、210頁。初出は『日本読書新聞』昭和39年11月9日。
  9. ^ 上山春平「大東亜戦争の思想史的意義」『中央公論』第76巻第9号 通巻886号 昭和36年9月号、98~107頁。
  10. ^ 上山春平「再び大東亜戦争の意義について」『中央公論』第79巻第3号 通巻917号 昭和39年3月特大号、48~60頁。
  11. ^ 羽仁五郎「"大東亜戦争肯定論"を批判する-すべての戦死者にささぐ」『中央公論』第80巻第7号 通巻933号 昭和40年7月特大号、164~187頁。
  12. ^ 井上清「「大亜戦争肯定論」の論理と事実」『中央公論』第80巻第9号 通巻935号 昭和40年9月号、142~152頁。
  13. ^ 星野芳郎「体験的大東亜戦争敗因論」『中央公論』第80巻第9号 通巻935号 昭和40年9月号、153~163頁。
  14. ^ 吉田満「戦争参加者の立場から」『中央公論』第80巻第9号 通巻935号 昭和40年9月号、164~171頁。
  15. ^ 小田実「戦後世代の視角」『中央公論』第80巻第9号 通巻935号 昭和40年9月号、172~179頁。
  16. ^ 吉田裕『日本人の戦争観』岩波書店、1995年7月25日 第1刷発行、ISBN 4-00-001719-5、128頁。
  17. ^ 丸川哲史「林 房雄『「大東亜戦争」肯定論』-実感に即した史観-」『東アジア論〈ブックガイドシリーズ 基本の30冊〉』人文書院、2010年10月20日 初版第1刷発行、ISBN 978-4-409-00101-1、178~179頁。
  18. ^ 浜崎洋介「宿命としての大東亜戦争」『反戦後論』文藝春秋、二〇一七年五月十五日 第一刷発行、ISBN 978-4-16-390648-5、68頁 (初出は『文藝春秋 SPECIAL』2015年春号)。


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大東亜戦争肯定論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 16:11 UTC 版)

林房雄」の記事における「大東亜戦争肯定論」の解説

詳細は「大東亜戦争肯定論」を参照 『大東亜戦争肯定論』は、『中央公論1963年昭和38年9月号から1965年昭和40年6月号にかけ連載され単行判は番町書房正・続)2冊(のち新版1巻)で刊。様々な再刊経て2001年平成13年)に夏目書房再刊普及版も刊)、夏目書房倒産2007年平成19年))により再度入手困難となった2014年平成26年)に中公文庫初め文庫再刊された。 はあえて、敗戦占領下GHQにより使用禁じられ占領終了後タブー視された「大東亜戦争」という名称を用いた。 「肯定論」の中心をなす主張は、幕末弘化年間1845年-1848年以来日本近代史を、アジア植民地化していた欧米諸国対す反撃歴史である「東亜百年戦争」と把握している点にある。そして、1945年昭和20年8月15日終わった大東亜戦争はその全過程帰結だった、としている。さらに、その過程朝鮮併合満州事変日中戦争など)における原動力経済的要因ではなくナショナリズムであったとし、それの集中点は「武装せる天皇制」だった、とも提起している。

※この「大東亜戦争肯定論」の解説は、「林房雄」の解説の一部です。
「大東亜戦争肯定論」を含む「林房雄」の記事については、「林房雄」の概要を参照ください。

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