古代ギリシャ・古代ローマ
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処女はしばしば純粋さと身体的な自制心を意味する美徳と考えられ、これはギリシャ神話の重要な特徴である。 ホメロスの賛美歌をはじめとする古代ギリシアの文献には、パルテノンの女神アルテミス、アテナ、ヘスティアが永遠の処女を誓うという内容のものがある(ギリシャ語:παρθενα)。しかし、これらの神が唱える処女状態(ギリシャ語:παρθένος)は、現代西洋の宗教で処女として一般に理解されているものとはやや異なる意味を持つとされている。むしろ、パルテニアは、結婚前の性交によって悪影響を受けるが完全には放棄されない厳密な身体的要件なしに、結婚性と抽象的な概念に重点を置いた。これらの理由により、ホメロスの賛美歌の中で永遠にパルテニアに献身していない他の女神は、儀式を通して自分のものを更新するか(ヘーラーなど)、その所有を暗示する外観を選択することができる(アフロディーテなど)。 ローマ時代、ウェスタの処女は非常に尊敬され、厳格に禁欲的な(必ずしも処女ではないが)聖職者であり、ウェスタの聖火の管理者であった。ウェスタの乙女は思春期(6歳から10歳のとき)前に聖職に就き、30年間の独身を誓った。ウェスタの乙女の貞節はそれがローマ国家の健康に直接関係すると考えられており、ウェスタの聖火が消え去るということは、町に対する女神の加護が取り去られることを示唆しているため、それは重大な罪であり鞭で罰せられた。ウェスタの乙女の貞節性は神聖な火の燃焼と直接関係していると考えられていたので、火が消されたなら、ウェスタの乙女は不貞であったと考えられていた。ウェスタの処女が在職中に性的関係を持っていたことが判明した場合、ウェスタの処女は生きたまま埋葬された。
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古代ギリシャ・古代ローマ
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「オリーブの枝」の記事における「古代ギリシャ・古代ローマ」の解説
「オリーブの冠(英語版)」も参照 ギリシャ神話では、アテーナーとポセイドーンがアテネの所有権を争った。ポセイドーンはアクロポリスにある海水の湧き出る井戸に三叉槍を突き立て、その所有権を主張した。アテーナーは、その井戸のそばに最初のオリーブの木を植えて所有権を主張した。神々の法廷は、アテーナーの方がより良い贈り物をしたので、この土地の権利はアテナの方が優先されると裁定した。 古代ギリシャの伝統では、権力者に近づくときや神殿で神々に祈願するときに、祈願者がその身分を示すために、ヒケテリア(ἱκετηρία)というオリーブの枝を持った。オリーブの冠(英語版)は、花嫁が身につけたり、オリンピックの勝者に贈られたりした。 オリーブの枝は、ローマ帝国の硬貨にエイレーネーの持ち物として描かれた。例えば、西暦70年から71年にアレクサンドリアで発行されたウェスパシアヌスのテトラドラクマの裏面には、右手にオリーブの枝を上向きに持って立つエイレーネーが描かれている。 古代ローマの詩人ウェルギリウス(紀元前70年 - 紀元前19年)は、「ふくよかなオリーブ」を女神パークス(ギリシャ神話のエイレーネーに相当)と結びつけ、『アエネーイス』の中でオリーブの枝を平和の象徴として用いている。 厳かなアイネアスの高みに立ち、手にはオリーブの枝を持ち、彼はこう言った。「フリギア人の腕を見よ。トロイから追放され、イタリアでラティアの敵に挑発され、不当な戦争をした。最初は手を携えていたが、最後は裏切られた。このメッセージを伝えよ。「トロイ人とその長は聖なる平和をもたらし 王の救済を乞う」 ローマ人にとって、戦争と平和には密接な関係があり、戦争の神マールスは、マールス・パシファー(平和をもたらすマールス)という別の側面があり、後のローマ帝国のコインにはオリーブの枝を持ったマールスが描かれている。アッピアノスは、ヌマンティア戦争におけるローマの将軍スキピオ・アエミリアヌスの敵やカルタゴのハスドルバル・ボエタルク(英語版)が、平和の象徴としてオリーブの枝を使用したことを記述している。 古代ギリシャにおいてもオリーブの枝には平和のイメージはあったが、パクス・ロマーナの時代になって、使節が平和の証としてオリーブの枝を使ったことで、その象徴性がさらに強くなった。
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