区分の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/22 08:07 UTC 版)
まず区分の属性(基準)の種類を解説すると、どの属性を基準としてカテゴリ分けするのか、属性の選び方も多種多様である。あまりに多様すぎて網羅的に挙げることは不可能であるが、ここでは比較的頻繁に選ばれている属性(分類基準)を挙げる。 ひとつには《数》を基準にして分類する方法」がある。 例えば、何かの《個数》の類を基準にする方法があり、例えば乗り物について《車輪の数》を基準にして「二輪車 / 三輪車 / 四輪車...」と分類する方法や、鉄道の線路について本数を基準にして「単線 / 複線 / 複々線」と分類する方法、航空機について翼の数を基準にして「複葉機 / 単葉機 」と分類する方法、望遠鏡を筒の数を基準にして「単眼鏡 / 双眼鏡」と分類する方法、世帯を人数を基準にして「一人世帯 / 二人世帯 / 三人世帯 ... 」と分類する方法などである。 数を用いる分類でも、たとえば《質量》(重さ)の値で分類する方法がある。たとえばボクシングの選手を、《体重》を基準にして「ヘビー級 / ミドル級 / ウェルター級 / ライト級 / フェザー級 ...」などと分類する方法がある。(分類のカテゴリ名はボクシングのものとは異なるが)アマチュアレスリングや柔道でも体重を基準にして選手を分類している。→#体重別階級 《長さ》や《高さ》や《距離》を用いて分類する方法もある。 数を用いる分類の中には、《年齢》による分類もある。年齢を基準にして人間を、「10歳未満 / 10代 / 20代 / 30代 / 40代 ...」などと分類する方法である。「20歳未満 / 20歳以上」という線引きをして分類したり、それを「子供(小人) / 大人」という言葉で大分類することもある。(ただし、線引きの基準は、国ごと、領域ごとに異なり、あるひとつの国を取りあげても、選挙権では○○歳で線引き、飲酒については××歳で線引き、喫煙については△△歳で線引き、といった調子で、バラバラになっている国も多い。)また反対に、0歳 / 1歳 / 2歳 / 3歳 ...と一歳刻みで細かく分類する方法もある。 《色》(色彩)で分類する方法もある。例えば「赤リンゴ / 青リンゴ」と分類する方法や、人間の髪を(あるいは人間自体を)、髪の色を基準にして「赤毛 / 金髪 / 栗毛(ブルネットbrunette) / 黒髪 / 白髪 ... 」などと分類する方法である。(ただし、「色」はスペクトラム的に、つまり連続的に変化するものなので、線引きは曖昧である。また、そのあいまいな髪の色が、人の年齢とともに少しずつ変化してゆく。たとえば 欧米人でも、(少年期)茶(っぽい)→(中年期)こげ茶(っぽい)→(高齢期)シルバー(っぽい) などと、連続的に、曖昧に変化する人が いる / 多い。つまり、あくまで便宜的な分類であり、厳密な分類はほとんど不可能である。)また20世紀前半までは肌の色を基準にして人間を「白人 / 黒人 / 黄色人 ...」などと分類することが当たり前のように行われていたが、20世紀なかばあたりからはそうした分類行為が倫理的には問題だとして問題視されるようになり、21世紀に入ってからは(少なくとも行政の場などで、公式には)人間を肌の色で分類することは控えられるようになってきている。 《性》によって分類する方法もある。動物に関しては、基本的には「オス / メス」と分類することが行われている(ただし、動物界を広く見渡すと、生きている途中で性別が変化する事例もあり、単純には分類できない場合もある。)人間に関しても生物学的な性を基準にして「男性 / 女性」と分類する方法が(ひとつのオーソドックスな方法として)ある(だが、20世紀後半あたりから、それほど単純な問題ではない、と指摘されることも増えている。例えば「身体は男だが性的嗜好は女」とか「身体は女だが性的嗜好は男」とか「身体は男(女)だが、どちらの性の人も性的対象だと感じる(どちらでもある)」という人などがいる、という指摘や、性転換手術を受ける人もいる、LGBTが存在している、ということなどがしばしば指摘されるようになってきており、さまざまな角度から、従来の単純化しすぎた分類の是非が問い直されている。)またたとえばロマンス諸語では、すべての名詞が「男性名詞 / 女性名詞 / 中性名詞」に分類されている。 以上は、ありきたりな分類の例であり、多種多様な分類基準のごく一部にすぎない。 たとえば音楽や映画ならば《ジャンル》を基準にして分類する方法もあるし、たとえば、スマートフォンならば、《OS》を基準にして、多様な機種を「Androidフォン / iPhone / その他」などと分類する方法もあるわけで、分野ごとに様々な分類法があり、ほとんど際限なく分類基準がある、と言っても良い。
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