再度の州知事と上院議員
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「ジョン・デイビス (マサチューセッツ州知事)」の記事における「再度の州知事と上院議員」の解説
マーカス・モートンが1839年の州知事選挙で当選してから間もなく、ホイッグ党の指導層がデイビスを再度州知事選挙に出馬させる方向に纏まった。1840年の州知事選挙では、アメリカ合衆国大統領選挙で当選したウィリアム・ハリソンの尻馬に乗り、デイビスが大勝して州知事に就任した。ハリソンが就任から間もない4月に死亡した後、民主党が復活してその年の選挙ではデイビスを攻撃した。デイビスが支持する保護関税は貧乏人に対する税を増やすと非難し、西部の土地政策に反対していることはデイビスがそれらの土地に投機していることを考えれば偽善であると批判した。1841年の選挙ではデイビスが僅差でモートンを破って再選された。この知事である期間は、最初に知事であった期間と同様に、特に新しい計画も独創的なものも無かったが、北東部国境問題でウェブスター(当時はアメリカ合衆国国務長官だった)とイギリスのアシュバートン卿との間に続いていた交渉が気がかりなものだった。デイビスとウェブスターはこの交渉について意見の食い違いがあったが、ウェブスターが最後は合意事項を受け入れるようデイビスを説得できた。この問題は2人の間の分裂を深くし、互いの対話が無くなった。 1842年、反奴隷制度を掲げる自由党が州内での存在感を増していたので、モートンもデイビスも過半数を獲得できなかった。州上院は民主党が支配しており、モートンを選んだ。この選挙でデイビスが得た票は明らかにウェブスターとの間に続いていた敵対関係の影響を受けていた。ウェブスターはデイビスのために選挙運動を行うことを拒否していた。 1844年ホイッグ党党員集会では、デイビスが副大統領に推薦される可能性があった。州の党員集会ではウェブスターから反対されたにも拘わらず、副大統領候補に指名されたが、ウェブスターはデイビスが全国大会で選ばれないように動いた。ウェブスターの勢力は1845年初期の選挙でウェブスターをアメリカ合衆国上院議員に選ぶことに成功していた。これはローレンスとデイビスの派からの反対を押し切ったものだった。デイビス自身は1845年遅くに、アイザック・C・ベイツ上院議員の死に伴う空席を埋めて再度上院議員に当選した。さらに1847年には6年間の任期で再選された。テキサス併合の問題について、奴隷制度を新領土に拡大するものだという根拠で反対したが、奴隷制度に関して党内を分裂させることは好まなかった。デイビスは米墨戦争に反対票を投じたことで、2人しかいなかった上院議員の1人だった。 デイビスは奴隷制度と新領土へのその拡大に反対したが、1850年妥協の条項の大半には賛成票を投じた。その中にはテキサス州の領土に関する法案も含まれており、妥協に反対するホイッグ党員には衝撃となった。米墨戦争で獲得した領土での奴隷制度を禁じる案だったウィルモット条項では常に賛成票を投じた。それは1840年代後半に度々連邦議会に挙げられたが、採択されることは無かった。ある著名な議論の場で、デイビスは軍事費配分法から米墨戦争を除外する修正案に対して投票を遅らせる手段を使った。これは議会が休会になる前に、下院と上院の間の違いを調整する時間を失くすようにすることが期待されていた。しかし、下院と上院の議場の時計が指し示した時刻が違っていたために、下院はデイビスが演説を終える前に休会となり、法案は廃案となった。サーモン・チェイスはこの出来事について、「10人のジョン・デイビスの10の政治的命が最良の方向に遣われ、この半時間の悪戯を償うことができなかった」と記していた。ジェームズ・ポーク大統領は、もしこの法案が成立せずに米墨戦争を終わらせるのが遅れるならば、デイビスは「この国を挙げての呪いに該当する」と記していた。歴史学者達は、デイビスの主張した戦略が本当に機能したのかについて、意見が分かれている。 デイビスの奴隷制度に関する弱い姿勢は、州内の奴隷制度廃止機運が1840年代に地盤を確保するに連れて、デイビスの人気を下げる要因になった。1852年の大統領選挙ではウェブスターを支持せずに、ウィンフィールド・スコットのための選挙運動を行った。1852年の選挙では上院議員の再指名を断った。その後は公職を退いた。 デイビスの晩年はアメリカ古物協会との関係があり、長年その会長を務めた。デイビスは1854年4月19日にウースターで死に、ウースターの田園墓地に埋葬された。その性格が申し分のない高潔だと言う評判があったことで「正直者ジョン」と呼ばれた。
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