公文録とは? わかりやすく解説

公文録(図表共)並索引

主名称: 公文録(図表共)並索引
指定番号 91
枝番 0
指定年月日 1998.06.30(平成10.06.30)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 4146冊、1301点
時代区分 明治
年代
検索年代
解説文: 公文録は、明治時代初期新政府基本的な諸政策等についての原議書類などを収録した公文原簿で、近代史研究根本史料一つとして知られるものであり、関連する図表索引とともに今に国立公文書館保管帰している。
 明治六年(一八七三)の太政官火災によって所管文書・記録類が灰燼に帰したことを機として、国政運営上、記録類整備必要性等に鑑み太政官記録課に公文科を設置して編纂したのである(なお、太政類典は、類典科で編纂された)。
 第一冊の外題に「戊辰(自六月十二月神祇官伺」とみえるように慶応四年(一八六八)の六月から始まり太政官制廃止になる明治十八年の十二月末までを収録する
 各冊の法量および表紙等は必ずしも統一化されていないが、その体裁概ね明朝綴袋綴冊子装で、本文料紙には太政官のほか、各省府県等の薄美濃紙の罫紙用い上奏書の決済用紙には鳥の子様の斐紙使用するものもある。
 各冊の巻頭には所収する件名目次掲げいずれも太政官記録印」(一部には「内閣記録印」もある)の単郭方印が認められ目次中には決済終わった原議書類を件別、日順に整理した編纂事務担当者名を記載している。たとえば第一冊には太政官内閣記録編纂事務携わった宮崎幸麿の名がみえ、太政官内部局および外局神祇官民部省内務省などの各省開拓使地租改正事務局さらには東京・大阪府、佐賀鹿児島県などの府県官吏進退などの順次収録する構成とっている。
 所収する各件の事項内容は、基本的に決済年月別順に配列され太政官授受し各省庁府県などからの稟請上申進達、あるいは太政官内閣閣議書、上奏書などを収め、まま関連する図や書簡なども合綴しており、原議作成経緯一端うかがわれ興味深い
 また、この公文録と一具のものとして伝来した図表現存している。この図表は、大きさ形状などから冊子中に合綴不可能なことから別途保管したもので、内容的には公文録の収録事項関連する一体の性格有するのである
 たとえば、図には太政官実測図新橋横浜鉄道之図、横浜税関図、英国建築家コンドル一八五二一九二〇)の自署存する上野公園地内博物館建築図など、表には元老院議官会議出席不参表、工部省会計諸表大坂造幣寮報告表などがあっていずれも基本資料として注目され、その編纂過程、および伝来経緯など勘案する索引とともに一括して保存を図ることが妥当と思量される。
 この公文録は、先述した太政官火災によって明治五年までの原本焼失し各省等の原議書類をもとに補配したものを含むが、近代国家形成際し明治新政府実施した基本政策等にかかわる公文原簿であり、近代史研究根本史料一つとしてわが国近代政治行政制度研究上等に貴重である。


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