伊能忠敬測量図とは? わかりやすく解説

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伊能忠敬測量図

主名称: 伊能忠敬測量図
指定番号 92
枝番 0
指定年月日 2004.06.08(平成16.06.08)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 43
時代区分 江戸
年代
検索年代
解説文: 伊能忠敬一七四五一八一八)は、上総国山武郡の人で江戸時代中期測量家、地理学者として知られる
 忠敬は、高橋至時門下となり、天文学測量術学び寛政十二年(一八〇〇)閏四月奥州街道および蝦夷東海岸測量着手し文化十三年(一八二一)の江戸府内の測量までほぼ一七年をかけて日本沿岸実測した。
 本件は、近時調査によってその全容確認されたもので、内容からみて次の三種大別される
 まず「日本沿海輿地図」であるが、これはいずれ着色の中図(注・大図は三万六千分ノ一、中図は二一分ノ一、小図は四三分ノ一の縮尺)で、現状は仮巻の状態で保管されており、蝦夷地を二鋪、東北関東中部・近畿中国・四国を各一鋪、九州を二鋪の計八鋪を存しており、この種の図としては最善本として知られ近時複製本刊行された。
 次いで蝦夷地図」であるが、これは蝦夷地に関する着色測量図九鋪(大図七鋪、小図二鋪)で、その内容は、現在の上磯郡知内より山越郡八雲町収める第一図のほか、江戸浅草暦局から東蝦夷地までの路程収めた日本ヨリ蝦夷地合図」までを現存している。
 いずれも体裁は製作当時の折装で、他に現存する伊能図多く改装されていることから、本図は製作当初の姿を今に伝えるものとして貴重である。
 また、この「日本ヨリ蝦夷地合図」には、「寛政十二庚申十二月 伊能勘解由謹図」の識語がみえ、本図作製の経緯等がうかがわれることは注目される
 そして「九州沿海図」は、都合二三幅を存している。体裁掛幅装で、各図ともに着色施し大図二一図、中図一図、小図一図を揃えている。
 「九州六箇国沿海図」二幅(中図、小図)を除いては、いずれも大図であり、大・中・小図を揃えこのように九州各地をあわせ存することは他に遺例がない。
 伊能忠敬関係資料としては、すでに昭和三十二年二月十九日付で重要文化財指定されているが、これらはいずれ伊能家に伝来したもので、そのうち測量図二七種を存している。しかし、なぜか蝦夷図は一点日本沿海輿地図のうち、蝦夷地・下)しか含まれておらず、九州に関してはまった伝存ていない
 東京国立博物館保管になるこの伊能忠敬測量図の伝来について触れると、「日本沿海輿地図」は豊橋藩大河内家の旧蔵になるもので、昭和二十二年に同家から寄贈受けたのである
 また「蝦夷地図」「九州沿海図」は、本図に捺される「浅草文庫印」に鑑み明治八年一八七五)に浅草蔵前開館され官立図書館保管経たことがうかがわれその後明治二十二年に旧農商務省博物館図書課から東京帝室博物館歴史部に引き継がれ現有帰したことが判明している。
 本件の伊能忠敬測量図は、たんに既指定の欠を補うにとどまらず伝来経緯が明確であるとともに日本沿海輿地図のほか、忠敬の地図測量にかかわる中核ともいえる蝦夷地図・九州沿海図がこのようにまとまって現存していることは他に遺例がなく、わが国測量図研究上等に注目される



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