価格弾力性とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 社会 > 社会一般 > 指標 > 価格弾力性の意味・解説 

価格弾力性

商品価格対す需要の変化比率のこと。価格弾力性>1のとき価格弾力性があるといい、数値が高いほどその商品価格競争になりやすい商品といえる

価格弾力性=需要の変化率(%)/価格の変化率(%)

計算式表せる。
価格変化率より需要の変化率のほうが大き場合、その製品やサービス価格競争に陥りやすくなります。つまり、安い方が売れということです。差別化難し日用品などは価格弾力性の高い商品好例であるといえます
ブランドロイヤリティ強化価格以外の差別化要素製品やサービス付加してゆくことが重要となります

価格弾力性

弾力性

(価格弾力性 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/20 10:37 UTC 版)

経済学における弾力性(だんりょくせい、: elasticity)とは、ある変数の変化率ともう1つの変数の変化率の比[1]。一般に、「AB弾力性」という使い方がされ、Bの1%の変化に対するAの変化率(= Aの変化率/Bの変化率)を意味する。Bの変化に対してAが大きく変化するとき、「弾力的だ」と言い、Bの変化に対してAがあまり変化しないとき「非弾力的だ」と言う[2]

定義

弾力性とは、ある変数を1%変化させたときの別の変数の変化率のことである[3]。「yx弾力性」(多くの場合その絶対値)が大きいとき、xの変化に対してyが大きく変化することを意味する。数式では、yの変化率をxの変化率で割ったものとなる。

yx弾力性:
QPの変化に対して完全に弾力的であるケース。
QPの変化に対して完全に非弾力的であるケース。
右下がりの需要曲線で、QがPの変化に対してほどほどに弾力的であるケース。
QPに対する弾力性が定数のケース。
供給の弾力性がそれぞれ異なるケース。
非線形の供給曲線で、供給の弾力性が曲線上で変化するケース。

概念

価格弾力性の概念は、1890年アルフレッド・マーシャルが『経済学原理英語版』で初めて提示した[10]。その後、1960年代後半にジョシュア・レヴィ(Joshua Levy)とトレバー・ポロック(Trevor Pollock)が、財の「供給の価格弾力性」と「需要の価格弾力性」についての実証研究を行い、広く知られるようになった[11]

弾力性は新古典派経済学において必須の概念であり、税の負担率、企業理論における限界収入、消費者余剰生産者余剰、厚生の分配など、様々な経済的メカニズムを理解する上で重要な役割を果たす[12]。弾力性の概念は、需要の価格弾力性、供給の価格弾力性、需要の所得弾力性、生産要素間の代替の弾力性交差弾力性、異時点間の代替の弾力性など、多くの指標に適用されている[13]

ミクロ経済学では、弾力性と傾きは密接に関連している。需要の価格弾力性の場合、横軸と縦軸上の2つの変数間の関係は、需要曲線または供給曲線の直線の傾き、または曲線上の点の接線を計算することで計測できる[14]。縦軸に価格、横軸に数量をとった図で、需要曲線の傾きが急である(垂直に近い)ということは、需要の価格弾力性が小さいということである。需要曲線の傾きが小さい(水平に近い)ということは、需要の価格弾力性が大きいということである。

需要の価格弾力性

需要の価格弾力性を考えてみる。価格の変化率(%)に対する需要の変化率(%)が需要の価格弾力性と呼ばれるものである。1%価格が変化したときに、需要が何%変化するかを表すことになる。変化率(%)を用いるのは、例えば100円変化した時の需要の変化は、もともと100円の商品なのか10,000円の商品なのかで意味が大きく異なるからである。

弾力性の絶対値が1を越えると弾力的、1を下回ると非弾力的と呼ぶ。

  • 需要の価格弾力性が弾力的であれば、需要曲線の傾きは緩やかになる。この場合、値上げすると需要が急に小さくなる。
  • 需要の価格弾力性が非弾力的であれば、需要曲線の傾きは急になる。この場合、値上げしても需要は大きく変化しない。

需要の所得弾力性

所得が1%増えたときに、増える需要の変化率を、需要の所得弾力性という。必需品は、所得に関係なく、需要がある。よって、必需品は需要の所得弾力性が小さい。

贅沢品(奢侈品)は、需要の所得弾力性が1より大きく、必需品は、1より小さい。

その他の例

同様に次のような弾力性が考えられる。

  • 供給の価格弾力性
  • 供給の所得弾力性

価格弾力性の決定要因

価格弾力性を決める要因は、代替財時間に大別できる。食料品などの他の財で代替することの困難な財の価格は概して非弾力的となる。また原油価格が急上昇した場合など、長期に対して短期では概して価格はより非弾力的となる。これは代替財を見つけるのに時間がかかることがその一因と考えられる。

関連項目

出典

  1. ^ Hayes, Adam (2022年7月5日). “What Is Elasticity in Finance; How Does it Work (with Example)?” (英語). Investopedia. 2023年3月31日閲覧。
  2. ^ Elasticity: What It Means in Economics, Formula, and Examples” (英語). Investopedia. 2023年4月20日閲覧。
  3. ^ The Economic Times: Business News, Personal Finance, Financial News, India Stock Market Investing, Economy News, SENSEX, NIFTY, NSE, BSE Live, IPO News”. economictimes.indiatimes.com. 2023年4月20日閲覧。
  4. ^ Gwartney, Yaw Bugyei-Kyei.James D.; Stroup, Richard L.; Sobel, Russell S. (2008). p. 425.
  5. ^ Elasticity: What It Means in Economics, Formula, and Examples” (英語). Investopedia. 2023年4月20日閲覧。
  6. ^ Categories of Elasticity | Macroeconomics”. courses.lumenlearning.com. 2023年4月20日閲覧。
  7. ^ Ruffin, Roy J.; Gregory, Paul R. (1988). Principles of Economics (3rd ed.). Glenview, Illinois: Scott, Foresman. ISBN 978-0-673-18871-7 
  8. ^ McConnell, Campbell R.; Brue, Stanley L. (1990). Economics: Principles, Problems, and Policies (11th ed.). New York: McGraw-Hill. ISBN 978-0-07-044967-1 
  9. ^ 13.5 Interpretation of Regression Coefficients: Elasticity and Logarithmic Transformation - Introductory Business Statistics | OpenStax” (英語). openstax.org. 2023年4月20日閲覧。
  10. ^ L.F.G., López (Apr–Jun 2019). “The concept of elasticity and strategies for teaching it in introductory courses of economics”. Semestre Económico 22 (51): 149–167. doi:10.22395/seec.v22n51a7. 
  11. ^ Taylor, Lester D.; Houthakker, H.S. (2010). Consumer demand in the United States : prices, income, and consumption behavior (Originally published by Harvard University Press, 2005) (3rd ed.). Springer. ISBN 978-1-4419-0510-9 
  12. ^ Vekstein, G. E.. “The Theory of Elasticity”. Physics of Continuous Media. doi:10.1201/9781003062882. https://www.taylorfrancis.com/chapters/mono/10.1201/9781003062882-15/theory-elasticity-vekstein 
  13. ^ Elasticity Theory - an overview | ScienceDirect Topics”. www.sciencedirect.com. 2023年4月20日閲覧。
  14. ^ Chen, Xudong (October 1, 2017). “Elasticity as Relative Slopes: A Graphical Approach to Linking the Concepts of Elasticity and Slope”. The American Economist 62 (2): 258–267. doi:10.1177/0569434516682713. 

外部リンク


「価格弾力性」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



価格弾力性と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「価格弾力性」の関連用語

価格弾力性のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



価格弾力性のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
マインズマインズ
COPYRIGHT © MINDS CO., LTD. ALL RIGHT RESERVED.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの弾力性 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS